静謐の祈り・只見線 会津川口駅
白雪は山里の全てを浄化して、深山の息遣いまでをも優しく包み込む。川は黙して明鏡となり、家々の灯影と杉の黒を抱いてゆるやかに流れ下る。人々の営みは小さくとも、降り積もる歳月の重みは屋根の雪塊に等しく、沈黙の水底に密やかに息づいている。
此岸と彼岸のあわいに横たわる黄昏の光は、天空の神々が解き放つ黄金の帳となって、街を一幅の壮大な絵画に仕立て上げている。遠嶺の木々は雪を冠してなお凛と立ち、厳しさの中にこそ宿る優美を語りかけるかのようだ。
旅人はここに足を止め、心をほどき、心の塵を清廉無垢の雪に委ねているのだろう。やがて夜は水面に沈み込み、白き吐息とともに、山里は静謐という名の祈りをいつまでも奏で続けている。
撮影は国道から上井草橋を抜け、川口駅の対岸から。近くの空き地に駐車出来る。レンズはズームレンズの24mmから105mmが望ましい。
文・写真/星 賢孝
Information
冬の夕暮れに染まる金山町の会津川口駅前
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