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FUKUSHIMA MUSIC INFO

「アーティストであるために、新しいものを創り続けたい」 ――シンガーソングライター・山崎明保インタビュー

vol.17 山崎明保

  • 情報掲載日:2018.10.24
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

福島市を拠点に、各地で活動しているシンガーソングライター・山崎明保。ライブハウスや音楽イベントのみならず、飲食店に赴き“生BGM”として歌を届けるなど、その活動は多岐にわたる。楽曲をカセットテープでリリースする新たな試みもスタート。インタビューを通して、活動の原点や音楽のルーツを語ってもらった。

―シンガーソングライターとして活動を始めたのはいつですか?

山崎「人前に出て歌ったのは震災の年、2011年。『珈琲舎雅』さんでのライブでした。色んなお店に遊びに行くのが好きで、常連になっているお店もあったので、自分の曲のCD-Rを作って1枚渡してみたんです。いわゆる“宅録”っていうものをやろうと思って。CDを渡した『TOTAL PLANTS bloom』さん経由で「うちの店でライブやってみないか」と声をかけてもらったので、お店でライブをやってみました。そのときお客さんで来ていた『La selvatica』さんから声がかかって、次につながって…今に至ります。ライブハウスではなく、お店でライブするのがスタートでした」

―主にどんな場所で歌われてきたんでしょうか?

山崎「飲食店とか雑貨屋とかですね。流しという形で“生BGM”を届ける、『うたうふらっと』という活動をしてきました。ここ、『RIVER BEACH COFFEE』さんとか、雑貨の『Drops』さんとか。ライブではなく、“生BGM”なのでMCは一切なしです」

―お店で歌うというのは、かなり珍しい活動ですね。

山崎「この街の歌い手さんって、ライブハウスに見に来てくださいというスタンスの方が多いですよね。でも、ライブハウスに行くのってハードルが高いと感じていて。だったら、最初のとっかかりとして自分から行って、とりあえず1回聴いてもらう。こっちのメンタルはなかなかすり減りますけど(笑)、気に入ってもらえたらライブハウスに来てくれるかもしれない。シンガーソングライターの活動の幅を広げたいな、という想いもあります。

活動していく中で、ライブハウスにも出演するようになったんですけど、1番ライブやってる場所は『AS SOON AS』。そこで知り合ったイベントオーガナイザーさんとかに誘われて、福島市外とか都内にも歌いに行きましたね。シティポップっていうジャンルが合うと見られているようで、シティポップのDJイベントに出させてもらうこともありました」

―元々、音楽を始めた時期やきっかけは?

山崎「音楽自体を始めたのは20歳の頃です。ギターと音楽理論の勉強を同時に始めました。それまでは歌うのが好きなだけだったんですよ。カラオケに行ってただけ。「DA PAMP」とか大好きでした(笑)。大学からアカペラを始めて。アカペラでJ-POPとかを歌うときって、まずアカペラ譜に起こすんですけど、自分の好きな歌をやりたくて音楽理論の勉強しようと思ったんです。

ギターを始めたのは、友達に誘われたのがきっかけ。「お前歌えるし、夏休み中にギター覚えて、一緒に『ゆず』みたいにストリートライブしよう!」って言われて。実際夏休み明けたら自分しかやってなくて、誘ったそいつは全然ギター覚えてなかったです(笑)。でも、もう始めちゃったから続けてみようかなと。大学生って暇じゃないですか(笑)。カラオケが好きだったことで自分の中に曲のレパートリーはいっぱいあって、練習してて飽きなかったので、ずっとギター弾いてましたね」

―オリジナル楽曲を作り始めたのはいつでしたか?

山崎「ギター始めたときと同時です。20歳の頃。J-POPの中でもブラックミュージックのルーツを感じるものや、ファンクやブルースの跳ねてる感じの曲が好きで、山崎まさよしとかスガシカオとかもよく聴いてました。なんとなく、シンガーソングライターへの憧れみたいなものもあったと思うんですよね。漠然とカッコイイなと思ってました。だからギターを始めたときから、詞を書いて、曲をあてるっていう作業をしてました」

―自然な流れで楽曲制作が始まったんですね。山崎さんが作る楽曲も、ブラックミュージックに影響を受けているんですか?

