定食部員のみなさま、あけましておめでとうございます!
今年も、おいしく楽しくよろしくお願いいたします。
2022年1回目のふくしま定食部は、福島市置賜町・パセオ通りを北へ進み、文化通りを入った最初の角を右へターン…しても通りからでは確認できない路地奥にある、「もめん亭」さんへお邪魔します。
まず、路上でメニューを確認。年明け初の定食部ですから「雑煮風餅定食」でお正月らしくキメたいと思います。
メニューから目線を上げたら、その先にはブルーの暖簾と赤提灯。古民家な佇まいが、路地奥の立地と相まって雰囲気も抜群です。
がらりと引き戸を開けたら、銘酒が並ぶ冷蔵庫を横目にスリッパに履き替えます。正面には5つのカウンター席、右手には趣のある掘りごたつスタイルの板の間スペース。
「もめん亭」さんは、「鬼平犯科帳」や落語ファンなどにも親しまれるお店で、私が十数年前に初めてお邪魔した頃は、録画された鬼平犯科帳が繰り返し流れていたことを覚えています。
昨年(2021年)、鬼平ゆかりの方々の訃報に触れたこともあり、聖地ともいうべき「もめん亭」さんを訪ねました。
きさくな女将の目の前のカウンターもお気に入りですが、今回はテーブルでゆっくりさせていただきます。
早速「雑煮風餅定食」を告げたら、しばし“食堂浴”を楽しみます。
この座敷スペースの雰囲気がまた素晴らしく、女将自らが手を加え、雰囲気ある佇まいに仕上げているんです。
襖を開けさせていただくと、さらに素晴らしい空間が出現。
今は状況的に中断していますが、二間を抜いたスペースで開催されていた落語会も人気。寄席の余韻は、めくり台からも伝わってきます。
別の場所には蓄音機もあり、古関裕而など昔懐かしいレコードを聴きながらの食事も楽しめるそう。
「コロナ禍で一時は活気も失われていましたが、お店の雰囲気を感じていただければ」と、2020年7月よりお昼の営業を始められました。
元々、すき焼きや焼きしゃぶが名物の老舗ですから、味や素材は申し分なし。池波正太郎作品は江戸の料理の情景描写が付きものですから、鬼平でも軍鶏鍋は定番。
軍鶏鍋も人気で、川俣シャモの餃子やつくねも絶品。単品追加するのもオススメです。
飾られているサイン色紙を眺めていると、お膳が運ばれてきました。
これ以上、お正月気分を味わえる定食は無いですね、「雑煮風餅定食」とご対面です。
根菜と伊達鶏の旨みが溶け出した汁に、こんがり焼き目の餅が3つ。
添えられたサイドも抜かりなし。青ばた豆腐はうれしい大きめカット。おひたしに郷土色豊かな小鉢と盤石。
重力に逆らわない伸びやかな餅にめでたさを感じつつ、汁まで残さず完食したらすっかり温まりました。
こちらの定食は女将の人柄を感じる、丁寧で優しい味わいのものばかり。
以前いただいた「銀鮭西京漬定食」は、厚さ2cmはあろうかという銀鮭に、ちょうど良い塩梅の西京漬の風味が、食べるほどに食欲を掻き立てる贅沢さ。麦飯に合わないわけがないですよね。
「とろろかけご飯定食」は、たっぷりのとろろに生卵。麦飯に流し移したら、これ以上ないごちそうに。こちらも満足へルシーでオススメ。
通りの向かい、現在は「霜月」さんがある場所に平成元年創業。平成14年に現在の場所に移転。
店名に「鬼平」を冠した理由は「親しみやすさを感じてもらえるようにというのはもちろん、今時にはなかなか無い『鬼平』作品の人間性に魅力を感じたから。善人と悪人が、心から信じ合い助け合って生きる、そんなところに共鳴しています」と語る女将。
「まるで密偵が集まってくるような雰囲気のお店にしたかったんです」の言葉に、鬼平ファンとして熱くならざるを得ません。
筆頭同心・酒井役の篠田三郎さんも二度来店の本格。
2022年のふくしま定食部も素晴らしい出会いが続きそうな、幸先の良いひとときを楽しませていただきました。
女将の夢を詰め込んだ、路地奥の秘密基地的存在、「もめん亭」さん。また寄らせてくださいね。
ごちそうさまでした。
Information
鬼平茶屋 もめん亭
- 住所
- 電話番号
- 024-521-3355
- 営業時間
- 11:45~14:00/17:00〜※閉店時間は問い合わせを
※予約があれば時間外も営業 - 休み
- 土・日曜祝日
※予約があれば営業 - 駐車場
- なし