早くも暑い日が続く6月中旬。バテないようにと頭を過ったのは肉ニラ炒め。
第82回の「ふくしま定食部」コラムは、福島市南矢野目の「鉄兵ラーメン 矢野目店」さんを目指します。
まずは福島駅から飯坂電車で笹谷駅へ。そこから「鉄兵ラーメン」さんまでは歩いて16分。ウォーキングを兼ねて、お店に向かいます。
笹谷駅から東へ進み、「イオン 福島店」手前の信号を右折したらすぐ左折。商業エリアと住宅地の境目に、ピンク色の外観が印象的な「鉄兵ラーメン」さんが現れます。
福島市のラーメン店の草分け的存在として、昭和54年に創業。
その頃少年だった私は、母に連れられて行ったヨークベニマルの中にあった「ベニーズ」で、マヨネーズが添えられた冷やし中華と、アイシー(フローズンドリンク)を楽しんだものです。
その後、行動範囲が広がると、「鉄兵ラーメン」さんや「くん太郎」さんなどのラーメン店に目覚めるのでした。長きに渡り福島市のラーメン文化を牽引する「鉄兵ラーメン」さんですが、現在(2024年)は、創業者の長男(平野店)、次男(矢野目店)へと継承されております。
思い出の扉と一緒に引き戸を開け、左手にぎっしりと詰まった漫画から1冊手に取ったら店内へ。いつもの2人掛けのテーブル席を陣取ります。
お目当ての肉にら炒めですが、卓上のメニュー表には表記がないので、入口の貼り紙での確認をお忘れなく。“定食”は肉ニラ+スープ+ライス。“セット”は肉ニラ+半ラーメン+ライス。ここは迷わずセットで。半ラーメンは“醤油”をチョイスします(味噌も選択可)。
そして、ウォーキングのご褒美に瓶ビールも添えちゃいましょう。
待つ間、メニュー表を眺めておさらいを。名物の「鉄兵ラーメン」は、じゃがいもや5種類の野菜、豚肉が入った唯一無二のラーメン。
ベースの鉄兵ラーメンに、薄く衣を纏ったロース焼肉が入る「スペシャルラーメン」、チャーシューが入る「ウルトララーメン」の存在に、「鉄兵ラーメン」の止まらぬ進化を感じます。
前回頂いた「スタミナラーメン」は、焼き肉とチャーシューがダブルで乗った食べ応えのあるラーメン。暑い日のスタミナチャージにオススメです。
大きな窓の明るい店内で、中瓶をコップに傾けつつ、入店の際に手に取った「おれは鉄兵」に目を通します。
実は、1970年代の人気漫画が「鉄兵ラーメン」さんの店名の由来。先代が好きな漫画から店名を付けられたことは意外と知られていないかも…。
そんな感慨に耽るのんびりムードを一変させるように、こんもりと盛られた「肉にら炒めセット」がどすこい!と到着。
「さて、食うぞ!」と言うか言わないかのうちに、肉ニラをガッと掴んで溶鉱炉の如き口の中へ。
シャキシャキの小気味良い歯ざわりと、コクのある醤油、ニンニクに塩コショウが効いたニラともやしの風味、“これぞ肉ニラ”な味わい。
2掴み目は、七味をサッと振りかけて。これもライスにベリーマッチ!
霜畳の感触を踏みしめたくなるように、強火で炒めた野菜を噛みしめる心地良さ。ライスと肉ニラの往復だけでは、ラーメンに嫉妬されそうなので、この辺りでラーメンに箸を移します。
ハーフサイズでも十分な鉄兵ラーメン。味噌味も美味いんですが、基本に立ち返る醤油。スープをズズズゥっと啜ると、かつての思い出ごと吸い込んでいるかのようです。肉厚なチャーシュー、もちもちの麺。ほんのり生姜の効いたスープ。この安心感。
ここからは、肉ニラ→ライス→ラーメンのローテーション解禁。漫画の鉄兵のように野生児の如く食べ進むと、肉ニラの終盤に黄色いサプライズ!
器の底には、結構なサイズの玉子焼きが潜んでいるんです。タレの染みた玉子焼きで、ライスを覆って和風オムライスを楽しみましょう。
しっかり満腹いただいて、肉ニラ炒めに負けないくらいにお腹をこんもりとさせたら、コップに残った最後のビールをギュッと飲み干してお会計ですね。
下半期突入を間近に控え、スタミナつけて頑張れそうです!
「おれは鉄兵」ならぬ、“ここが鉄兵”。
落ち着く味わいと、サービス満点のボリューム。今でもなお、福島市のラーメン文化を牽引し続ける腹ペコ部員の強い味方。
次回は、気になるレバーラーメンと餃子もいいな。ごちそうさまでした。
Information
鉄兵ラーメン 矢野目店
- 住所
- 電話番号
- 024-555-6598
- 営業時間
- 10:30~15:00(金・土・日曜祝日は~21:00通し営業)
※スープがなくなり次第終了 - 休み
- 毎週木曜日(祝日の場合は営業)
- 駐車場
- 12台