山崎「目標として、黒人音楽が好きなんだな、っていうルーツが見えるオリジナル曲にしたいとは思ってます。ただのJ-POPは嫌だなと。
ただ、ブラックミュージック――特にソウルっていうジャンルが好きだと、はっきり自覚したのは福島に帰ってきてから。そのとき、こういう曲が好きだっていうCDは持っていたんですけど、ジャンルについてはよく分かってなかったんです。それを『Little Bird』(※)に持って行って、オーナーのMarcyさんに聞いてみて。今考えると恐れ多いですけど(笑)。「これはこういうジャンルで、他にはこういう曲があるよ」っていうのを教えてもらって、そこから色々聴くようになりましたね」

※Little Bird(リトル バード)……福島市大町にあるレコードショップ

取材場所を提供していただいた「RIVER BEACH COFFEE」オーナー・誠さん(左)と山崎さん
取材場所を提供していただいた「RIVER BEACH COFFEE」オーナー・誠さん(左)と山崎さん

―そうした積み重ねを経て、昨年(2017年)にはオリジナル楽曲を収録したアルバム『山崎明保』をリリースされました。どんな曲が入っていますか?

山崎「1番古いのは6曲目の「夜空と散歩」で、常連になったお店にCDを渡すきっかけになった曲。社会人になって福島に帰ってきて、まだ人前で歌ったことない状況で、他人に聴いてもらったらどんな感じなのかな、と思いながら書いた曲ですね。どちらかと言えばJ-POP寄り。
黒人音楽をたくさん聴くようになってから作った曲が、2曲目の「朝」。一番好きなソウルシンガー、マーヴィン・ゲイの「What's Going On」をオマージュした曲なんです。聴いた人がどう思うかは分からないですけど、うまくいったかなと思ってます。DJさんにかけてもらうことが多いです。
少し変わった曲だと、4曲目の「缶コーヒー」。結構、がなった歌い方をしてるんですよ。工場や工事の現場で働くおっさんがテーマになっている曲で、ジョージアのCMみたいなイメージ。理不尽なことも多い中で、泥だらけで毎日働いて、家庭も持って生活している姿が、たくましいし、かっこいいなと感じて。“現場”っていう場所で、がんばっている人に向けて作った曲ですね。

J-POPって恋の歌が多いじゃないですか。俺はどっちかと言えば、30代・40代になったときにも聴けるJ-POPにしたくて。音楽から離れるタイミングかもしれないですけど、そういう人にも聴いてもらえる曲。社会人の救いになりたい、共感を得たいなぁと思いながら作りました」

―アルバムリリースから約1年が経ち、最近は「SOUL TIP TRIP」と題したカセットテープでのリリース活動をされています。第1弾は、『RIVER BEACH COFFE』にラジカセごと設置され、投げ銭制で曲が聴けるようになっていますが、こういった形で楽曲をリリースするに至った理由は?

山崎「CDにしようとすると、お金と時間がすごくかかるんですよ。自分一人でレコーディングからパッケージまでして、聴いてもらえるようにするというスピード感だけを重視した結果、この形になりました。同じことをするなら、MP3プレーヤーを置くっていうこともできますけど、それだと味気ないと思ってラジカセに。

アルバムの音源を配信もしていて、AmazonやiTunesでも購入できるようにしてるんですけど、その消費のされ方があんまり好きじゃなくて。画面上でクリックしただけでササッと聴ける。それってあんまり記憶に残らないんじゃないかなと思って。それは、実際にやってみて初めて分かったんですけどね。配信するという行為自体に憧れがあったのでやってみましたけど、あくまで知名度ありきの方法で。1人でも濃いファンを作っていくことが俺にとっては大事なので、それには適さない方法だったと感じました。

『RIVER BEACH COFFEE』に設置された、山崎さんの楽曲を聴けるラジカセ
『RIVER BEACH COFFEE』に設置された、山崎さんの楽曲を聴けるラジカセ

カセットテープは、録音した音源にも、再生する手順の中にも、「ガチャン」「バンッ」とか、オシャレじゃない音がいっぱいするんです(笑)。アナログ特有のノイズとか感触とか、投げ銭を入れる体験とか、そういうものを含めて記憶に残る消費のされ方が、濃いファンを作っていくには効果的かなと思ってます」

―実際にステージで歌う際は、どんなことを大切にしていますか?

