まだまだ暑い日が続きますね。
第72回のふくしま定食部は、精をつけて晩夏を乗り切ろうと阿武隈急行線で保原駅へ向かいます。
改札を出ると、澄み渡った青空がお出迎え。銅像の左ひじ方向にある「青春夢通り」を、青春時代は過ぎましたが、夢を持って北上します。
300mほど進んだあたり、建物の途切れ目から覗くように「割烹こばやし」さんが現れます。
個人的に保原総合公園でのサッカーの後、休憩を兼ねてお邪魔していますが、最初は「割烹」の敷居が高いイメージでした。
しかし、「焼き親子丼」や「オムライス」といったカジュアルメニューの存在に気付き、勝手に“ジャージで寄れる割烹”として利用させていただいております。
サッカー後は空腹ですので、肉系に目が行きがちです。特にあつあつ鍋スタイルの「かつ煮込定食」は、衣に出汁が染み染みでご飯が進むどころか誰にも止められません。
今日は電車で来ましたので、「柳川鍋定食」にビールを添える暑気払いの流れで行きましょう。
オーダーを告げたら、しばらくテレビで高校野球観戦。図らずも、今日は聖光学院が登場。伊達市ですから、パブリックビューイングさながらに、居合わせたお客さんたちと感動を共有します。
ここで、アテにお願いしたうなぎの「きも焼」が照りっ照りに登場です。
捌きたてのうなぎの肝は、コクのある濃厚な旨み・ほろ苦さ・コリッとした食感が堪らなく、お酒に合いますよね。
2本目はこだわりの緑の山椒を振りかけて爽やかにいただきます。
球児のひたむきなプレーと、きも焼の余韻に浸っていると、暑気払いのメイン「柳川鍋定食」が運ばれてきました。
柳川鍋やどじょう鍋は、水がきれいで自然豊かな福島らしいメニューだと思うんです。「うなぎ一匹、どじょう一匹」の言葉があるように、1匹の栄養価はうなぎに匹敵。そして安価なのもうれしいんですよね。
蓋を外すと鍋からぐつぐつ湯気!これだけでもテンションが上がりますが、柳川鍋を定食スタイルで頂けるのはありがたいです。
さっそく箸入れの儀を。
大胆かつ大胆にガッと掴むと、良い按配などじょう・ゴボウ・玉子のバランス。鍋がぐつぐつ言っていますから、はふはふと、まるで空也上人が念仏を唱えるかのように出来立てを頬張ります。
続いてはどじょうの陸揚げタイム。乗せた瞬間からライスに染み込む割下、笹掻きされたゴボウの食感、ふんわりとじた玉子のそれぞれが相まって滋養に富んだ旨さ。
骨を外し、丁寧にアク抜きしてから出汁で煮る。柔らかいのはもちろん、臭みが無いのはさすが割烹の仕事。
創業64年。初代店主(現店主の祖父)が東京で15年、保原町に戻られてから49年目の歴史を刻む割烹。
もちろん看板はうなぎですが、「団体の中にはうなぎが苦手な方もいるかもしれない」と、洋食も手掛けた初代の思いは若き3代目にも継承され、多彩なメニュー構成に。
少しだけ奥まった立地は、逆に言えばこちらを目指して訪問されるお客さんが多いということ。「割烹こばやし」さんは、技と親しみやすさが同居する保原町の奥座敷的割烹ですね。
グラスのビールを飲み干したら、上りの阿武隈急行線のいい時間。栄養満タンでエネルギッシュに帰路につきます。
夏の季語「どじょう」。バテてきたらまたすぐに寄らせてください!
ごちそうさまでした。
Information
割烹こばやし
- 住所
- 電話番号
- 024-575-2288
- 営業時間
- 11:00~21:00
- 休み
- 年中無休(1/1・2は休業)
- 駐車場
- 4台
- リンク
-
https://www.kappoukobayashi.com/