バイオリンやサックスのサウンドを取り入れ、ポップスの要素を盛り込んだロックを鳴らす「THE NIGHT PIRATES(ザ・ナイト・パイレーツ)」。2004年の結成以降、福島市のみならず福島県内外で精力的にライブ活動を行ってきた。2018年11月に4枚目のアルバムをリリース。今回、3名のメンバーにインタビューを敢行!

―結成してからどれくらい経ちますか?
佐々木(Vo)「俺と、(北村)シローさん(Gt)、叶内くん(Ba)が揃って、正式に「THE NIGHT PIRATES」というバンド名で活動を始めてからは、14年になります」
―バンド結成のきっかけは?
佐々木「当時、俺は別のバンドを組んでたんだけど、元々知り合いだった叶内くんが一緒にバンドやりませんかって声をかけてきて。ちょうど自分のバンドもギターとドラムがいなかったので「いいよ」って返事したんです。そしたら、叶内くんと一緒にシローさんがいたという」
―佐々木さんと北村さんは、バンド結成時に初めてお会いしたんですね。
北村「叶内くんとは企業団体が一緒で知り合いで。たまたま音楽やってるんだよ、って話になって、それなら一緒にやりましょう、ボーカル探しましょうという流れに。
(佐々木さんとの)初めの出会いがすごいサプライズだった(笑)。噂では聞いてたけど」
佐々木「喧嘩してたんだよね(笑)」
北村「スタジオの前で誰かが揉めてて、「誰がやってんだ?」と思いながら入ったんですね。いざ顔合わせしたら、さっき喧嘩してた人!(笑) びっくりしましたよ」

―衝撃の出会いですね!(笑) どんな形で活動がスタートしたんでしょうか?
北村「音楽性は3人とも一致していて。偶然やりたいことが同じでした」
佐々木「すぐオリジナルやろうってなりましたね。どうせやるなら福島市から勝負して、紅白、武道館、東京ドーム、レコード大賞を目指そうと。
最初はドラムもいて4人だったけど、すぐ抜けちゃったのでサポートドラムを入れたり、機械で流したりしてましたね」
北村「うん、初期は流動的だった」
佐々木「初ライブはハーレーダビッドソンのバイクミーティングだったかな。桑折町で。出店もあって、お客さんも結構入ってました。
そのちょっと後に出演した、とあるライブの対バンにカズ(Dr・菅野カズ)がいて。知り合いのバンドのサポートドラムをしていたみたいだったので、「うちのバンドでやろう」と声をかけて、4人体制になりました」
―正規メンバーとしてドラムを迎えた後は、どんな活動をしてきましたか?
佐々木「とにかくライブ、ライブ。福島だけじゃなくて、東京、九州とかにも行って」
北村「年間何本?」
佐々木「一番多い年で70本以上。4人になってから初めてのライブが青森だったんだよね。高速で5・6時間かけて行ったけど、PAのトラブルかなんかでライブできなくて(笑)。ギャラだけもらって帰ってきたこともあった」
北村「いろんなライブを経験してきましたね」

―メンバーが増えたのはいつですか?
佐々木「2013年までの9年間は4人体制。9年目の途中にバイオリンのEine You(アイネ ユウ)が入ってきて、その後にサックスの村松が入って、6人に。その次の年、2014年にサイドギターの威(たけし)が入って7人になりました(※)。
メンバーを増やしたのは、音楽の幅を広げようと思ったから。ロックバンドにバイオリンとサックスを入れたら面白いだろうと。それがうまくハマりました」
※桑野 威(Gt)さんは2018年始めに脱退
―村松さん、声をかけられたときはどう思いましたか?
村松「「え?」って感じでしたね(笑)。最初はコーラスで入ったんですけど、「サックスやってみて」って言われて。まったくの初心者だったので、最初は全然音が出ない(笑)。基本が分かってなくて。やってる人に聞いたりしました」
佐々木「もう最初はエアサックスですよね(笑)。とりあえず吹いてる感じでステージ立ってろ!って言って(笑)。その代わり、バイオリンのEineが音大出身で本当にうまかったので、みんなそっちに注目してくれてました」
―14年活動してきて、音楽性の変化はありましたか?
佐々木「結成当初から変わらず、ポップスとロック。もろロックンロールというわけではなくて、ポップスロックが中心。そこに、たまにバラードが入ったり」

