ゴールデンウイークに心弾む第68回のふくしま定食部は、混み合う観光地に行かずとも、胃と心を潤すスポットとして福島県南地区ですっかりおなじみ、創業40年の「お食事処 温泉処 いやさか」さんへおじゃまします。
東北自動車道を南へ。車窓を流れる景色は、すっかり初夏の若葉のグリーン。県南とはいえ、福島市内からでも高速道路で1時間とちょっと。
あぶくま高原道路「矢吹中央IC」で降りたなら、右折してすぐに外観が見えてきました。

すっきりと晴れ渡った青空に負けない、旅館と言われても気付かないほど立派な佇まいの「いやさか」さん。十分に確保された駐車場に停めたなら、中央の自動ドアをくぐります。
ここで迷うのが、「お食事処」でありながら「温泉処」でもあるハイブリッド施設であるということ。
食事してから入浴か、入浴してから食事か。
なにしろ、食事すると入浴料がサービスになるんですから両方楽しまない手はないですよね。

今回は食事からと決めたら、陽当たりのよい窓際へご案内いただいて、早速メニューに目を移します。
「いやさか」さんと言えば、自家製のうどんや国産うなぎも人気ですが、ボリューミーなメニューも人気。前回いただいた「わらじメンチカツ定食」は、わらじどころかiPadサイズ!“わらじ”とは“ワールドクラスなラージサイズ”の略なんだと思いました。

今日は、新年度を祝って豪勢に「ジャンボ海老フライ定食」で弾みをつけて行きましょう。
そして、前回、隣の家族連れのオーダーがうらやましかったクリームソーダも添えちゃいます。
かつてのデパートのレストランを彷彿とさせる家族の団欒を微笑ましく眺めていると、少年時代にオーバーラップしていた私の前にもクリームソーダが運ばれてきました。

クリームソーダの醍醐味は、細ロングなスプーンがアイスをなかなか捉えきれないもどかしさにあると思うんです。トップの真っ赤なサクランボにもテンションが上がります。
高速道路の運転をクールダウンできた頃、いよいよ「ジャンボ海老フライ定食」が登場です。

器の縁に掛けられた吊り橋の如きジャンボなエビが2尾のインパクト。そのエビの中央に添えられたタルタルソースも、玉子の食感を残した粗め仕様で好みです。
2本ありますから、惜しげもなく食欲の赴くままにパクつくと、中のエビのぷりっぷりを超えたブリブリとしたリッチな食感、そして甘みに昇天!ひとことで言うなれば「満たされるエビフライ」です。

2本目は、お店特製のソースで味変。
タルタルのごちそう感も最高ですが、ソースもまた、日本人のDNAに刻まれたエビフライの味わい。


ふと目をやると、壁に「ご飯おかわり無料」の貼り紙が。しかし、このあと温泉にてボディを晒すことを考えておかわりは控えておきます…。
大きなエビフライに注目が集まりがちですが、サイドを固める布陣も豪華。今日の小鉢は、わかめとアサリのぬた。
エビフライのわきには、ドレッシングも旨いたっぷりのキャベツに、濃厚なスパサラと盤石。

さて、エビの衣を剝いだあとは、自らも衣を脱いで入浴タイム。
一旦、お会計を済ませますが、レジ横のテイクアウトコーナーも油断なりません。
コロナ禍以降に始められたこのコーナーは、のり巻き・稲荷寿司・梅干し・さつま芋天などの“欲しいところを突いてくるラインアップ”。むしろ、テイクアウトだけで来店して行楽へのパターンもアリですね。

入浴料サービスに甘えて、レジにて入浴の旨を告げたら、個人的に大好きなタイムトンネルみたいなアプローチを渡って、いざ温泉へ。


「男湯」の暖簾をくぐり、脱衣所を経たら、まずは内湯から。
45℃のアルカリ性単純温泉は、源泉かけ流し。肌がぬるぬる“ツルスベ温泉”で、疲れもスーッと癒やされます。
温もったところで露天へ。こちらは浅めのスクエア。日差しを浴びて、のんびり長湯で生き返ります。


家族や友人との団欒をバリエーション豊かな食事で楽しみ、本格的な温泉にゆっくり浸かれて、「いやさか」さんで完結できる“矢吹町リゾート”。
斜向かいの地名「矢吹町弥栄(やさかえ)」に加え、繁栄を祈る意味の「弥栄(いやさか)」を込めて命名された「いやさか」さん。

スキーの板とビンディングのような、ジャンボな海老フライでK点越えの食事と温泉のノルディック複合。
大満足の1日になりました。ごちそうさまでした。
Information
お食事処 温泉処 いやさか
- 住所
- 電話番号
- 0248-44-3233
- 営業時間
- 11:00~20:00
※入浴は10:00~21:00 - 休み
- 毎週水曜日
- 駐車場
- あり