季節も秋となり、食欲全開の第49回ふくしま定食部。
私の中で、空中都市マチュピチュのイメージがある福島市南向台。そんな福島のペルーとも言うべき南向台から眼下に見える、ナスカの地上絵の如きヨークベニマル南福島店のハトのマーク。
その北側に位置するのが、「福島県青少年会館」1階に2020年6月オープンの「みなふく食堂」さんです。
通り沿いでは、たくさんののぼり旗が出迎えてくれますが、9月という季節からか大相撲秋場所の雰囲気すら漂うようです。


ドアを開けて入場すると、メニュー看板が出ているのですが、定食のほか、丼類、麺類、カレーなどバリエーションも豊富。
しばらく注文を迷いましたが、以前いただいて気に入った豚しょうが焼き定食にしましょう。

レジ前で温かく迎え入れてくださる奥さまにオーダーを告げて、代金は先払いのシステムです。
「お好きなお席へどうぞ」に続く、「ランチはドリンクバーサービスですよ」の声に、いきなりテンションも上がります。
みなふく食堂さんのドリンクバーは、しっかり濃くて美味いのがポイントなんです。特にオレンジスカッシュが好きで、毎回1杯目にと決めています。


オレンジ色で満たしたグラスを手に、テーブルへ着席です。
座敷も良いですが、テーブルが並ぶ“会館の食堂”は懐かしさもあり、窓から差し込む光を映すビニールクロスの雰囲気も相まって、なんとも落ち着きますよね。
オレンジスカッシュを飲み終えて、次はコーラかと腰を浮かせるか浮かせないかくらいのタイミングで、ちょうど「豚しょうが焼き定食」が運ばれてきました。

しょうが焼きのトップには、インパクト十分におろし生姜。しっかりと味付けされた豚肉の褐色の上に、鮮やかなイエローが映えます。


サイドには、しょうが焼きにとっての生涯の良き伴侶とも言うべき千切りキャベツ。アイスディッシャー1つ分のボリュームがうれしいサラダも、ポテサラ・マカロニサラダのハイブリッドな贅沢版。日替わりの小鉢も、今日はじゃがいもとインゲンの煮物でほっこり。
ご飯を腹いっぱい食べてくれと言わんばかりのラインアップを目の前に、すでに幸福に包まれます。
まず、味噌汁をひと口啜ったら、一枚目のしょうが焼きを引き抜いて、例のごとくライスの上に搭載。


甘辛いタレがよく絡んだしょうが焼きは、ときにライスを、ときにキャベツを加速度的に口へと運ばせます。
しょうが焼きの醍醐味のひとつ、ほどよい脂身のうっとりとする旨味が、しっかりとした赤身の部分とバランスよく口の中で調和します。
やや濃い目の味付けながら、おろし生姜がさっぱりとさせてくれるので、飽きるどころか、もう一枚食べたくなる味わい。

みなふく食堂さんには、「名古屋名物味噌カツ定食」や「新潟名物タレカツ丼」、「会津名物ソースカツ丼」などもあり、南福島に居ながら、ちょっとした旅行気分を味わえるんです。
店主の「ソース、醤油、味噌。別々に使った各地の名物をお客さんに知ってもらいたい」とのお話しからも、あったかいおもてなしの気持ちをいただきました。
「味噌カツ定食」は鉄板で供され、別添えの味噌だれを掛け回せば、ジュワーっと立ち昇る湯気の中で、カツにもキャベツにもタレが絡んでご飯が進みます。


タレカツ丼は、新潟らしい薄めの衣でサックリとした食感のカツに甘じょっぱいタレ。たっぷりの刻み海苔もうれしい一杯です。

“みなふく”にちなんで、3の付く日はライス、7の付く日は麺が大盛りになるサービスも見逃せませんね。
地域の名前を冠した「みなふくラーメン」はワンコインの500円ですから、大盛りサービスは破格値です。

店主ご夫妻が、こちらで食堂を始められたきっかけのひとつに、青少年会館が結婚披露宴を挙げた思い出の場所だからという素敵なエピソードを伺いました。


その当時は、まさかこの場所で食堂を経営されるとは思いも寄らなかったでしょうが、まさに運命的な引き合わせ。
自らが幸福な時間をスタートさせた場所で、今度はみなさんへ幸福を提供する側に立たれていること。その場所が “みなふく”であることの必然。


みんなに幸せになってほしい思いは、さらに続きます。ちょうど2021年9月からは子ども食堂としての活動もスタート。ますます、“まちの食堂”“みんなの食堂”として欠かせない場所になりました。

あったかいのは食事だけじゃない。
そんな思いに、胃も心も満たされる食堂ですね。また伺わせてください。
ごちそうさまでした。
Information
みなふく食堂
- 住所
- 電話番号
- 024-572-3167
- 営業時間
- 11:30〜14:00/17:30〜20:00
- 休み
- 不定休
- 駐車場
- あり
- リンク
-
https://minafuku.mystrikingly.com/