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ふくしま定食部

温泉街に立ち上る温泉と食堂の湯気。飯坂町の中心に根づいた情緒を味わう

第14回「笑楽庵」

  • 情報掲載日:2018.08.05
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

 蝉の声、風鈴、扇風機——暑さ本番の8月というのは、食堂にとって最高のシチュエーションですね。今回の「ふくしま定食部」は、飯坂温泉街を77年以上見守り続けてきた老舗『笑楽庵』さん。
 飯坂温泉駅を出て、松尾芭蕉の碑の交差点を西へ。最初の路地で右を向くと、奥に現れるのがこの『笑楽庵』さん。温泉客はもとより、地元の皆さんに古くから愛されてきました。

 引き戸を開けると、この店が積み重ねた時間…たくさんのお客さんが通い、味わってきたその歴史を全身に感じることができます。

 店内は4人掛けのテーブル席が4卓。テレビが見やすい席に着座です。

 さて、何にしようかとメニュー表を眺めます。最近夏バテ気味なので、メニューを組み合わせて元気をつけることにします。まずは、お気に入りのチャーシューメンを軸に、その相棒を選びます。
 カレーラーメンとライスはあるのですが、カレーライスはこちらには無いので…。それではと、今日はミニ天丼を添えることにしました。

 情緒あふれる店内でハツラツとした女性2人の立居振る舞いは、本来の食堂然たる雰囲気で気持ちが良いものです。

 程なくして、中央のスペースを埋める長谷部と柴崎の如く、お盆の上で良いバランスを取るチャーシューメンとミニ天丼が到着です。

チャーシューメン(650円)とミニ天丼(550円)
チャーシューメン(650円)とミニ天丼(550円)

 初めは驚くかもしれませんが、こちらはチャーシューが鶏肉なんです。伺えば、昔の人が四足歩行の食材を嫌ったので鶏肉にしたのだとか。それがそのまま、こちらの定番メニューになっているのですから面白いですよね。

 そして、この鶏チャーシューがやわらかい!頬張ったまま醤油ベースのスープで追いかけると、ホッとします。

 並び浮かぶ鶏チャーシューの様子は、かつてテレビで見た、「風雲!たけし城」の“竜神池”を彷彿とさせるビジュアル。割り箸でその浮力を確認して、向こう岸へ渡れるだろうかなどと考えながらいただきます。

 そして、ミニ天丼も、しいたけ、茄子、南瓜、さやいんげんに、海老は3尾の贅沢さ!オーダーが入ってから揚げられる、このお椀の中の天ぷらサミットが、ミニとはいえ550円はお得ですよね。

 蝉しぐれの降り注ぐ猛暑の日も、しんしんと雪が降り積もる日も、しっくりとくるロケーション。ふと振り返った擦りガラスの模様がまるで湯けむりのようでもあり、ふるさとのいで湯の風情全開です。

 胃もおなかも満足して、午後も頑張れる元気をいただきました。 ごちそうさまでした。

Information

笑楽庵
住所
電話番号
024-542-4326
営業時間
11:00~18:30
休み
毎週木曜日、1/1
駐車場
2台

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