日中はまだ暑い8月下旬の部活動。今回は夕方からの訪問となりました。飯坂電車に揺られ、平野駅からは気持ちよく歩いて国道13号線を目指します。電車のおつりがポケットで跳ねて、程よいリズムを刻みます。
第37回の「ふくしま定食部」は昭和50年創業の老舗『大学ラーメン 平野店』さん。
入店するなり、その食堂然とした佇まい、大衆の胃袋を満たしてきた歴史とこだわりを全身に浴びます。
歩いてきた疲労を癒そうと座敷を選びましたが、お店の雰囲気、オーナー女将の元気をダイレクトに感じられるカウンターも魅力的です。
これまでもお邪魔したときは、バターの効いた大学ラーメンや辛味噌ラーメンなどをいただく機会が多かったのですが、ある時メニューを返すと、そこには魅力的な定食が並んでいるではありませんか。
看板のラーメン以外にも、ランチ定食をはじめとした懐の深いメニュー展開に、さらに好きなお店となっていったのです。
メニューをひと通り眺めてから、まずは瓶ビールと大学餃子で助走開始です。
電車と徒歩で伺ったのには理由がありました。ビールで喉を潤したら大学餃子を一口。サクッもちっとした心地よい食感と、ニラの風味が堪らなく、食べるほどに食べたくなる餃子です。
ビールはキリンラガー、日本酒は栄川。これは先代のこだわりだそうで、このあたりも定食部員の心をくすぐりますよね。
これで30年ぶりに大学への入学許可をいただけた気分になりました。汗も引いて、胃の準備体操が済んだところで、いよいよ"焼肉定食"をオーダーです。
国道13号線。それも飯坂IC近くですから車両の往来も多く、ぼんやりと車列を眺める時間にリラックス。
待つこと10分ほど、明らかな重みを携えたお盆が、アツアツ湯気をゆらして到着です。
校章よろしく焼き肉の中央に配置されたなるとが、大学ラーメンさんスタイル。
噛み応えもアリ。また、甘めのにんにく醤油ダレで、柔らかくも食べ応えのある厚み、肉感がご飯を加速させます。
皿の半分を占める野菜もありがたい。渾身のストレートを放つ指先のようなトマトときゅうりも美しく、ドレッシングはもちろん、焼き肉のタレをも絡めて混然一体としたときの、堪らない深みある味わいに、キャベツが主役級の活躍を見せます。
タレの滴る焼き肉をご飯のトップにお迎えすれば、これに勝るビジュアルはありません。
肉を頬張り、タレの染みたご飯を頬張り、また肉を頬張る。箸を進めるごとにパワーがみなぎるのが分かります。
この味、この雰囲気、情景。
いわゆる長野県のラーメン大学とは関係なく、先代の社長が「大学芋のように家庭の食卓に広く浸透して、いつの時代も愛されるラーメンを。そして、大学は最高学歴であることにあやかり、ラーメンで頂点を目指したい」との思いから命名されたとのことでした。
地域の風景に溶け込んだオンリーワンの存在であり続ける理由がわかりますよね。
ビシッと平らげて、胃袋も整ったところで、また腹ごなしに駅まで歩くことにします。
胃も心も満タンになって、一旦休学させていただきます。来週すぐに復学しますが…。
ごちそうさまでした。
Information
大学ラーメン 平野店
- 住所
- 電話番号
- 024-542-2308
- 営業時間
- 11:00〜20:00(オーダーストップ19:40)
※営業時間はお問い合わせください - 休み
- 不定休
- 駐車場
- 20台
- リンク
-
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