福島はお祭りシーズン最高潮ですが、神輿を揺らし担ぐさまに負けないくらいの胃袋の上下運動を見せたい季節です。
そんな夏休み真っ只中の第26回「ふくしま定食部」は、会社あるいは大学の先輩に連れられてお邪魔した経験をお持ちの方も多い福島市『鳥政』さん。
こちらでシャツの袖をまくって鉄板越しに向き合って初めて、社会の一員として認められた気分になれたものです。
福島駅から「福島稲荷神社」に向かって「文化通り」を歩き進むと、途中左手に情緒ある通りが現れます。その奥に鳥政さんはあります。
夜の営業時間も、当たり前のようにたくさんのお客さんで賑わうのですが、ぜひお昼の定食も紹介させていただきたいと、今回お邪魔させていただきました。
濃紺の暖簾をくぐり、中に入ると歴史を刻んだカウンター、そして鉄板。開店間もない時間にも関わらず、すでに満席近い状態でしたが、運よく空いていた一番端の席に滑り込みました。
お昼の定食3種類のうち、ホルモン定食も餃子定食もどちらも同じ680円。ホルモン単品も餃子単品もどちらを追加しても500円。ここは値段は同じでもこだわりを持って「ホルモン定食」に餃子単品、それに雰囲気に後押しされるように瓶ビールを追加です!
今日は土曜日。平日とはまた違った、ゆったりとしたお客さんの会話と炒められる野菜の音に癒されるうちに、瓶ビールが供されました。
端の席は、鉄板に料理を盛り付ける場所。ホルモンのグラムを量る手際、ぱらりとニラを散らす姿に見惚れながらビールもすすみます。
ホルモンと野菜が盛られた鉄板が目の前に配置されたら、あとは自分で炒めるスタイル。茶・緑・黄緑の国旗を掲げたくなるほどの愛着があります。
野菜の水分を飛ばす程度に混ぜつつ、1人前は早めに火が入るので、注意深くも温かく見守ります。
味噌が野菜に絡むようになったのを見計らったように、ご飯と味噌汁も運ばれてきました。
丁度いい感じに仕上がったホルモンをコテですくう工程は、はやる気持ちを抑える紳士の所作。口に入れる前から美味いです。
キャベツ、ニラも味噌味に包まれて、これまたご飯がすすみます。
ホルモン炒めに我を忘れかけていたところに、餃子も到着です。個人的に福島の餃子のなかでも、こちらの味が好みです。モチモチ皮でありながら焼き目はカリっとした餃子は、ニンニクの効いた旨みぎっしり味。ビールも合いますが、これはご飯と一緒に口の中いっぱいに頬張りたいです。
ご飯の上でとんとんと弾ませたそばからどんどんと口へ吸い込まれていきます。
ホルモン炒めのニラ1本も残さずきれいにいただいて満足満足。夜には当たり前のようにお邪魔していますが、昼のランチタイムも贅沢な時間でした。
あまりに歴史がありすぎて、はっきりとした創業は不明とのこと。ですが、戦後まもなく先々代が飲食店を始められ、先代からは「鳥政」さんとしてスタート。
当初は焼き鳥なども提供されていたこともあり、その頃の名残で鳥政さんの店名で続けられているとのことでした。
鳥政さんの歴史は福島市の飲食店の歴史。みなさんにも、鳥政さんでの思い出がたくさんあると思います。そんな地元が誇る"食の故郷"でいただく定食……福島県外のお客さんも連れて行きたくなるお店ですね。
お邪魔している間にも、テイクアウトできる「お土産ホルモン」を買いに来る方がたくさん。その人気を窺い知ることができます。
次回はまた夜の部でお邪魔します。
ごちそうさまでした。
Information
鳥政
- 住所
- 電話番号
- 024-522-5554
- 営業時間
- 11:30~13:30/17:30~22:30
※ホルモン、餃子のテイクアウトは通しで注文可能
※営業時間はお問い合わせください - 休み
- 日曜祝日
※金・土曜日が祝日の場合は営業 - 駐車場
- なし
- リンク
-
https://torimasa.hp.gogo.jp/pc/index.html