2017年6月、橘高校軽音サークルのメンバーで結成。様々なジャンルのカバー曲やコール&レスポンスを取り入れたオリジナル曲を演奏し、5人の個性がぎゅっと詰まったにぎやかなライブを届ける。サポートドラム・ゆうごを交え、6人にインタビュー。
―結成のきっかけを教えてもらえますか?
みゆち(Gt&Vo)「5人とも同じ高校なんですけど、非公認の軽音サークルがあって、そこに入ったのがきっかけですね。最初はドラムもいて、同じ頃にサークルに入ったメンバーがパートもバラバラだったので、ちょうど良いかなと思って6人で始めました」
あゆっち(Key&Vo)「ひよりんはちょっと後からじゃない?最初は、ひよりん以外で組む話になってたんですけど、『ひよりんもやらない?』って声かけて…」
ひよりん(ウクレレ&Vo)「私は最初サークルに入るつもりなかったんですけど、みゆちに付いていったら入っちゃって(笑) じゃあウクレレ持ってるからやってみようと」
―みなさんがサークルに入った理由は?
がらし(Gt)「みんな、高校に入って音楽やりたみはあったでしょ?」
あゆっち「やりたみあったー!」
がらし「私は、中学生のときに『けいおん!』っていうアニメを見てて…深夜の再放送見てたんですけど(笑)、主人公の女の子がギター弾いてるのがかわいいなーと思って。高校に入ってギター始めたくてサークル入りました。ひよちゃんは?」
ひよりん「私は…ちやほやされたかったです(笑)」
あゆっち「素直すぎる!(笑)」
ひよりん「バンドやってる人ってちやほやされてるイメージがあって(笑) キラキラしたかったんです。元々、家族がハワイアン好きで、ウクレレが家にあったんですけど、高校から新しいこと始めようと思って弾き始めました」
みゆち「私は中学1年生のときからギターを始めたんですけど、自分で弾くだけじゃつまんないじゃないですか。誰かに聴かせたいなっていう想いがあって、その手段としてバンドが組みたくて、サークルに入りました」
あゆっち「中3のときに「氣志團」に出会って、すごくハマったんですね。自分もバンドやりたい!と思って。4歳からピアノを習っていたので、それ活かしたいなと思いました」
まっさー(Ba)「僕は、姉がドラムをやってて、それを中学生の頃から見てたので、自分も楽器やってみたいと思って入りました」
―バンド名の由来も知りたいです。
みゆち「結成したのが去年(2017年)の6月で、ちょうどテスト期間だったので、教科書開いてあった単語を付けました」
がらし「現代社会の教科書だったよね。インターネットでいつでもどこでもつながっていられる“ユビキタス社会”になりました、っていう単元があって。音楽でもつながっていければ、と思って……っていうのが後付けの理由なんですけど(笑)」
あゆっち「最初は「ユビキタス」だけだったんです」
みゆち「大阪に同じ名前のバンドがあって、ファンの方からご指摘をいただき…私の友達に「工場見学」っていうのを付けてもらいました」
―初ライブはいつですか?
がらし「(2017年)9月16日、C-moonです」
みゆち「サークルライブ「TACHI FES」ですね。6・7組くらい出てて。私たちは『夏祭り』『secret base~君がくれたもの~』『タマシイレボリューション』の3曲をやりました。初ライブから今と同じように3人ボーカルで歌い分けてました」
あゆっち「すごく緊張した。自分たちでたくさんお客さん呼んだのもあった、たくさん見に来てくれて」
がらし「ギター始めて3ヵ月だったし」
みゆち「でもすごく好評だった!」
ひよりん「「これから期待できる」とか言われて図に乗ったよね(笑)」
まっさー「全然覚えてない(笑) 緊張してたと思います」
ひよりん「えー!でも本場前にまっさーに「緊張するね」って言ったら「え、そう?」って言われたよ!?(笑)」
まっさー「個人的には3回目のライブだったので、そう言ったのかも」
―今の持ち曲は何曲くらいあるんですか?
あゆっち「数えたことないね」
がらし「夏の曲ばっかだねーっていう話をして、季節関係ない曲を選んで」
あゆっち「まっさーがやりたいって言ってくれたYUIの『again』とか」
がらし「クリープハイプの『憂、燦々』、チャットモンチーの『染まるよ』」
みゆち「MASH&Coの『明日も』。あと『One Night Carnival』 」
ゆうご(Dr)「あと『Set It All Free』と、オリジナル曲じゃない?」
みゆち「10曲ちょっとくらい。ライブがある度に、1曲は新しい曲やりたいなっていう想いがあったので、だんだん増えていきました」
―カバー中心に、いろんなジャンルの曲を演奏しているんですね。
みゆち「一人ひとり、好きな音楽のジャンルが違うので、やりたい曲をやるのが1番良いと思って。やってくうちに、そのジャンルを好きになることもあるしね」
あゆっち「そうそう!私、バンドの音楽とか全然聴いてこなかったんですけど、好きになりました」
がらし「ひよもね、今までは「ももクロ」とか聴いてきたよね」
ひよりん「全然バンド音楽は分からなかったので、勉強になりました」
―オリジナル曲はどんな風に作っているんですか?
がらし「最初の骨組み…コードと歌詞をみゆちちゃんが持ってきてくれて、みんなで肉付けしていく感じです」
みゆち「歌詞と曲が同時に思い浮かんだらボイスレコーダーで録音して、それをつなぎ合わせて、1回自分で通して歌ってみる。それをみんなにLINEで送って聴いてもらって。その後スタジオに入ってみんなで合わせます」
あゆっち「初めて聴いたときは、とにかく作詞作曲できることがすごい!と思いました!自分ではできないから」
みゆち「これめっちゃ照れるわ~(笑)」
―オリジナルの2曲はどんな楽曲になっていますか?
