節目の第100回まであと3回の「ふくしま定食部」は思い入れのあるお店をと、JR磐越西線「郡山富田駅」から内環状線を南へ20分ほどウォーク。
逢瀬川の手前まで来ると布袋さまが出迎える「大昇楼」さんが見えてきます。
暖簾を潜ると、そこには刻んだ歴史が作り出す味のある空間が広がっています。この情緒と活気こそが大昇楼さんの最大の魅力なんだと思います。
さて、ひとりですから無論カウンター。カウンター越しに厨房から放たれるエネルギーを浴びて間接的にチャージ。
今日もやっぱり「レバー焼き定食」を欲しますが、その前にやってみたかった豚足醤油煮+紹興酒の助走からの組み立て。
3日間じっくりと醤油で煮込まれる豚足をぷるんと摘まんで、そこに紹興酒の熟成した甘み・酸味を合わせる。
入れたザラメに揺らぐ琥珀色を眺めるこの席には、一心に掻き込む他のお客さんとは異なる時間が流れます。
“これぞ大人の嗜み”な時間を楽しんでいると、厨房とカウンターの境の台に、ライスとスープが供され、手元に降ろすと今度は褐色の恋人「レバー焼き」が届きました。
八角形の青磁に敷かれた純白の玉ねぎはあたかもレバーを支える蓮華座。悟りを開く仏の境地で積み上げられたレバーを摘まみます。
歯が触れた瞬間に分かる、新鮮さが故のサクッと食感。濃い目に甘じょっぱいタレがレバーの濃厚さと相まって旨み大爆発!
たまらずライスを頬張ったら食欲はトップギアへ。シャキシャキ玉ねぎからの柔らかレバーは、食感も味わいも緩急織り交ぜの濃淡コントラスト。
なるべくタレを纏わせようとれんげをお借りしたら、ひたひたのレバーを顔前まで持ってきて最短距離で口まで移送。
この味わいにはライス大盛りで正解ですね。
中盤まで食べ進んだなら、一味を振りかけて燃えるように赤く、鮮やかに。甘めのタレが一味の辛みを伴って本日2度目の昇天。
この雰囲気とこの味わい。大昇楼さんにお邪魔する理由が詰まった瞬間です。「郡山富田駅」新設の恩恵を一番受けたのは大昇楼ファンで間違いなさそうです。
レバー焼き以外にも他のオーダーも飛び交います。あんかけの「五目焼きそば」は茹でた特注の麺を中華鍋で焼くので、カリッとした焼き目の部分ともっちりと柔らかな部分の異なる食感も楽しいひと皿。
たっぷりの餡には、白菜ではなくキャベツの歯応え。終盤に酢をまわし掛けると味が締まってこれも良いですね。
「チャーハン」はエビに玉子、チャーシュー、グリーンピースとシンプルな見た目。しかし、いざ口に運ぶとしっとりとコク深い醤油味があとを引いて、大盛りにしないと後悔するチャーハンです。
レバー以外にも、「回鍋肉定食」や「もつ野菜味噌炒め定食」など、肉屋さんから、その日良いものを仕入れる大昇楼さんらしい肉系メニューがそそります。
一品追加するなら、醤油とカラシでいただく春巻きもオススメ。
パリッと軽く香ばしい皮の中にあっつあつの餡。熱いけど食べたい!食べたいけど熱い!前歯で探り探り格闘する春巻きは3本あるので3本勝負。
栄養とコラーゲンをしっかり補給したらお会計ですね。
昭和40年に郡山市の長者に創業。平成4年に現在の場所に移転しました。先代が、リーズナブルでおいしく楽しめる町の中華飯店として築いた味を二代目が受け継いでいます。
布袋さまに「帰りは郡山駅まで50分歩きます!」と約束して帰路につきます。
ごちそうさまでした!
Information
中華料理 大昇楼
- 住所
- 電話番号
- 024-933-9651
- 営業時間
- 11:00~15:00/17:00~21:00
- 休み
- 毎週水曜日
- 駐車場
- 12台


