
櫻井さん、今日は福島までありがとうございます。
こちらこそありがとうございます。
福島にいらっしゃるのは久しぶりですか?
1年は経っていないかな。だいたい毎年2月や3月に震災関係の取材で伺うことが多いので、およそ1年ぶりというところですね。
これまで福島に来る中で、印象に残っている場所などはありますか?
少し質問の意図と合ってないかもしれませんが、大熊町の役場が完成した時です。震災から1年経ったタイミングで会津に避難されている大熊の方々にお会いし、2年目には大熊町に取材に入りました。大熊の方と取材でお会いするタイミングが多かったので、大熊の役場が完成したのを見て、すごく、うれしいと言うとおこがましいけど、胸がいっぱいになりました。
震災後の福島を取材されてきて、この14年間の変化を感じるところはありますか?
物理的な変化はたくさんあります。行けなかった場所に行けるようになったり、帰れなかった場所に帰れるようになったり。でも、まだそのままの気持ちでいらっしゃる方も少なくないと思います。自分の役割として、伝えること、忘れないこと、そして前を向いて進むことを伝えたいです。まだこういった思いを抱いている方がいることも伝えていきたいと思います。

今回、櫻井さんの企画展「未来への言葉展」が福島で開催されることになりましたが、この言葉展はどのような企画展になっているのでしょうか?
僕がファンクラブの皆さんに書いていたブログや、嵐の活動の中で書いてきたラップ詞など、自分が20年近く集めてきた、あるいは伝えてきた言葉を展示する展覧会です。
福島に住んでいる人の言葉も集めて展示される新しいコーナーもあるんですよね?
そうなんです。今までは自分の言葉だけを展示していましたが、福島会場では地元の皆さんと一緒に伝えることができたらという想いでいます。

言葉を伝えることの難しさはどのような点に感じますか?
話した時の言葉と書いた時の言葉では、同じことを言っていても違う捉え方をされることがあります。言葉尻が変わっただけで変わったりとか。同じ思いでも、ちょっとニュアンスが変わっただけでネガティブにも捉えられられたり。ものすごいポジティブになったり、ものすごいネガティブになったり、難しいなっていつも思います。メディアに関わる仕事なので、なるべく正確なニュアンスで伝えられたらと思います。
今回の言葉展も、見る人によって捉え方が変わる可能性がありますか?
そうかもしれないですね。でも、こういうふうに受け取ってほしいという形はないので、ありのままに受け取って感じてもらえればと思います。

では、今回の企画展を楽しみにしている方々に向けてメッセージをお願いします。
ありがとうございます。
このビジュアルも福島オリジナルで、赤べこが入っているのも今回が初めてです。福島用なんですよね。これまで全国5箇所で巡回している展示ですが、ここ福島でしか見られないものもあります。僕の伝えてきた、自分の中で蓄えてきた言葉に触れて、何かを持ち帰っていただき、そしてそれが誰かに伝わればとてもうれしく思います。
ありがとうございます。私も一県民として楽しみにしています。
ありがとうございます。