―曲作りはどのようにやっているんですか?
佐々木「大体俺の頭の中にメロディが流れてるので、それをシローさんに伝えて、弾いてもらって」
北村「かなり感覚的な作り方。鼻歌で歌われたものを、その場でギターにして。
楽譜なんてないしね」
佐々木「俺とシローさんが作ったギターのメロディに、みんなで音を足していく。スタジオで音合わせして出来上がっていきます。
叶内くんも曲を作るんだけど、彼はマメだから全パート作って、CD-Rに焼いてくれる。ボーカルもね、仮歌として入れてくれて」
北村「ただその歌声が低かったりするから、メロディが伝わりづらい(笑)」
―お二人が曲を作る上でこだわっている点はありますか?
佐々木「変にこだわると誰かの音楽に似ちゃったりするんだよね。あんまり他のアーティストの音楽も聴かないし。曲と詞がいっぺんに出てきたら、それを形にする。大体、車の運転中に浮かんぶんだけど、鼻歌で録音しておいて。ただ、曲になるものは頭の中に残ってるからね。録音は一応ストックしておく、という感覚」
北村「アレンジも含めて、彼の頭の中で1曲できあがってるから、それをギターで再現していくだけ。曲作りは結構やりやすいですね」
―これまで様々な場所でライブをされてきて、お客さんからはどんな反響がありましたか?
佐々木「こればっかりはライブ会場で変わってくるからなぁ。
会津若松はノリが良い。昔からロックバンドがよく来てるから、自然と盛り上がる。そういう土地柄なんだよね。東京もそう。
ただ、福島市は一歩引いて見ている感じ。それは何とか変えたいと思ってるんだけど。いろんなところを周っているからこそ、余計に違いが分かる」

―印象的だったライブは?
佐々木「いっぱいあるけどね。バンドメンバーそれぞれにあると思うけど、個人的には元「キャロル」の内海利勝さんと、元「チェッカーズ」の大土井裕二さんに囲まれて、歌わせてもらったことがあって。矢沢永吉さん、藤井フミヤさんと一緒にバンドをやっていたすごい方々と一緒にステージに立てたっていうのは、うれしかったですね。
先日、オープニングアクトで共演させてもらった水口晴幸さんも、中学生で聴いてたので、35年経って同じステージに立てた、そういう喜びがありました。
俺は、1986年から1年も休むことなくバンドをやり続けてきたから、その甲斐があったなと思いますね。継続は力なりです」
―11月23日には4枚目のアルバム『起死回生』をリリースされました。2年ぶりのアルバム発売ですね。
佐々木「実は、11月23日のリリースライブ以降、Eineが7年間活動休止するんです。家業を継ぐために専門学校に通うんですが、資格を取るのに7年かかるので、一旦休止に。
ただナイトパイレーツは一生解散しないので、7年後に戻ってくる約束で、送り出す意味も込めてアルバムを作りました」
北村「CD出すのがバンドの1番良い形だと思って。前回のリリースから時間が経っていたので、出さなきゃっていう気持ちは大きかった」
佐々木「新しいCDを作らないと、自分たちもだんだん飽きてくるし。曲も歌詞もどんどん出てくるので、早く出そうと」
―どんな1枚になっていますか?
佐々木「今回のアルバムもポップス・ロック・バラードが基本ですが、1曲目だけディスコミュージックにしてみました。今までにない感じ。
俺たちが10代の頃、1980年代はディスコブームだった。自分も踊ってたし…結構影響されていて。いろいろ聴いてきたから、俺も作れるなと。バンドではやったことなかったので、ちょっとやってみました。
福島でも、イキアキコ(※)がディスコイベントやってるじゃないですか。そういうイベントで流せる曲を作りたかったという想いもありますね。幅広い年代が踊れるような曲になってます」
※イキアキコさん…福島市のイベンター

―Eineさんが活動休止期間に入り、今後は5人体制に。どんな活動をしていきますか?
佐々木「これまでと変わらずライブが中心。少なくとも30本はやりたい。
最近はイベントに呼ばれることも多くなってきましたね。この間も福島卸売市場の「わくわく市場まつり」とか、原町の「あきいち」とか、大きいイベントに呼んでもらって。そういうイベントにもどんどん出ていきたい」
―今後の目標を教えてください。
佐々木「結成当初と変わらず、紅白、武道館、東京ドーム!地元代表という気持ちをもって、福島市から目指していく。高校野球みたいな感じ。地元のチームが勝ち進んでいく感動を、バンドという形で届けたいです。
あとは、何歳になっても好きなことをやっていくこと。今の50、60、70代でも、元気な人達がいっぱいいるじゃないですか。俺たちもまだまだやれる。そういう俺たちを子ども達が見て、「こういうおっさんになりたいな」と思ってもらえたら嬉しいね」
フロントマンとしてバンドを牽引する佐々木さんの、バンドに対する強い想いを知ることができました。今後はアルバムを引っ提げてツアーも予定しているとのこと。最新情報はバンドのFacebookページでチェック!( https://www.facebook.com/TheNightPirates)
★「日刊シティ情報ふくしまWeb」をご覧のみなさんに、「THE NIGHT PIRATES」メンバーからメッセージ!
撮影場所/シティ情報ふくしま編集室