みゆち「1曲目は『来世に期待してどうぞ』。矛盾から生じるものっていうか…光と影というか…幻想的な感じです」
ゆうご「そんなかっこいい内容だったんだ(笑)」
みゆち「2曲目の『工場見学』は自主企画が決まってから考えた曲で、企画では最後に出られるので、みんなで一体になれる曲にしようと思って。最初ひよりんからコールがある曲をやりたいって言われたのもあって、そういう曲にしました」
がらし「テーマソングみたいな感じだよね」
―今年(2018年)7月に自主企画を開催しました。開催の経緯と、当日の様子についてお聞きしたいです。
みゆち「U-ONE MUSICの阿部さんに「自主企画やってみない?」って声かけていただいて」
がらし「そろそろやるか~、みたいな(笑)」
ゆうご「そんなノリだったの?(笑)」
みゆち「ちょうど結成から1年経っていたので、やってみたいなと思って」
あゆっち「会場内に、飯坂電車桜水駅で撮った写真をたくさん貼りました。アー写はその中の1枚です」
みゆち「ライブ自体はめっちゃ熱かったです。結構お客さんも来ていただいたし。とにかく、めっちゃ楽しかったです。出演者のブッキングとかチケットの準備とかも、全部自分たちでやる中で、自主企画ってすごい楽しいなぁと思いましたね。達成感がありました」
―自主企画も含め、結成から1年の間に数々のライブを経験してきたと思いますが、ステージ上でこだわっている点はありますか?
みゆち「あんまりかっこつけないで、自然体でいること。かっこ悪くてもいいかなと思う」
がらし「ありのままの、等身大の私たちを見てほしい」
ひよりん「ステージ上では笑っていたいよね」
みゆち「お客さんと一緒に楽しみたい。自分たちが楽しくても、お客さんが楽しくなかったら、それは違うかなって思ってるので」
―バンドを始めて良かったと思うことは?
がらし「新しいつながりがどんどん増えてくところかなぁ。バンドやってなかったらライブハウスに出入りすることもなかったし。音楽やっていることで、人と人とのつながりができてくんだな、と思いました。自分の学校以外の人と会うようになったし、年齢性別関係なく喋れるようになりました。バンド始めてから、「トランプ大統領の前でも喋れるな」と思えるようになった(笑)」
あゆっち「どういうこと!?(笑)話のスケールがでかい(笑)」
がらし「世界が広がったってことです(笑)」
ひよりん「これまで出会ってきた人で、もうなかなか会えない人っているじゃないですか。でもこうやってバンド活動をしていると、自分の居場所を主張できるというか。昔お世話になった人たちに「自分は元気にしてますよ」って伝えられることがうれしいな、と思ってます。それで連絡くれる人もいたりして。がらしも言ってた通り、つながりができることがうれしいです」
みゆち「見てくれる人が「良かったよ」「すごいね」「次も行くよ」って言ってくれることが、自分たちの力になっているので、お客さんの力ってすごいと思ってます。あと、2人と似ちゃうんですけど、お客さん同士で仲良くなってたりもして、そういうのを見るとやってて良かったなって思いますね」
あゆっち「3人が言った通り、人とのつながりができるっていうのももちろんあるんですけど、ただキーボードを弾いてるのが楽しいって思うんですよね。会場のお客さんと一緒に音楽を作っていくっていうのが楽しいって感じます」
まっさー「バンドを始めてから知名度がどんどん上がっていくのがすごいと思ってます。ラジオとか雑誌とかで取り上げてもらって、今までこんなことなかったし、バンドがあるからこそのことなので。あと、学校以外のお友達が増えました。…トランプ大統領とか(笑)」
一同「(笑)」
―サポートドラムのゆうごさんから見た「ユビキタスの工場見学」はどんなバンドですか?
ゆうご「最初に見たときは、演奏技術どうのこうのよりも、インパクトあるなっていうのが第一印象。ずっと頭に残ってました。素で音楽を楽しんでるな、って客観的に見て思います。自分たちの音楽を、自分たちが楽しんでて、それをお客さんたちもしっかり受け止めてる。「いいバンドだな」って思いますね」
みゆち「ありがたいです。オリジナル作るときにもアドバイスくれて」
がらし「お兄さん的存在です。芸術的なドラムを叩いてくれます」
ゆうご「半年経ってもベタ褒めしてくれるよね(笑) 最近は「ユビキタスの人」って言われたりもする(笑)」
―10月8日(祝)にはホールでのライブイベント『響鳴ハイライト2018』への出演が決まっています。
ひよりん「席があるので、おじいちゃんおばあちゃんも呼びやすい。落ち着いて見られると思います」
みゆち「ホールでのライブはやったことないので、私たち自身もどういう風になるんだろうってドキドキです」
がらし「未知の領域だよね」
ひよりん「個人的な願望なんですけど、ステージから上を見上げて「2階席~!?」って呼びかけたい!(笑) ホールでしかできないパフォーマンスをしたいです」
みゆち「初めて見る人でも楽しめると思うので、ぜひ来てほしいです!」
終始笑いが絶えない取材で、6人という大所帯でも仲の良さが伝わってきました。来春からは受験生になるため、活動が少なくなるかもしれないとのこと。「3月までは全力でやります!」とのことなので、彼らのライブをお見逃しなく!
★「日刊シティ情報ふくしまWeb」をご覧のみなさんに、「ユビキタスの工場見学」メンバーからメッセージ!
取材協力/U-ONE MUSIC 阿部さん(@outline1)
撮影/武藤健一さん(@k_rock_mt)
撮影場所/福島アウトライン