毎年、全国で1.1万人が発症する子宮頸がん。
今回は、定期予防接種対象の娘がいる伊藤さんとキャッチアップ接種対象の佐々木さんが子宮頸がんに関する疑問を産婦人科医先生に聞きました。
※定期予防接種…小学6年生から高校1年生相当の女性が対象
※キャッチアップ接種…定期予防接種を受ける機会を逃した方のための予防接種(平成9年4月2日から平成20年4月1日生まれの女性が対象)
子宮頸がんってどんな病気?予防法は何がある?
佐々木さん(以下佐):先生、子宮頸がんについて教えてください。
本多先生(以下本):子宮頸がんとは、子宮の入口にできるがんです。原因の95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。毎年、全国で毎年約1.1万人以上が子宮頸がんになっており、約3,000人の女性が亡くなっています。なりやすい年齢は30歳から40歳代ですが、近年は20歳代も増加しています。
伊藤さん(以下伊):若い人もなるがんなのですね。何か予防法はありますか?
本:予防法としては、HPVワクチンと子宮頸がん検診です。
HPVワクチンでがん予防
伊:娘がもうすぐワクチンの対象年齢になるので、ワクチンのことをもっと知りたいと思っていました。
本:HPVワクチンは、がんの原因であるHPVの感染を防ぎます。HPVは多くの女性が一生に一度は感染すると言われています。また、HPVワクチンは子宮頸がんの他に、中咽頭(ちゅういんとう)がんや尖圭(せんけい)コンジローマといった他の疾患も予防します。
伊:様々な疾患を予防できるのですね!ワクチンは副反応も気になりますが…。
本:確かに、副反応が懸念され、一時期、積極的な接種が控えられていました。しかし、専門家の会議で安全性に問題がないとされ、令和4年度から積極的な接種が再開されました。なお、ワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れなどが起きることがありますが、これは正常な反応です。
伊:もし接種後に気になる症状があったらどうすれば良いですか?
本:まれに体調が悪くなった、接種部位の痛みが続くなどの副反応が起きる場合もあるので、その際は接種した医療機関に相談してください。
伊:今まで周りのお母さん方と話をする機会もなく、情報も少なかったので、不安に思っていました。今回、HPVワクチンの効果を詳しく知ることができて安心しました。
対象者なら無料で受けることができるHPVワクチン
佐:私にも案内のはがきが来ていましたが、ワクチンを受けることができる年齢はあるのですか?
本:無料でワクチンを受けることができる対象者(定期予防接種)は小学6年生から高校1年生相当の女性ですが、ワクチンの積極的接種が控えられていた世代(平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性)も、無料でワクチンを接種できます。
ただ、キャッチアップ接種は令和7年3月までであり、ワクチンは3回の接種が必要なので、今年(令和6年)の9月までに1回目の接種を受けなければなりません。
佐:期限があることも、3回受けなくてはならないことも、初めて知りました。
子宮頸がん検診で早期発見・治療
伊:子宮頸がん検診についても教えてください。
本:早期の子宮頸がんは、ほとんど自覚症状がなく、症状が出た時には進行していることもあります。子宮頸がん検診はがんの早期発見・治療に繋がり、命を落とすリスクが減ります。また、がんを早期に発見できれば、子宮を取らずに治療でき、がんになっても妊娠が可能な場合もあります。子宮頸がんはHPV感染以外にも原因はあるので、検診を定期的に受けましょう。
伊:検診の大切さも分かりました。定期的に受診します。
HPVワクチンを受けよう~本多先生からメッセージ~
本:子宮頸がんほど、予防法が確立しているがんはありません。特に、HPVワクチンは子宮頸がんにかかる確率を最大90%減らすと言われていますので、まだ接種していない方はぜひ受けてくださいね。
子宮頸がん予防についてもっと知りたい!
日本医師会及び福島県医師会では、HPVワクチンについて詳しく説明した動画を公式YouTubeチャンネルで公開しています。ぜひチェックしてみましょう。
HPVワクチンに関するお問い合わせ先
福島県では、HPVワクチン接種に関する各市町村の問い合わせ先一覧をHPで公開しています。HPVワクチンの詳しい接種方法などについて知りたいときなどはご利用ください。
また、福島県産婦人科医会では、HPVワクチンの接種が可能な医療機関を公開しています。お近くの接種可能な医療機関を調べたいときなどはご利用ください。
Information
この記事に関する問い合わせ
- 問い合わせ先
- 福島県感染症対策課
- 問い合わせ先
電話番号 - 024-521-7238
- 備考
- HPVワクチン接種や子宮頸がん検診に関するお問い合わせはお住まいの市町村へ