錦秋渡る・第一只見川橋梁
朝霧の 薄衣まとふ 山あひを 秋影連れて 列車渡りぬ
奥会津の山々が錦の衣をまとい始める頃。第一只見川橋梁は、錦秋織りなす荘厳華麗なる大舞台となる。山肌を染める朱、黄金、萌黄。その極彩を抱きながら只見川は鏡のごとく静まり、橋梁と列車の姿を水面深く映している。
やがて列車は鉄橋を渡り、雄大な自然に抗うことなく山河の懐へ溶け込んで来る。いにしえより存在する風景の魂と命の躍動そのものになって、その存在を鼓舞している。中腹をたゆたう朝霧も深山幽玄の幻想を添えている。幾千年の霜雪が巡ろうとも、山塊は色付き、清流は下り、列車は人々の暮らしと命を乗せて動いている。
華やかな紅葉の奥に漂う一抹の寂寥―。それこそが奥会津の秋の美しさなのかもしれない。第一只見川橋梁を彩る錦秋は、移ろいゆく時空の尊さを、荘厳静謐にたたえて語りかけている。
文・写真/星 賢孝
Information
三島町「道の駅 尾瀬街道みしま宿」の展望台から撮影した「第一只見川橋」
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