春ですね!
桜色もいいですが、"真っ赤"に包まれたいと思われている方もいらっしゃるかもしれません。そんな方に朗報です。
記念すべき第10回の定食部は、初の「夜の食堂」訪問。41年間に渡り、福島の夜を見守り続けてきた、みんなの終着駅『天水』さん。
入り口のガラス戸から中を覗いて、自分がゲートインできる座席が見えたなら入店です。『いらっしゃい』の優しい声とともに迎い入れられた店内はビビッドな赤!
この手入れの行き届いた赤いカウンターに映りこむ黄色のメニューを前に、胃袋が急かすのを治めるように、まずはビールと餃子から。
“お通しに供される落花生をスマートに食べてこそ一人前”と勝手に自分に課して、パリッと殻を割ってはグラスのビールをいただきます。
程なくして、餃子も到着。ぷっくりとした餃子が、焼き目を上にして『さあ食べてくれ』と言わんばかりの表情。箸でちょい割りして、酢醤油を可能な限り染ませてから頬張ります。
調理師会から職人として各地へ派遣され、腕を振ってきた店主。店名は、現在のお店を構える前に勤めた東京都江東区のお店『天水』さんから、そのままいただいたそう。店主の根っからの職人気質は、食材の下処理や店内の清潔さからも垣間見ることができます。
サラリーマンの夜食となることが多いことから“缶もの粉ものは使わない”と味付けからしっかりと調理される姿にも心が温かくなります。
店主の手が空いたときのお話しチャンスも逃す手はありません。時事ネタから相撲談義にまで及ぶお話しと、あったかやさしい笑顔に、ほっこりと癒してもらえるのも、天水さんの大きな魅力です。
さて、餃子が残り3個になったあたりで、メインディッシュを考えることにします。炒めたモヤシの、うまみが十分に溶け出したスープが絶品の“いつもの”モヤシメンも食べたいし、定番のチャーハンも手抜きなしの美味しさだし…。
迷った挙句、現在ではご飯ものメニューは減りましたが、ファンの熱いリクエストによって夜9時までの時間限定復活を遂げた、カツ丼に再会することにして、図上の猪木のサイン色紙を見つめたりしながら待ちます。
さあ、来ましたよ!
カウンターに置かれたカツ丼を、両手で大事に受け取ったら、あとは胃袋にトライを決めるだけですね。
やわらかい豚肉に、約15度の斜度を流れ落ちる玉子は、まるで袋田の滝(※茨城県にある名瀑)のよう。添えられたスープとたくあんの小皿に、隠れミッキーを見つけて、しばし幸せな時間です。
さて、ビールから日本酒に替えて、しっかり温まったら家に帰る時間です。
〆に立ち寄っているつもりが、天水さんへ来るまでの逆算で1日行動してきたのではないかとさえ思えてくる、そんな気すらします。
今夜も幸せな時間でした。ごちそうさまでした!
Information
天水
- 住所
- 電話番号
- 024-522-2303
- 営業時間
- 18:00~23:00
- 休み
- 日曜祝日
- 駐車場
- なし