結論から言います!スーパー小学生現る!?
2025年9月21日、時刻は15時30分。
小一時間前に発表した子どもたちは緊張もほぐれ、結果を待つのみ。固唾をのんで見守る保護者たち。審査に参加した方も非常に迷った様子。それだけ、レベルが高かった。その場の誰かが言った、「あの子はギフテッドだね」と。
入賞(東北電力賞と親方賞)は2名の他に、1名に特別な贈り物。
※親方とはプログラミング講座の講師・ICTてらこや代表理事の荒木氏のこと
親方による、ドラムロール(口で言ってました)。
ドゥルルルルルルル……。
時を戻します…。
最高の演出で発表のモチベーションアップ!
「福島プログラミング講座」を企画し、同講座に参加した子どもたちがプログラミングで自ら考え、作った作品を発表する「福島プログラミング講座制作発表会&交流会」を開催しました。
はじめに、東北電力株式会社 執行役員福島支店長の山野辺さんより、ものづくりの楽しさや可能性に触れて創造力を育んでほしいと、ご挨拶。
続いて、これまでの「福島プログラミング講座」の内容をまとめたオープニングムービーの放映。
動画でこれまでを振り返りました。泣きそうになっている方もちらほら。※私もその1人です
ドキドキが止まらない発表会がスタート!
コメンテーターは郡山市教育委員会の阿部さん、「こむこむ館」館長の高橋さん、とうほくプロコン実行委員会の大澤さん、東北電力株式会社 執行役員福島支店長の山野辺さんの4名に加え、その場にいる全員!なんと、自分に投票することもできます。
作品のお題は「熱いふくしまを全員で最高に涼しくするツール〜夏の夜を快適に!節電アクション!〜」。
最初の発表は毎週「こむこむ館」のICTルームに通うという噂の小学2年生の本田宗佑さん。
本田さんはビジュアルプログラミング言語で、ブロックを組み合わせることで直感的にプログラムを作れる「Scratch」を利用して、なんとゲームを作っちゃいました!!それが、面白い。氷を掘って、日本を涼しくするゲーム。氷を掘った後は、氷を売るとお金がもらえる。
え、本当に小学2年生?小学2年生って、かけ算が始まって、あたふた…。みたいな少年期を過ごした私は彼に尊敬のまなざしを向けていました。
本田さんは人を喜ばせたり、役に立つようなゲームを作りたいそうです。
1人目でレベル高すぎました。
2人目は同じく小学2年生の神庭凪芭さん。彼女は制作したものを持ってきてくれました。その名も「ゆめのせんぷうき」!
 
      聞くと、ただの扇風機じゃないみたい。
扇風機に付いている機能:掃除機、プロジェクター
※これから付けたい機能も含まれています
もはや、革命です。スイッチを押すと、羽が回り涼しくなる扇風機に加え、掃除機とプロジェクターまで付けてくれた。暑い夏に動きたくない時に部屋は涼しくしてくれるし、勝手にお掃除もしてくれる。プロジェクターは涼しい画を映し出してくれるそう。
形もできているので、あとは時間があれば作ることができたはず…。
今度は洗濯したらたたんでくれる洗濯機を作ってみたいそう。
心の中で「買います!」と言いながら、手を挙げました
3人目の髙橋治太郎さんはなんと2作品でエントリー。
「おしぼりひえひえマシーン」&「親方肩腰ベルト」!
肩腰ベルトは親方の肩と腰を気遣い、制作したそう。優しい子です。
ひえひえマシーンはスイッチを押すと、濡らしたおしぼりを2つのローラーで挟んで絞ってくれます。
髙橋さんは発表でも、もっとおしぼりを冷やしたいという改善点を挙げていて、今回をきっかけにもっと成長していくのだろうなぁと見ていました。
審査員のとうほくプロコン実行委員会の大澤さんも彼を認めているからこそ、正解は言いません。ヒントとして、一言「ペルチェ素子」。私はなんのことだかさっぱりでしたが、もっとよく冷えるそうです。ある一定のレベルの人が話すときに生まれる“単語だけで会話するアレ”です。あらためて感じるレベルの高さ。
4人目は小学4年生の結城永和子さん。
 
