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映画のおはなし

“ハガレン”を実写化!手塚治虫の「どろろ」のような魅力的なダークストーリー

第五回「鋼の錬金術師」

  • 情報掲載日:2017.11.26
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

 幼い頃に禁断の〈錬金術〉を使って、亡き母を生き返らそうとして失敗。その代償として、兄・エドワード(以下「エド」)は手足を、弟・アルフォンス(以下「アル」)は身体全てを失ってしまう。エドは魂だけとなってしまったアルの身体を取り戻す手がかりを探すため、旅を始める――。これが「鋼の錬金術師」のシノプシスだ。

 僕は「鋼の錬金術師」については、世代的に全く該当しない中高年層である。コミックスも読んでいないし、大ヒットした数年前のアニメーション映画版も観てはこなかった。だが、今回初めて「観てみたい」という気にさせてくれたのは、錬金術師の兄弟が「欠落した身体を取り戻そう」とする主人公であると知ったからだった。

 それは即座に手塚治虫の「どろろ」を連想させ、興味をかき立てられた。「どろろ」の主人公・百鬼丸もまた、魔物に奪われた全身の器官を一つひとつの戦いを経ることで取り戻していく、ダークストーリーにおけるダークヒーローだ。

 ダークストーリーは、マイナスからプラスに転じるポジティブな成功物語や、ハッピーエンドで明るいカタルシスをもたらしてくれる物語性とは対極をなす。マイナスからプラスにはなりえず、フラットにするのがせいぜいなのだ。「鋼の錬金術師」も「どろろ」も失った何ものかを取り戻すという原状回復を目指すにすぎない。非建設的で非生産的。けれど、それだけでも実は大変な艱難辛苦を伴うのだよ、という悲壮の物語性が魅力なのだ。二作品はどちらも、ギリシャ神話以来の物語形式である〈悲劇〉の必須要件を満たす。ダークストーリーとして、手塚治虫の「どろろ」と重ねて見比べた時に現代の10代から30代の若者層に強く支持される「鋼の錬金術師」は、僕のようなおじさん世代にはどう映るのか。そこに世代を超えて、彼らと相通う共感の感情は見出せるのか、という興味が鑑賞動機となったのである。

 で、映画はどうだったか?ストーリーの表層からにじみ出る命の大切さといった哲学的なメッセージが程よく散りばめられていて、とても満足度の高いエンターテイメント作品に仕上がっていると思えた。

 聞けば、今回の実写化に際しては根強いファンからはアレルギーを隠さない意見が多いそうだ。オリジナルの世界観やキャラクター造形は明らかに異国なのに、なんで日本人俳優に演じさせるのか?という違和感が最大の理由らしい。そのマイナスイメージでのスタートというのも、チャレンジングな立ち位置の映画なのだ。
 先日、劇場関係者を集めて行われた配給元であるワーナーブラザーズ主催の宣伝会議に、曽利文彦監督と主演の山田涼介さんが取材の合間を縫って登壇し、意気込みを語ってくれた。

「小さいお子さんはアクション、大人はストーリーに入り込めるような、ファミリーで楽しめるような作りに徹しました」(曽利文彦監督)
「自分の今後の俳優人生の在り方を決定づけるような作品にしたいと思って演じました」(山田涼介さん)

 ジェームズ・キャメロン監督の弟子筋にあたるという曽利監督は映像編集、音響合成、VFX等のポストプロダクションに一年をかけて映像を洗練させた。「ピンポン」で頭角を現し、その後は「あしたのジョー」も手がけた。漫画原作を実写化するスペシャリストという意味では曽利映画は少し難しいところもあるかもしれないが、作品力がそれを乗り越えさせる。今作もぜひ、続編を観たいと言わせる仕上がりになっているのではないかと思う。

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