豊穣の新緑
福島と新潟の国境の山塊を列車は突然に飛び出してくる。奧会津の煌めく新緑に乗客は歓声を上げ、傲然と屹立する霊峰・浅草岳の秀麗さに圧倒され、魂を奪われる。雪を冠した浅草岳の上空は青空が澄み渡っている。雪解けの清流は岩稜を駆け下って田子倉湖に注ぎ込まれる。
奧会津の美しい自然は、絵画の世界を旅するような深い感動を呼び起こしてくれる。ただ美しいだけでなく、日本の文化や歴史、そして人々の優しい情緒まで感じさせてくれる豊穣の世界なのだ。
国道252号にある田子倉無料休憩所にはトイレもあり、そこに駐車することができる。午後は陰ってしまうので、撮影は6時45分の上り列車か、9時45分頃通過の下り列車しかない。
駐車場から歩いて国道に出て右折するとすぐ橋になる。その橋を抜けたところが最適の撮影ポイント。狭いので、譲り合いながら撮影したい。レンズは24mmから105mm程度で十分である。
文・写真/星 賢孝
Information
只見町「浅草岳」を背景に駆け抜ける只見線列車
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