山崎「素人にも玄人にも、平等に楽しんでもらいたい、という想いは常にあります。ライブに慣れている人も、初めての人も、聴く場所関係なく楽しめるようにしたいです。そのために重要になってくるのが、カバー曲。お店やイベントで歌うとなると、結構求められることが多いので。100曲以上あるレパートリーの中から、客層に合わせて選ぶようにしています。“流し”として行ってるので、こっちが合わせていかないと。
ただ、カバー曲を歌う中でも、自分のオリジナリティも半分くらい出すようにします。松田聖子の「SWEET MEMORIES」をボサノヴァ調にアレンジして歌うとか。そうして素人と玄人の距離を縮めていければなと」

―これまでの活動で印象に残っている出来事は?

山崎「印象に残っていること……「AS SOON AS」でのライブですかね。元々、ライブをしたい、人前に出たいっていう気持ちがあったわけじゃないんで、お客さんとのやり取りとかコール&レスポンスとかが苦手で。そんな自分が、ASでライブするときはものすごく野次られるんですよ(笑)。あそこはミュージックラバーばっかりなので、とっつきにくさもあるんですけど、野次られたことによるライブのしやすさっていうのは他の会場では体験できないです。
あと、会場におじいちゃんおばあちゃんが多いときは、お客さんの方がコミュニケーションを取りに来ている感じがあって。手拍子の準備が早いんですよ(笑)。本来俺が作んないといけない空気なんですけど、それがもう出来上がってる状態に救われました。お客さんと音楽的なコミュニケーションが取れたライブは、思い出に残ってますね。

ライブの大きさで言うと、「うづぐしまLIVE」も印象に残っています(2015年に出演)。タイムテーブルを明かさないイベントで、もちろん俺は最初の方に出たんだけど、早い時間からすでに500~600人が見に来てくれてて。餃子屋さんのオーナーが一人で始めて、この規模が作れるってすごいですよね。自然の中に爆音が響いてるのを聴いて、いい街だな、と思いました。

活動面の原点となっているイベントは「モリノネ」。一番お世話になってます。今では出演者として関わっているだけじゃなく、オーガナイザー的な役割もしているので。福島大学のアカペラサークルに声をかけて出てもらったり。いろんな年代の人を巻き込めるイベントにしていきたいなと思います」

―最後に、今後の活動の展開などお聞きしたいです。

山崎「ミュージシャン、アーティストであるために、新しいものを創ること、創作活動をずっと続けていきたいです。これまでは都度都度、周りがちやほやしてくれて(笑)、それがモチベーションになってきたんですよね。今は、喜んでくれたその人達の顔が浮かぶので続けられてます。今後も自分のモチベーションを保つためには、何か創る環境を自分で作っていかなきゃいけないと思ってます。

以前ここ(RIVER BEACH COFFEE)で1DAYイベントに出演したときに、その日用の曲を書いたことがあって。今置いているカセットテープのA面に入っている曲なんですけど。そんな風に、オーダーで曲を作ってみたいですね。
あとは、カバーアルバムを作るのも一つの目標です。それはさすがにどこかのレーベルを通して出したいと思っていて。著作権とか大変そうだし(笑)。90年代以前の曲もあったり、最近の曲もあったり……それぞれの年代の曲が交差する1枚を作りたいですね。新たなお気に入りを見つけてほしい。ただ、カバーアルバムを手に取ってもらえるかどうかって、歌の説得力が大事だと思うので、良い声、良い歌だなと思わせられるよう力を付けていきたいです。リリース自体はまだ先になりますが、少しずつ下地作りをやっていくので、楽しみにしていてもらえれば」


オリジナル曲もカバー曲も、ブラックミュージックを軸にしながら、ポップに歌い上げる山崎さん。Instagramには動画も多数アップしているので、ぜひチェックを!やわらかな歌声が、すーっと心に沁み込みます。2018年10月27日(土)には「ユナフェス」にも出演(詳細はこちら)。12月には伊達市で入場無料のライブイベントが決まっています。ぜひ気軽に足を運んでください(詳細は下記)。

★「日刊シティ情報ふくしまWeb」をご覧のみなさんに、山崎明保さんからメッセージ!

Information

MDDフロアコンサート

出演/thing of gypsy lion、セイノトモヤ、山崎明保
開催期間
※本イベントは終了しました。
2018年12月8日(土) 18:00開演
会場名
伊達市ふるさと会館 2階フロア
会場住所
料金
入場無料
※飲食店出店あり
問い合わせ先
伊達市ふるさと会館MDDホール
問い合わせ先
電話番号
024-583-3244
リンク
山崎明保 Instagram

撮影場所/RIVER BEACH COFFEE

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