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作家・湊かなえさんインタビュー!福島県・安達太良山が登場する小説『残照の頂 続・山女日記』が文庫化

山を登る女性たちの人生を描いた短編集『残照の頂 続・山女日記』が待望の文庫化。安達太良山が舞台の作品も収録している今作について伺うべく、作家・湊かなえさんにインタビューを行いました。

  • 情報掲載日:2024.09.23
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

登山を軸に女性たちの人生を描く連作長編小説『山女(やまおんな)日記』(幻冬舎・2014年)の、シリーズ2作目として刊行された『残照の頂 続・山女日記』(幻冬舎・2021年)。

2024年8月8日には、文庫版が発売。文庫化記念サイン会で福島県を訪れていた湊かなえさんに、安達太良山が登場する今作についてお話を伺いました。ページ下部では、サイン本のプレゼントもあります!

今作『残照の頂 続・山女日記』と前作「山女日記」を手にする、作家・湊かなえさん
今作『残照の頂 続・山女日記』と前作「山女日記」を手にする、作家・湊かなえさん
文庫化に際し、初めて手に取る方もいるかと思います。改めてどんな作品か教えてください。

まず、前作にあたる『山女日記』は、“山入門編“という形で、「登山に興味があるけど自分には無理かな」と思っている人に向けて「自分も登れるかも」と思ってもらえるような、山を選んでいます。登山中って自分の内面とすごく向き合うことができるのですが、この山だったらこういうことを考えながら登るんじゃないかなと、山に合わせて主人公たちの悩みを落とし込みました。

そこから8年経って今作の『残照の頂』では、山の難度が上がっていて、主人公の女性たちの年齢も上がっています。何日間もかけて一つの場所に辿り着くということが、少し長いスパンの人生を振り返ることに重ねられるなぁと思って。タイトルの「残照」というのも、直接の表現としては第2話(北アルプス表銀座)にあるような、頂上に着く頃にちょうど夕方4時くらいで、てっぺんから夕陽が見えて……という場面を指しますが、それを人生に置き換えて、長い間頑張ってきてふと立ち止まった時、そこから振り返って見えるものをもう1回辿ってみようという意味も込めています。

単行本刊行時期が2021年の秋で、ちょうどコロナ禍だったこともあり、皆がコロナで足を止めている時に、先に進めないことを焦るよりも、一度振り返ってみてもう1回立て直すような作品を出すことに意義があるのかなと思って、この『残照の頂』を書きました。

最終話の中では、滋賀県・武奈ヶ岳(ぶながたけ)と、福島県・安達太良山が登場します。どんな想いが込められていますか?

前3話では難度の高い山を描きつつ、最終話では“ふるさとの山“を取り上げました。山って登れば登るほど、難度の高いところとか、標高の高いところを目指すようになるけれど、果たして“良い山”ってそういうことなんだろうか、というのを立ち止まって考えた時に、ふるさとの山が思い浮かびました。「そういえば小学校の校歌にあったな」「遠足で行ったな」という、気付きになるような話を最後に持っていきたくて。読んでいる方が、武奈ヶ岳や安達太良山って良いなと思う延長で、「じゃあ私の地元ならどこだろう」と、それぞれのふるさとの山を思い浮かべてくれたらうれしいです。

2024年9月1日に「岩瀬書店 八木田店」で開催したサイン会の様子
2024年9月1日に「岩瀬書店 八木田店」で開催したサイン会の様子
読み進める中で、それぞれの山の表現にリアリティーがあり、情景が目に浮かびました。

作中に出てくる山は全部自分で歩いたことのある山なので、その時の印象を書いています。もちろん安達太良山にも登っていて、私が行った時は紅葉が見頃な時期でした。ただ、実際作品の中に落とし込むにあたり、少し季節をずらしているんです。主人公も紅葉の1番綺麗な時期に安達太良山に登った経験がありますが、そうではない時期にまた登って、「彩り豊かな景色だけじゃなくてこういう厳しい景色もあるんだ」と、主人公の人生を重ねるように2つの景色を書きました。

安達太良山にも来てくださったんですね。何か思い出はありますか?

絨毯のように美しく広がる紅葉の中で、コーヒーを飲んで、おいしいマカロンを食べて、その後山小屋で温泉に入って……。後はいつもの“パンパーティー”をしましたね。フランスパンを持って行って、メンバーそれぞれにパンに乗せたり挟んだりしたらおいしいだろうなぁという具材を持ち寄っています。

前作「山女日記」にパンパーティーの様子が描かれていました。今作に出てくる食べ物も、どれもおいしそうで、こだわりを感じます。

やっぱりご褒美って必要だなぁと思って。前作に出てくる妙高山・火打山に大学生の時に初めて登ったんですけども、山頂で年配のご夫婦がお湯を沸かしてインスタントコーヒーを淹れていて、一緒にどうですかと声をかけてくださったんです。その時に飲んだコーヒーがとてもおいしくて。山で飲むものってなんでこんなに美味しいんだろうって感動したんです。そこから欲を出して「山で高級品を食べたら追いつくものはないじゃないか!」と考えて、ちょっと贅沢なものを持っていくようになりました。作中に出てくるものを食べたくなって山に登る人も出てきたら良いなぁと思います。

ちなみに、安達太良山の他に、福島県内で気になる山はありますか?

まだあまり東北全体の山を登ったことがないので、どこも行ってみたいなと思うんですけど……。質問に質問で返すのは失礼ですが、おすすめの福島県の山はありますか?

私もまだ登ったことはなくて、ロープウェイで山頂まで行ける山なんですが……。

あ!会津磐梯山ですね!

そうです!

実は、安達太良山に行ってみたいなと思ったきっかけが、NHKの番組「にっぽん百名山」に出演したことで。その時、一緒にゲストとして福島県出身のあばれる君が出ていたんです。あばれる君は学生時代に山岳部だったんですよね。番組のロケで安達太良山に行って温泉に入っている姿がとても気持ち良さそうで、自分も安達太良山に行くことにしました。その時のロケが磐梯山だったら、そちらに行っていたかもしれないです。

磐梯山にもお越しいただけるとうれしいです。では最後に、改めて福島県民にメッセージをお願いいたします。

福島県ではこれまで2回サイン会を行っていて、1回目に来て、リピーターになってくれる方がとてもたくさんいて。こうやって熱心に応援してくださってる方がいると分かって、何度も通わせていただきたい場所だなと思っています。

福島の方がこの話を読んで、「ああそうだ、遠足で安達太良山行ったなぁ」とか、自分の生活の延長で思い出してくれたら良いなと思います。読んだ後に「じゃあ来週行ってみようかな」となれるのはすごく羨ましいですね。

湊かなえさんサイン本『残照の頂』を抽選で1名様にプレゼント!応募はこちらから

湊かなえさんサイン入りの文庫『残照の頂 続・山女日記』を抽選で1名様にプレゼントいたします。

※当選発表は発送をもって代えさせていただきます。
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【応募締切】2024年10月14日(祝)

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