第63回のふくしま定食部は、南相馬市の絶品メンチカツを求めて福島市から往復4時間の定食遠足です。
取材の時期は11月中旬。鮮やかな紅葉を横目に国道114号線を東へ。
途中、川俣町から飯舘村を抜けるあたりは、橙に色づいた落葉の渦を抜け、秋晴れの日差しに導かれるように車を走らせます。
今回の目的は、かねてより大ファンの今野畜産さんの“こんちくメンチ”。まずは、JR磐城太田駅向かいの工場兼直売店へ直行です。

コロナ対策での入店制限はありますが、やはりこの日も順番待ちの人気。
今回お土産を兼ねてチョイスしたのは、「メンチカツ」(100円)3個、「カレーコロッケ」(90円)1個、「ウインナー串カツ」(60円)2個。


秋の陽気についつい1枚だけアウトドアでつまみ食い。
幼い頃、空腹のスポ少帰りに精肉店で買い食いした思い出が蘇ります(経済もこれで学んだ気がします)。

ウチワエビかと思うほど大きくて丸い褐色の宝石。
無人駅の前でニヤけつつ、まずはひと口。ジュワジュワと溢れる肉汁が毛細血管の隅々まで染み渡っていくようで、全身にハイオク満タンな気持ちになります。
工場・直売店が病院なら、道の駅は調剤薬局。今度は定食スタイルで処方していただこうと、道の駅南相馬内の「お食事処 さくら亭」さんへ移動します。

国道6号線を車で10分ほど北上すると、左手に「道の駅南相馬」が現れます。
道の駅内の物産館から入場となりますが、するりと通り抜けようにも、魅力的なアイテムだらけでなかなか食堂にたどり着けません。

午前中に立ち寄る時は、これぞ南相馬な「まつなが牛乳」(110円)と「よつわりパン」(148円)の組み合わせが好みなんですが、ついつい一緒に「のんだら乗るな のむなら牛乳」ステッカー(300円)も買っちゃうんです。
物産館の奥にあるさくら亭さん。その手前の券売機で食券を購入します。券売機の下にはメンチカツ推しな貼り紙がありました。


食券をお出ししたら、開放的な窓際の席を確保。呼ばれるまで、ゆったりと公園や雲を眺めていると妙に感じる視線。
やはり野馬追いの町、“野馬ベンチ”から歓迎を受けていることに気づきます。

野馬とのアイコンタクトを楽しんでいると「225番メンチカツ定食のお客様」のアナウンス。
受け取ったら、その場でドレッシングなどでお膳を自分流にカスタマイズできるのですが、ここは潔くマヨネーズ。さらには、メンチ脇に紅しょうがの花を咲かせてみます。
直売店のまんまるタイプとも趣の異なる、よそ行き成型スタイルのメンチが2つ。

3等分に切り分けられたうちの、まずは赤道部分と南半球をライスにセットしたら上からソースを滴らせます。メンチをオーバーフローしたソースがライスまで染みたあたりもまた良いんですよね。
メンチとライスを頬張って、口の中から無くなる前にキャベツを投入。そしてまたメンチと食べ進むほどに元気が漲ってきます。
マヨネーズや、紅ショウガで味変も楽しんだところでひと息つきましょう。


ここで、脇役にはもったいない存在感を放つ「からみ漬け」の出番。からみ漬けは、地元の大根を醤油や酢、みりんなどで漬け込んだ昔ながらの漬け物。
小鉢の漬け物に至るまで地元愛に溢れたお膳に、この瞬間だけは南相馬市民になった気分です。

1970年創業の今野畜産さんの歴史と肉汁が詰まったメンチ。
今年(2022年)、開駅15周年の道の駅南相馬。さくら亭さんでこのメンチを定食でいただけるうれしさ。
いつもついつい立ち寄ってしまう魅惑の道の駅。次回はメンチカツ丼をいただきに寄らせてください。
ごちそうさまでした。
Information
今野畜産
- 住所
- 電話番号
- 0244-23-5202
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 休み
- 毎週日曜日※他、臨時休業あり
- 駐車場
- あり
- リンク
-
https://konno-chikusan.jimdofree.com/
- 備考
- 上記の電話番号につながらない場合は、事務所・工場の番号(0244-24-4168)に電話を
Information
お食事処 さくら亭
- 住所
- 電話番号
- 0244-26-5100
- 営業時間
- 11:00~15:30(15:00ラストオーダー)
- 休み
- 無休
- 駐車場
- 普通車68台、大型車17台、身障者用3台
- リンク
-
http://www.nomaoinosato.co.jp/