―2016年1月にはアルバム『There you are』、2017年1月にはライブDVD『THE LIVE』を発売されました。それぞれ、どんな作品になっていますか？

「まず、アルバムは2015年に立ち上げた自主レーベル「Listen J Label」からの、第一段作品ということで、とにかく細部までこだわりました。約１年かけて、一生懸命作った、豪華な作品です。
　2011年に音楽活動を再開してから、被災地で2人のお客さんのためだけにアカペラで歌ったり、交響楽団をバックに2,000人の前で歌ったり…いろんなところで歌ってきた経験を経て、このアルバムには、どんな場所でも歌える曲を収録しています。セルフカバーやリメイクなどはなく、全新曲。１曲ずつが短編小説のようにストーリーを持っていて、私がメロディ付きの朗読をしているような１枚になりました。ファンの方からも好評です。

　ライブDVDには、2016年1月に東京・渋谷の「オーチャードホール」で行なったライブを収録し、今年の1月に同じ会場でライブをしたときに発売しました。これまで、ライブDVDは１枚も出していなかったんです。全国を巡っていく中で、どうしても回りきれない場所がある、そう思って制作に至りました。こちらも１年をかけて編集した、渾身の作品になっています。なかなかライブに来られない方からは、「やっと作ってくれた！」と声をいただきました」

―9月からは『コンサートツアー2017　キミの街へ～再開～』が始まります。

「このツアーでは、アルバム『Theres you are』の楽曲はもちろん、過去のヒット曲も披露する予定です。私がデビューした頃に聴いていた方、その頃に一度ライブに来たことがある方、当時は小さくてライブに来られなかった方…そんな方にぜひ来てほしい、という想いを込めて「再会」というタイトルにしました。

　また、各公演にオープニングアクトとして地元でがんばっているアーティストが登場します。郡山公演はシンガーソングライターのJuni.（ユーニー）。彼女は、パンチのある歌を歌っていて、ライブでお客さんと一つになることを知っているアーティストだと感じたので、オープニングアクトをお願いしました」

―郡山公演はツアー初日となるので、さらに期待が高まります。最後に、福島への想いやコンサートへの意気込みを教えてください。

「震災以降、いわき市には毎年足を運んでいます。食べ物がとてもおいしいですよね。福島の食べ物は安心、安全だということを伝えるお手伝いをしながら、福島の人々から感動をいただいたり、勉強させてもらったりしています。その他にも、飯舘村への桜の植樹、大江千里さんとチャリティコンサートの開催など、東北・福島で支援活動を行ってきました。縁ある福島からツアーがスタートするのも、必然だと感じますね。

　ツアーのプロモーションとして改めて福島を回りながら、福島の皆さんが上を向いて歩いている、ということが分かりました。そんな”今の福島”にぴったりなコンサートにできると思います」


穏やかな笑顔でインタビューに対応してくれた八神さん。福島への愛を感じられるコンサートになるはず！公演の詳細は、下記をチェック。
　（取材日：2017年8月3日）