定食部員の皆さま、あけましておめでとうございます。2019年は胃(亥)年ですから、すべての皆さんが年男年女ということになりますね。
羽子板を見ているうちに、定食屋に掛かった木札メニューを思い出してうずうずしていた正月休みも明け…"定食初め"となる今回は、国道13号沿いに佇む老舗、福島駅東口の顔とも言うべき『大政食堂』さん。
以前は通し営業でしたが、深夜に温かい食事を求める方も多く、まさかの深夜24時頃から再オープンするというリアル深夜食堂の顔を併せ持っています。
そんな深夜の大政食堂さんを今回ご紹介しようかと思っていたところ、週末の土曜日にぽっかり予定が空きました。昼間から瓶ビールを添えて定食を嗜む、そんな風情を味わいたくて、大人の贅沢を堪能してみることにします。
お一人様ならカウンターなのでしょうが、ここは国道13号線を肘掛けにできる抜群のロケーション。ガラス張りのエキサイティングシートに座らせていただきます。
小雪ちらつく駅前通りを歩いてきましたから、ギンギンに冷えた指先を温めながら、カウンター上のメニューを眺めます。
あまりに歴史が長すぎて、女将さんでもはっきりとした創業年数は分からないそう。遡れば戦後の闇市があった頃、先代の正二さんが本屋を開いたのが始まりとのことでした。
その後、いくつかの業種を経て、現在の食堂に。先代は、福島市の"もう一つの政"こと、『鳥政』さんと合わせ2店舗を立ち上げました。
今回は、『大政食堂』さんの人気メニューとして外せない「ホルモン炒め」を。加えて、「カツ丼のあたま(カツ丼のごはんを抜いたもの)」も注文。そこに瓶ビールを添えることにします。
縦に配置された座席の並びは、なんだか屋形船に乗っているような気分。たまたま居合わせたお客さんたちも同じ船に乗り合わせた仲間のように思えてきます。
頭上のテレビを眺めつつも、野菜を炒める音を右耳に捉えながら…先行して到着していた瓶ビールを噛みしめて、待つこと約10分。
「ホルモン炒め」と「カツ丼のあたま」が到着です。
オープンカフェのような解放感に、思わず目が合った通行人全員と乾杯したくなります。
歯ごたえのいいホルモンとシャキシャキとした野菜に、程よい味付け味噌ダレが絡んで、昼のビールによく合います。カツも、この厚み、卵の火の入り具合、たまりません!
よーっくと煮汁が染みたタマネギだけでもビールをお代わりできそうでしたが、また寒い外へ出ることを考えて、ここでお酒をぬる燗にしていただきました。〆には、おにぎりを添えることにします。
梅やおかかのベーシックなおにぎりもホッとしますが、大政食堂さんに来ると、紅しょうがや福神漬けのおにぎりが食べたくなります。
ホカホカのおにぎりをいちゃつくように食べる様をガラス向こうの通行人に見せつけながら、合間合間に金水晶のぬる燗を流し込んで…心も身体も温もりました。
満足して外を眺めて、「まるで綿帽子のように木々がこんもりとした雪を纏う日もまたいいだろうな」…などと考えながらクールダウン。深夜に向こう側を歩いていて、大政食堂さんの温かな灯りを見つけたときは、「ふくしまのオアシス」と言えましょう。
新年会のあと、さっそく深夜の部にお邪魔したくなりました。
ごちそうさまでした。
Information
大政食堂
- 住所
- 電話番号
- 024-522-1355
- 営業時間
- 10:00~17:00/24:00頃~翌2:00頃
- 休み
- 毎週水曜日※夜の営業は不定休
- 駐車場
- なし