UFOとは、unidentified flying object(未確認飛行物体)のこと。「確認できていない」からこそ想像力とロマンをかき立てる。福島市飯野町にある「UFOふれあい館」は、UFOにまつわる貴重な資料を集めた施設。宇宙人と撮影できるインスタ映えスポットや、展望風呂というイレギュラー な組み合せが、なんとも不思議な魅力を醸し出している。

昔から謎の発光体が多数目撃されてきたUFOの里・福島市飯野町

なぜ、この場所でUFOなのか。
実は「ふれあい館」がある千貫森は、昔から謎の発光体が飛来する場所として知られ、ミステリー好きの注目を集めていた。そんな背景から30年ほど前に旧飯野町(2008年に福島市と合併)が取り組んだ「ふるさと創生」のテーマとしてUFOが取り上げられたのだ。
当初の目的は「地域おこし」であり、お風呂があるのは、地元の人が集えるコミュニティサロンがスタートだから。そう言われてみると、この組み合せには、なんの不思議もない――。
UFOの貴重な資料を手にとって見ることができる希有な施設

転機は2002年。
飯野町を何度か訪れていたUFO研究の第一人者・荒井欣一氏から貴重な資料の寄贈を受けた。それを「ふれあい館」は「荒井欣一UFOライブラリー」として公開し、ミステリーゾーンなどを追加して現在に至っている。
職員の菊田清司さんによると「UFOに関しては日本一といえる資料が揃っている」そうで、入館者の半数以上が福島県外からの人。出張帰り風のサラリーマンが、じっくり展示物に見入っていくこともあるそうだ。
いよいよ宇宙と宇宙人の謎に迫る「ミステリーゾーン」、さらにその奥の展示室へ


入館料を支払い、いざミステリーゾーンへ。センサーに反応して登場する宇宙人が暗がりからこちらを見つめていて、いやが応にも期待が高まる。
展示室にはUFOエリアと宇宙人エリアがあり、 自由に撮影可能。宇宙人エリアは、惑星を背景にした異空間。



UFO・宇宙人エリアの奥にある3Dバーチャルシアターへ。千貫森の不思議や「壮大な宇宙のなかにいる人間という存在」が迫力のある映像で迫ってきた。

入館者なら誰でも自由に利用できる『絶景風呂』
2階にあるお風呂は、一気に入ってきたUFO情報を整理しクールダウンするのにも役立つ。沸かし湯ではあるが「身体がよく温まり、腰痛や肩こりにいい」と言われるのは千貫森のパワーだろうか。

お風呂と休憩室からの眺めはすばらしく、天気が良ければ吾妻山、安達太良山、遠く那須連山まで見える。窓の外を眺め、UFOを探しているうちに1日があっという間に過ぎそうだ。

別棟にあるパノラマ食堂で「ピンカラ石ラーメン」を!

小腹が減ったら、別棟の「UFO物産館」へ。館内にあるパノラマ食堂の名物は、あごだしスープの「飛魚ラーメン」(680円)。厨房のスタッフが研究を重ねた本格的な味で、ラーメンを目的に遠くから訪れる人やリピーターも多い。
千貫森産の石の器で食べる「ピンカラ石ラーメン」は980円。磁器を帯びた石のパワーでスープがまろやかな味に変化するらしい。



宇宙人の石像が案内してくれる千貫森。登頂しないと体験できないこととは⁉
千貫森(標高462m)の頂上まで、遊歩道ならぬ「UFO道」と名付けられたコースがある。スタートラインにいるのは宇宙人の石像メイラ。


セラ、デカメダ、チーミー……と計10体の宇宙人たちが道を誘う。 山頂へは、ゆっくり歩いて30分ほど。


「真剣にUFOと宇宙人に関わっている」スタッフの熱意が伝わる施設
取材対応をしてくれた二人も、UFOを目撃した経験はないという。
しかし、熱心に解説してくれる様子から「真剣にUFOに関わっている」姿勢が伝わり、決して「珍スポット」扱いなどはできない、日本唯一の貴重な施設だと感じられた。「いつかはUFOに遭遇できるかも?」と淡い期待を抱きながら、何度も訪れてみたくなる。
Information
UFOふれあい館
- 住所
- 電話番号
- 024-562-2002
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 休み
- 毎週月曜日(祝日の場合は翌日休み)、12月29日~1月3日
- 料金
- 入場料:大人400円、小・中学生200円
※展望風呂と和室利用料も含む - 駐車場
- 普通車40台、大型車3台