矜恃(きょうじ)の山河・第三只見川橋梁
厳冬の山河は、声を密めてなお雄弁である。白雪に包まれた尾根は幾重にも折り重なり、時の流れさえ凍らせ、静寂の響きを満々と湛えている。その深奥を縫うように、碧く澄んだ川が緩やかに身をくねらせ、鉄橋の空間に凜とした意志を渡し、列車は軽快に躊躇なく進んでくる。人々の営みはあまりにも小さく、その小ささこそが、この大いなる自然と調和する証となっている。
山は奪わず、川は拒まず、列車は淡々として急がない。それぞれが己の役目を黙々と果たしている。夕映え雲が空と川面を染めると、白と碧と紅が溶け合い、神秘の生命が躍動して浮游している。過ぎ去るだけの虚空の時代の中で失われぬもの。人はそれを郷愁と呼び、また希望と呼んでいる。厳冬の奥会津、その冬の矜恃の一景がここにはある。
撮影は国道252号の高清水から滝原間のスノーシェッドから。両端に各3台は駐車可能。
文・写真/星 賢孝
Information
厳冬の第三只見川橋梁を渡る只見線列車
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