Vo&Gt・木島拓海を中心に、実兄の木島祥吾(Ba&Cho)、同郷の四竃(Gt)、吉田(Dr)の4人で結成。2018年冬には原田(Key&Cho)が加入。明るくポップなサウンドにのせ、癖のある鋭い歌詞を歌い上げる。2019年6月には音源審査を通過し、オーディションイベントに出場。飛躍を遂げていく“変わりダネロックバンド”にインタビュー!
―結成のきっかけを教えてください。
木島拓海(Vo&Gt)(以下拓海)「中学生の時、文化祭に出るためにクラスメイトだった四竃と(吉田)哲也くんと、バンドを組んだのが最初のきっかけです。2016年頃ですね。
実は僕、中学3年の時に別室登校していて。校長室を使わせてもらってたんですけど、そこでギター弾いたりしてたんです。それを見た校長先生に「一緒に文化祭出よう」って言われて。でも、学年主任の先生から「どうせ出るならバンドを組んでみたら?」という話をされて、担任の先生がクラスの中からやってくれそうな人を選んでくれました」
四竃(Gt)「木島とはそんなに喋ったことはなかったけど、別室まで給食持っていって「お前教室来いよ」って声かけてました。木島専用の給食係ですね(笑)。それで先生からバンドの話をされて。それまでサッカー部で、音楽に興味持ったことがなかったんですけど、ギターとか楽しそうだな、と思って、ノリでやってみました」
吉田(Dr)「僕は木島と小学校から一緒だったということもあって、先生から声をかけられたと思うんですけど…。小学生の頃からゲームの「太鼓の達人」が好きだったので、ドラムをやってみたんです。とりあえず楽譜を見ながら必死に叩いてみたら、あっという間にドラムにハマっていきました」
木島祥吾(Ba&Cho)(以下祥吾)「ドラム始めて2日くらいで「天体観測」叩けてたもんね」
拓海「文化祭の時は他に2人メンバーがいて、5人組だったんですけど、高校生になってからはなかなか集まれなくて、いつの間にかその2人は来なくなって。僕たち3人で曲を合わせている時とかに、自然と祥吾がベースで混ざってきた感じです」
祥吾「練習はスタジオとかじゃなくて、基本俺たちの自宅でやってるんです。一通りの機材があって、練習環境が整っているので。だから俺がナチュラルに入っていって……なんとなく初期の「OUT OF FASHION」ができあがりました」
―最初は4人でのスタートだったんですね。4人体制の時はどんな活動をしてきたんですか?
祥吾「最初は「BUMP OF CHICKEN」「go!go!vanillas」「RADWINPS」とか、カバーが中心でした」
拓海「4人の時は、そんなにたくさんライブ出てたわけじゃなかったよね。哲也くんが部活忙しかったってのもあったし。初ライブが2017年3月のオーディションイベント「福島Revolution」でした。そこでオーディエンス賞をいただいて」
四竃「その年の夏に「プリン食べたの誰。」(現「AORA」)の企画ライブで、同世代のいろんなバンドとか、「BruteRocks」とかを聞いて、すげえ!めっちゃかっけぇ!ってなって」
拓海「このままじゃダメだなって思いました」
―原田さんはどんな流れで加入したんですか?
拓海「はらりょー(原田)は、僕と四竃と同じ高校の軽音部で、最初はサポートメンバーという感じでした」
吉田「俺が部活で出られなくなったライブに、サポートドラムで入ってもらったのがきっかけです。その時、ドラムだけじゃなくてコーラスもやってくれて」
拓海「うちのバンドにはキーボードとコーラス力が足りないって話をしてたから、それなら、はらりょーをキーボードとしてバンドに誘ってみようかと」
原田(Key&Cho)「ドラムは始めたばっかりだったんですけど、キーボードは中学2年くらいからやってたので」
四竃「祥吾さんが「とりあえず、はらりょーをバンドのLINEグループに招待してみよう」って言い出して(笑)。それが2018年の冬くらいかな」
原田「最初は恐いなっていう思いもあったんですけど、キーボードコーラスとしてバンドに参加できることってなかなかないので、わくわくしました。
僕が加入して1番最初のライブで、とりあえず進行はこれまで通りみんなに任せてたんですけど、MCだだすべりしてて(笑)。自分は元からしゃべるのが好きだったので、次のライブからMCを担当するようになりました」
拓海「俺の30倍くらいMCうまいよ。曲盛り上げてくれるし、MC全部やってくれるし、ありがたいです」
―今はオリジナル曲を中心に活動しているかと思いますが、楽曲制作のきっかけや制作方法を教えてください。
拓海「パクリっていう訳ではないんですけど、「このアーティストのこの曲を自分の声で歌ったらどうなるのか」って思って、実験みたいな感覚で曲作りを始めた感じですね。あと、好きな音楽を探してても見つからなくて、自分好みの音楽を自分で作りたいっていうのが楽曲制作の原動力になってます。
