地元編集者目線でいろいろツッコみます!
2020年3月30日から始まった、連続テレビ小説「エール」。
待ちに待ったこのドラマ。主人公・古山裕一のモデルとなった古関裕而の故郷・福島市に住む編集者として、ドラマの地元ネタを拾い上げて解説(=ツッコミ)していきます!
初回の放送は、いきなり紀元前からスタート!「度肝を抜かれた」と、巷で話題になりましたね。私は、原始人に扮したヒロイン役の二階堂ふみさんが、あの「カップ麺のCM」に出ていた姿とダブって見え、「すっかり原始人女優かよ!」とツッコミを入れた一人です(笑)
信夫小学校のネーミング!
さて、ドラマ本編に入ってすぐ、主人公(以下、裕一)の母校「福島信夫小学校」の場面が出てきます。実際の古関裕而の母校は「福島県師範学校附属小学校(現・福島大学附属小学校)」ですので、信夫小学校は架空の学校。福島県内には存在していません!
ですが、福島市一帯はかつて信夫(しのぶ)郡と呼ばれており、母校の附属小学校から10分程歩いた所には「信夫山」という、シンボリックな小高い山もあります。

ちなみに、福島市内南部には「信夫中学校」という中学校も実在しています(また、福島市から70kmほど離れた白河市には信夫第一小学校と信夫第二小学校があることも判明)。
そのため、「信夫」というワードは、福島の人々にとって親しみやすく、「信夫小学校」という名称は、実在しても、まったく違和感のない絶妙なローカルネーミングです!
この「福島市民のスタッフが考えたの?」というぐらいのリアル感がいい感じです!!
母校へのオマージュも!
そして画面には一瞬、この学校の校歌の歌詞が映ります。そこで見つけた「福島ワード」は以下の3つ。
ざっくり解説すると、
「吾妻の嶺」…福島盆地の西側に連なる吾妻連峰の別称。通称「吾妻山(あづまやま)」として福島市民に親しまれている。福島らしさを醸すネーミングに「あづま」を使うのは、地元のあるあるネタ。
「阿武隈川」…東北で2番目に長い一級河川。福島県内を南北に縦断する県民の"母なる川"。ちなみに福島県庁裏手の川沿いは、福島市民の憩いのスポットとして有名。通称「隈畔(わいはん)」←「あぶくまがわ」との読みのギャップがエグイ!
「白虎の誇り」…福島県で白虎といえば、旧会津藩の「白虎隊」のこと。地元感覚だと、福島市の学校が会津地方の白虎隊を校歌に使うことはアンビリーバブル!福島県民を代表してツッコませていただきます‼
思いきりツッコみを入れたので、フォローをひとつ。「吾妻の嶺」というワードは、古関裕而の母校「県立福島商業高校」の校歌(もちろん作曲は古関裕而!)の歌い出しの歌詞とまったく同じな上、前述の附属小学校の校歌にも使われていました。母校へのオマージュが伝わってきて、実にナイスです!