「そばの"香り"を楽しんでもらいたくて」と、2017年にオープン。蕎麦の蕎（きょう）の字から、『きょう香庵』と名付けた。

のど越しと味わいのバランスが良いそばを追求して試行錯誤を重ね、粉は季節ごとに吟味し全国から取り寄せている。「そばが一番おいしいのは、つゆにつけて食べるとき。甕（かめ）で寝かせて角をとった"かえし"に、厚削りの本枯節から濃厚なダシを引いて合わせています」とご主人。

きりりと角が立った冷たいそばにつゆをつけると、まろやかで奥深いうまみが口の中に広がる。温かいそばは、宗田節とサバの枯節でコクと香りを加え、飲み干したくなる汁にしているそうだ。

天ぷらを添えたメニューは「野菜天」と「えび天」があり、冷たいせいろと温かいかけそばから選べる。粉の入荷状況により、そばの実全体を使った素朴で力強い味わいの「藪蕎麦（やぶそば）」（780円・数量限定）も選べるので、ぜひ試してみたい。