2018年の6月くらいに1stアルバム「MAZE(メイズ)」を作ったんですけど、完全にネガティブで、暗い曲ばっかりで、自分に向けて作った10曲という感じ。自分が聴いてて気持ち良いもの。他の人が聴いて楽しいかどうか気にしなかったですね」
原田「2ndアルバム「生命活動」の1曲目に入ってる「ポンコツマーチ」が初めての明るい曲だよね」
拓海「このままじゃ売れないな、って思ったんですよ。自分に向けて作ってても意味ないし、誰かに聞いてほしい、届けたい。他のバンドのライブを見たり、プロのバンドのライブ映像を見たりして、やっぱり届けるのって大切だなと感じて。2ndアルバムの楽曲は聴く人に向けて作りました」
原田「明るい曲が多いけど、歌詞はすごい(笑)」
拓海「ネガティブすぎて明るくなっちゃったというか、諦めのこもった明るさ。「どうせ死ぬからいいや」みたいな、 開き直りの塊。曲と歌詞にギャップがあると思います」
―2ndアルバムには、祥吾さんと原田さんが作った曲も収録されていますね。
祥吾「今回のアルバムは製作期間が結構長かったので、いろんなところから曲ができたというか、いろんなことを試してみました。楽器が使えないような環境……出先にいる時に、打ち込みだけで曲を作ってみたり。歌詞だけは昔から書いてたんですけど、音楽を作るのが苦手で」
四竃「祥吾さんの歌詞は、聞いてて励まされるというか。確かにこんなこともあるなぁって共感できる」
拓海「昔から書いてるだけあって、すごく伝わってくる歌詞だよね。あと生の楽器が少ないから、僕が作った曲と違いが出て面白いと思う」
原田「僕は、これまで曲作ったことがなかったんですけど、木島くんが曲作りしているのを見て楽しそうだなと思って。とりあえず木島くんに必要な道具を教えてもらって、作り始めました。初めて作った曲が「Life」という曲なんですけど、最初にメロディができてから、完成まですごい時間がかかりました。コード進行とか、作曲の知識がまったくなかったので。でもできることは何でもやってみたいと思ったので、テンポ変えたり、転調したり、1曲に色々詰め込みました。それが自分の原点となっている曲ですね」
拓海「はらりょーが作るのはどちらかと言えばJ-POPっていう感じがあるけど……今まで聞いたことない音楽、どのジャンルにも当てはまらない音楽だと思う」
原田「いろんなアーティストがいろんな楽曲を生み出してますけど、その中で売れるのは、今までにないものを生み出した人なんだって思っていて。売れたいという気持ちもありますし、今までになかったもの、新しいものを作っていきたいという気持ちが大きいですね」
―バンド結成から2年ほどになりますが、印象に残っているライブはありますか?
拓海「最近の話ですけど、音源審査に受かって、6月に渋谷で行われたオーディションイベント「ゲンセキライブ」に出演したことですかね」
祥吾「審査を通ったこと自体が初めてだったしね」
拓海「去年からずっと音源出来たらいろんな審査に出すようにしてたんですけど、なかなか通らなくて。初めて聴く人を意識して作った「ポンコツマーチ」を送って、それで受かったので、かなりうれしかったです。当日みんなで機材を持って渋谷まで行って、審査員の前でライブして。いつもの何倍も緊張しました」
原田「持ち時間10分で2曲。あっという間だった。「ポンコツマーチ」を渋谷で演奏できたのは良かったよね」
拓海「賞は獲れなかったですけど、審査員の方から良いコメントもいただけたので、得たものは多かったです。あと、ライブ終了時間が21時だったので、みんなで旅館に泊まって。5人で雑魚寝したのも楽しかったですね」
原田「バンドとして初めての遠征だったので、合宿とか修学旅行みたいで楽しかったね」
―音楽を始めて良かった、バンド組んで良かったと思う瞬間があれば教えてください。
拓海「本当にみんなバンドやって良かったと思ってるのかなって、思うんだけど。俺はいろいろと誘った身だからさ。普通の道を歩んだ方が幸せだったんじゃないの?」
原田「俺は良かったかなぁ。音楽っていうより、このバンドを始めて、MCっていう場所をもらえたことが良かったです。元々演劇に似たような習い事をしていたこともあって人前で話すことが好きで、MCを任せてもらったんですけど、最初はやっぱり緊張してうまくいかなくて。残り時間を気にすると呂律回んなくなるし。ただ、ここ最近は時間の感覚が掴めてきて、時間内に収めつつ、みんなが共感できるようなこと、自分の伝えたいことが言えるようになってきました。そういうスキルを習得できたこと、その機会に恵まれたことは本当に良かったなと思います」
