方言の細かいところが気になっても「さすけねぇ」
放送スタート直後から、ドラマの中で話される福島弁については、いろんな意見が聞こえてきます。特に第2話で、ガキ大将の鉄男が、ケンカ(相撲?)に負けてニヤニヤしている主人公・裕一に向かって言った「づぐだれ」。
ネット上でも、「いや、地元じゃ使わねえよ」とか、「(福島市の隣の)山形県米沢市の方言だべ」とか、いろいろ見受けられました。
まぁ、これ以外にもイントネーションとか、使うシチュエーションとか、地元民からのツッコミが多々あることは確か。ですが、流行り言葉があるように、方言も時代によって変化したと考えてもいいんじゃない?という気持ちで、大目に見てあげようじゃないですか(←何様?)
で、私としては今回、第22話で登場した「さすけね」という言葉に注目したいと思います。これは数ある福島弁の中でも、3本の指に入る「ザ・福島弁」のひとつです。
「さすけね」が登場したのは、裕一と音が、豊橋で花火を見に行った神社の場面。お化け屋敷のろくろ首を怖がる音に対して「さすけねぇから、怖くねぇから」と、裕一が言うシーンです。言葉の意味は「大丈夫」「問題ない」「気にすんな」みたいな感じ。改めて噛みしめると、前向きでいい言葉じゃないですか。ぜひ福島県民以外にも使ってほしいと思います。
それはそうと、私は劇中で福島弁が登場するたびに、なぜか、「むずがゆい」気持ちを抱いてしまいます。この感覚は、以前にも味わったことがある感じなのですが、いつどこで感じたものか分からず、モヤモヤしていました。
でも、「さすけね」を聞いた時に、ピンときました。そう、2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」を見ていた時に味わった感覚と同じだということに気が付いたんです。
八重の桜では、主人公・新島八重を演じる綾瀬はるかさんをはじめ、会津藩の登場人物たちが、「ありがどなし」「なじょした」「だげんちょ」、そして「さすけね」など、会津弁を次々と連発していました(厳密には会津弁は、福島市がある福島県北の方言とは違いますが、同じ福島弁のグループなのでかなり共通部分があります)。
全国で放送される注目のドラマで、一流の俳優さんが、馴染み深い方言を発する。例えるなら、録音した自分の声が全国に放送されているような(?)、うれしいような気恥ずかしいような、なんとも言えない独特のむずがゆさ。これは私だけの感覚ではないと思うのですが、皆さんはどうですか?