福島市に『将平鍛刀場』を構える刀工・藤安将平さんは、川俣町出身。人間国宝・宮入行平刀匠に師事し、昭和50年、立子山に鍛刀場を構えた。現代刀工として屈指の作刀技術を持ち、鎌倉時代以前の名刀の再現を行う“古刀再現”をライフワークに作刀を続ける。平成24年には熱田神宮で奉納鍛錬を行ったほか、これまで作刀実演なども多数実施。日本刀の伝道師として活躍している。
そんな藤安さんの作刀を観ることができるイベントを、『福島市民家園』で定期的に開催している。今回は、藤安さんの日本刀作りに対する想いを聞いた。

“真の日本刀”作りを通し、日本人の高い精神性を伝えていきたい
―日本刀を作る「刀工」の道を志すきっかけは何でしたか?
「私が福島工業高校の学生時代に読んだ、師匠(人間国宝・宮入行平刀匠)の著作「刀匠一代」を読んだことがきっかけです。「現代に日本刀を作る人がいるのか!」と衝撃を受けました。どうしても日本刀作りが見てみたいと思い、師匠の鍛錬場がある長野に就職を決めました。休日の度に通って弟子入りを申し入れましたがダメで…。それでもめげずに通っているうちに師匠の奥さんが「私の手伝いをさせるから置いてあげて!」と師匠に言ってくれたんです。最初は、“奥さんの弟子”だったんですよ(笑)。下働きの間も、毎朝一人で作刀に使う重い「大槌」を振るなど、努力を積み重ねました。」
―初の作刀はいつですか?
「入弟して7年目、ようやく師匠から「一本仕上げてみろ」という待ちに待った言葉が。そうしてできた一本は、新作名刀展で「努力賞」をいただきました。後から知ったことですが、師匠がこの時、「うちの藤安が良い刀を作った」と周囲に私の名を広めてくれていたそうで…それを聞いた時は感激しました。」
―今年、古刀「鶴丸国永」の再現・奉納でも話題となりました。
「現在、国宝に指定される刀の7割が古刀で、近代の刀は一本もありません。私は「古刀再現」をライフワークにしていますが、それ自体を目標にしているのではなく、それを通して“真の日本刀”を作りたい。日本刀と言うのは、決して美術品として作られたのではなく、武用は当然であり、日本人の精神の支えが最も大きな要素と言えます。」
―「福島市民家園」で公開作刀も定期的に行っていますね。
「地元の方が文化の継承と私の想いを汲んで、掛け合ってくれたことで実現しました。月一回の開催で、数回に分けて、鍛錬から焼き入れまで見ていただきます。火に燃える真っ赤な鋼は美しいですよ。皆さん、ぜひ気軽に見に来てください。」
Information
日本刀 作刀実演 ※鍛錬の回
- 開催期間
- ※本イベントは終了しました。
2018年8月12日(日)10:00 〜15:00(予定) - 会場名
- 福島市民家園 あずまや
- 会場住所
- 料金
- 無料
- 問い合わせ先
- ( 一社)福島市観光コンベンション協会
- 問い合わせ先
電話番号 - 024-531-6432
- 備考
- ※8月以降は、2018年9月9日(日)、10月14日(日)、11月4日(日)、12月2日(日)に開催予定