黄金と雪化粧
黄金葉 散り敷く里に 初雪の 峰は静けく 冬を告げゆく
大銀杏は過ぎゆく秋を惜しむかの如く黄金の葉を枝いっぱいにたたえ、散り敷く落葉までもが大地を鮮やかに染めている。対岸の只見川にそびえる山々には雪が舞い降り、晩秋の峰に淡き白銀の衣をまとわせている。秋は今だ里にたたずみ、冬は山の頂から静かに歩み始めている。黄金と白銀―2つの季節がひとつの風景の中で相まみえ、ほんの束の間の刻を奏でている。
冷たい風が川面を渡り、その静寂を縫うように、列車が鉄橋をゆっくりと進んでゆく。まるで華やかな秋を見送り、長い雪の季節へ旅立つかのように。やがて銀杏は全ての葉を落とし、山も里も豪雪の下に眠ることとなる。移ろう季節の境に立てば、去りゆく秋への名残惜しさと、来たる冬への覚悟が胸に迫ってくる。
奥会津の、季節の別離さえ美しく彩る、静謐なる時である。
文・写真/星 賢孝
Information
晩秋の奥会津を走る只見線列車
- 住所
- 【今回の撮影スポット】
- 備考
- ※国道252号の対岸に架かる十島橋を渡ると撮影地。空き地に数台は駐車が可能

