第39回の『ふくしま定食部』は、「勤労感謝の日」を間近に自分へのご褒美をと東北本線南福島駅から西へ、大森地区を目指します。
明成高校や工場が並ぶエリアを抜けた、「済生会福島総合病院」の向かいに、店名も印象的な『ばかうま食堂 駒どりや』さんはあります。
この界隈は、ウォーキングで見慣れた景色ですが、特に夜間のオアシス感たるや半端なく、ついつい給水ポイントに立ち寄ってしまうこともしばしば…。


入り口右手の「たかゞ飯屋 されど飯屋」の垂れ幕に食堂としての矜持を掲げた、まさに町の飯屋さん。
昼の部と夜の部に分けて営業しておりますが、それぞれのオープン時間には滑り込んでくるお客さんであっという間に賑わいます。


一品料理をアテに給水タイムの機会も多いのですが、頑張ってウォーキングしてきたことを台無しにする罪悪感が、さらにビールをおいしくしてくれます。
むしろ、駒どりやさんの料理に瓶ビールを添えるために歩いていると言っても過言ではありません。
個人的にお気に入りなのが、2種類の煮込みカツ丼。「ふつう味」の他に「カレー味」がくせになる旨さ。
さらりとしたスープカレーのような味わいが、カツと玉子に染み染みで堪らなくおいしいです。オーダーすると、店内が良い香りに包まれて連鎖オーダー必至です。


ホルモン焼も、やや甘めな味付けながら、驚くほどの深いコクが堪りません。丁寧に下処理された具材の食感も心地よい逸品です。


さて、今日は部活動ですから、定食をいただきましょう。
前回訪問時に、学生さんが入店するなり迷いなく注文していた焼肉定食をオーダーすることにします。
到着するまでは、しっかりと"給水"も忘れません。


窓から見える大森地区の自然の借景に、ゆったりとした時間が流れます。
その中で、小気味よく鍋を振る音、オーダーに応える「あいよ!」の声の温かさに、どんどんとお腹も空くわけです。
ぼんやりとしていると、10分ほどで焼肉定食が到着です。

ほんのりニンニクの効いた醤油味のおろしダレに、リンゴ、玉ねぎのニュアンス。旨み溢れるタレも余すことなくキャベツに絡めていただきます。
厚みのある豚肉はタレを纏って奥行き深く、香ばしさがさらに食欲を誘います。
ブリっとした焼き肉と、ごはんを一緒に頬張れば、口の中で混然一体。『ばかうま!』と心の声が漏れ出てしまいます。


さらに注目すべきは充実の小鉢たち。
雲がかった満月のような、まん丸で美しい自家製の温泉たまごは、ご飯の上の焼き肉の、さらにその上に重ねることで、贅沢なビジュアルが完成します。


川俣町で10年、福島市に移転して16年の創業26年。
川俣町時代は「お食事処 駒どりや」さんでしたが、女将さんが「ばかうま食堂」と冠することを提案して現在の店名に。
店主ご実家の近所の書道家さんが、開店を記念して書いてくれたという「たかゞ飯屋 されど飯屋」の書を掲げ、日々誇りをもって、腹ペコたちへ食事を提供しています。


すっかり満足して、残りのビールを流し込んだらお会計です。


さて、天気も良いので城山まで遠回りして帰ることにします。
ごちそうさまでした。
Information
ばかうま食堂 駒どりや
- 住所
- 電話番号
- 024-546-5538
- 営業時間
- 11:00~15:00/17:30~21:00
※ラストオーダー各30分前
※営業時間はお問い合わせください - 休み
- 毎週火曜日、第1・3水曜日
- 駐車場
- あり