吉田「後輩が僕達の演奏を聴いて楽器をやってみたくなった、って言ってくれた時はすごくうれしかったですね。バンドをやる上でのモチベーションになったし、これからもそういう演奏ができたらいいなと思いました」
祥吾「専門学校で音楽やってたときは割と殺伐としてたんだけど、バンド始めてからはいろんな人に会えるようになったし、いろんな人と音楽をやれることは楽しいかな。何より「OUT OF FASHION」っていうバンドが面白い」
四竃「最初に話した通り、中学の文化祭でバンドに誘われるまでは音楽に興味がなかったんですけど、バンドを始めたことで趣味が増えたというか。ギター弾いたり、ライブ見に行って「こんな楽しみ方もあるんだ」って思ったり。たぶん誘われてなかったら別な高校行って、ただ勉強して、ただ就職して……みたいな感じだったと思うんです。音楽始めたことで選択が広がったので、誘ってもらえて良かったなって思います」
拓海「僕はまず音楽より美術をやりたくて、小・中とずっと絵を描いてたんです。作品作るのは元から好きだったので、友達の影響で5,000円のギターを買って適当に弾いたりはしてたんですけど。そのうち、美術では結果を残せないと感じるようになったというか。一緒に美術をやっていた友達が上手すぎて、自信を無くしていったのもあって、「作品は作りたいけど美術ではうまく作れない」って思った時に、音楽ならいけるんじゃないかと。音楽は、キーとかコードとかある程度の縛りの中で作れるので、やりやすいんじゃないかなと思って。
そうして自分の作ってきた楽曲が、他のバンドの人から「良かったよ」って言ってもらえたり、SNSで評価してもらえたりして、自信が持てるようになりました。それが音楽やって良かったと思うところですかね」
―8月31日(土)に、「キテレツまい子のキテレツナイト~出発式編~」への出演が決まっています。どんなライブになりそうですか?
祥吾「今回初めて「Player's Cafe」なので、いろいろ機材を揃え始めてて」
拓海「アコースティック編成に初挑戦しようかと。今までとはまた違う雰囲気になると思います」
―では最後に、今後の目標を教えてください。
四竃「「OUT OF FASHION」としてメジャーデビューとかして、もっと大きくなっていって、これでご飯を食べていけるようになりたい。ゆくゆくはめっちゃ広い野外ステージでライブをやってみたいです」
原田「直近の目標としては、もっと練習を積んでキーボードとコーラスを上達させることですね。……あと何言おうとしてたんだっけ?」
拓海「俳優になりたいって言ってたよね?(笑)」
原田「それはまだ先の話!(笑)まあ俺は何でもやってみたいので、いつかは演技もやってみたいけど。バンドとしては、いつかCMタイアップの曲を作ってみたい。あとMVも作りたいよね」
祥吾「2ndアルバム作る時にかなり苦戦したんですけど、今はもっとうまく曲作れるので、シングルでもいいし、3rdアルバムでもいいから新しい音源を作りたいですね。あとは、ひたすらに良い曲を作っていくこと。個人的にはコラボとかしてみたいかな。ゲストボーカルとか入れて。いろんな人と音楽をやりたい」
吉田「大学に行ってバンドを続けられるかどうか分からないけど…「福島のバンドといえばOUT OF FASHION」って言われるようになりたいと思います。僕個人としては、「OUT OF FASHION」をサポートしていきたいというのが目標です」
拓海「哲也くんいないと崩れるからね」
原田「ほんとに。大黒柱だから」
拓海「僕は…四竃が言ってたことと同じですけど、でかいステージで、でかい音出したいですね。あと、ライブDVDをリリースしてみたくて、それの副音声をやってみたい(笑)」
一同「(笑)」
拓海「あとはやっぱり、人を励ませるバンドになりたい。「FASHIONの新曲を聴きたいから、明後日までは生きてみようかな」って言ってもらえるような、そういうバンドになれたらいいなと思います」
★「日刊シティ情報ふくしまWeb」をご覧の皆さんに、「OUT OF FASHION」からメッセージ!
Information
キテレツまい子のキテレツナイト~出発式編~
出演/CCD、NAO、ヒューマン、本田雅人、OUT OF FASHION、THE・ぽんちゃんズ、キテレツまい子
- 開催期間
- ※本イベントは終了しました。
2019年8月31日(土) 17:30開演 - 会場名
- Player's Cafe
- 会場住所
- 料金
- 前売1,000円、当日1,500円(1ドリンク別当日500円)
U-ONE MUSICで発売中 - 問い合わせ先
- U-ONE MUSIC
- リンク
-
OUT OF FASHION Twitter
取材・撮影協力/U-ONE MUSIC 阿部さん(@outline1)
撮影場所/福島アウトライン