      作品は「おまもリング」。この作品を作った理由はこの夏は暑く、飼っている犬も毛があるし、より暑そう。そして、犬と人間の平均体温も示してくれ、知った犬の方が1から2℃ほど高い体温。
完璧な動機付けから仕組みは
(1)測る…首輪型の温度センサーで犬の温度を測る
(2)知らせる…センサーの色が暑いと赤、少し暑いと黄色になる
(3)守る…赤く光ったら、うちわであおいでくれる
※(3)はうまくできなかったそうです
実際に、ドライヤーでセンサーに熱を加えると、赤く光りました!
いつか、私が犬を飼ったときに実用化されていると嬉しいです。
審査員からは身の回りの家電や家電量販店にヒントがあるはず。一から機械を作るのではなく、すでにあるものを使ったほうが早いので、参考にしてほしいとのこと。
発表も残り、2人。
5人目は小学4年生の福島陽真さん。
作品の「ロボットしまうませんぷうき」は暑い日に3歳の弟が扇風機を触って、注意されているところを見たことから、弟のために安全に遊べるような扇風機を作りたいと思ったそう。
いい子過ぎませんか?もう、福島さんの弟になりたいです。
仕組みは
(1)シマウマバスをセンサーに向けて、ゆっくり動かす(ピタゴラみたいにして楽しめるようにした)
(2)光センサーが影に反応する(スイッチが入る)
(3)扇風機の羽が回る
(4)ボタンを押すと止まる
そして、制作に使用した素材ですが、なるべく資源ごみを使っています。モーター以外は購入していないそう。すごい!!資源の再利用まで考えていることにびっくりでした。
郡山市教育委員会の阿部さんも「人のために何かを作ったというのがすばらしい」とコメント。
本当にそう思います。
素敵な作品です。
発表のオオトリはなんと、東北電力福島支店のゆーやんこと畠山氏。大きいお友達として、なぜか作品を制作してきました…。なぜ…?
作品は「クマ撃退マシーン〜冷や汗でクールダウン!?〜」。
モーターを使ったゴム鉄砲を作ってきてくれました。ゴム鉄砲でもクマがビックリして撃退!?人間も冷や汗をかいて、少し涼しくなるそう!?
ただ、子どもたちからの人気は抜群。特に男の子は興味津々でした。
審査員の支店長からは「発想は良い!ただし、審査は別!!」と辛口コメントをいただきました。
ゆーやんはここで一番冷や汗をかいたかもしれません。
6名の発表が終わったところで休憩。
普段使っている電気ができる仕組みを体験で学ぶ
このあとはワークショップ。みんなの作品も電気を使って動かします。
 
      東北電力らしく、火力発電、太陽光発電、風力発電の模型や手回し発電機で電気ができる仕組みを学びました。
実際にお湯を沸かして発生した水蒸気がタービンを回して、発電する。やり方はわかっていても模型とは言えども、火力発電の仕組みがよくわかりました。
ちなみに火力発電は日本のおよそ7割の電力を生み出しているそうです。
ロボットプログラミングで自動ブレーキを作ろう
ICTてらこやさんのワークショップは、子どもウケ抜群でした。
 
      まずはプログラムの入力。
10 OUT33
20 IF ANA<2><500 GOTO20
30 OUT0
と入力すると、自動ブレーキが作動するそう。コンピューターに入力して、基盤を手のひら大のロボットに指してからまずは確認。
確認してからは子ども1人が乗れるくらいの「mottoty(モッティ)」に基盤を指すと、同じように自動ブレーキが作動しました。
これまで「福島プログラミング講座」で子どもたちが学んできたプログラミングと、仕組みは一緒なことを改めて感じました。
うまく行かなかったり、クルクル回ったりするときもありましたが、親方は「自由だなぁ」と温かく見守り、決して子どもの考えを否定しないことも子どもにとって大事なことだと実感。
いよいよ結果発表!
とにかくレベルの高い発表会。
全員が受賞してもおかしくないと思います。
賞は2つ。東北電力賞と親方賞。
そして、親方からなんと特別に、「東北プロコン2025」の1次審査が免除されるシード権が進呈されることに!
まずは東北電力賞です。
ドゥルルルルルルルル……!(ドラムロール)
エントリーナンバー5番 福島陽真さん「ロボットしまうませんぷうき」
福島さんおめでとうございます!山野辺支店長から賞状と副賞が手渡されました。
続いて、親方賞。
ドゥルルルルルルルル……!(ドラムロール)
エントリーナンバー1番 本田宗佑さん「氷を掘って、日本を涼しくするゲーム」
本田さんおめでとうございます!親方から賞状と副賞が手渡されました。
そして、東北プロコンのシード権というプライスレスな賞品。
ドゥルルルルルルルル……!(ドラムロール)
シード権はエントリーナンバー3番 髙橋治太郎さん「おしぼりひえひえマシーン&親方肩腰ベルト」
髙橋さんおめでとうございます!
 
      これにて、福島プログラミング講座は終了。
希望者は2025年12月に東北大学で開催される「とうほくプロコン2025」に作品を応募します。この中から、未来のプログラマーが現れることを期待しています。
Information
福島プログラミング講座制作発表会&交流会
- 問い合わせ先
- 東北電力福島支店地域共創本部(平日9:00〜17:00)
- 問い合わせ先
 電話番号
- 024-540-5804


 
          

 
       
      