“霧喝采”の幻想絵巻
眼下に広がる大志集落は、川に浮かぶ半島の風情の中に40戸ほどがひっそりと佇んでいる。情緒あふれる日本の風景が、尻吹(しりふき)峠の俯瞰スポットから悠然と広がっている。古民家の茅葺き屋根を覆う赤や青のトタンが美しいコントラストを描き出し、集落の周りの稲穂が黄金色に輝く絨毯の海に変貌、たおやかに続いている。半島を囲む只見川の穏やかな流れは鏡のように、あふれる情感を鮮烈に映し出している。
集落の上部を只見線の小さな列車がトコトコと走り、その音色は悠久の刻の流れと共に、軽快で密やかなリズムを奏でている。まるで日本画のようなこの俯瞰は、只見線を代表する撮影スポットとして人気が高い。
撮影場所には3台ほど、その上部にも3台は駐車できる。道中はすれ違い不可の狭い道路なので慎重に運転したい。列車通過までの時間が長いので、アップから拡大まで撮影できる100mmから500mm程度のズームレンズが最適となる。
文・写真/星 賢孝
Information
金山町「尻吹峠展望台」から見た秋の大志集落
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