特撮の神様と古関裕而のつながり
皆さん、「エールロス」になってませんか?
私は、おもいっきりロスってます(笑)。立ち直るのには、もうしばらくかかりそうです…。さて、このコラムもドラマに合わせて、今回でひとまず最終回にしたいと思います。
最後は、ドラマ本編に取り上げられることを期待していたのに、ほとんど取り上げられることがなかった福島ネタを書かせてもらいます(最後だから許してください…笑)。
内容は、福島県の中部にある須賀川市が生んだ2人の偉人と古関裕而のつながりです。
その偉人の1人目は、円谷英二。
ご存じ、ゴジラやウルトラマンを作り上げた「特撮の神様」と呼ばれている人です。
円谷英二が手掛けた特撮映画「モスラ」の音楽を担当したのが古関裕而です。双子の歌手「ザ・ピーナッツ」が劇中で歌う「モスラの歌」は、あまりにも有名。ドラマ本編では、この映画のことは取り上げられませんでしたが、最終放送日の「エールコンサート」では、しっかり歌われていました!「♪モスラ~ヤ、モスラ~」で始まる独特なメロディと歌詞は、一度聴いたら忘れられません。
古関裕而と円谷英二が一緒に写っている写真も公開されているので、二人の間には何らかの交流があったと考えられます。円谷の方が8歳年上ですが、ともにエンターテイメント業界で活躍する者同士、お互いに刺激し合える同志と思っていたかもしれません。
モスラのエピソードがきちんとドラマで取り上げられたら、円谷英二(をモデルにした人物)は誰が演じるんだろうと、ワクワクしていたのですが…、とても残念です。
でも須賀川市は、今やすっかり「特撮のまち」。街の中心部には「円谷英二ミュージアム」が、郊外には「須賀川特撮アーカイブセンター」が作られ、特撮ファンや子ども連れを中心にたくさんの人が訪れています。特撮に興味がない人でも、歩くのが楽しい街並みになっているので、ぜひ足を運んでみてください!
銅メダルは古関裕而のおかげ?
そして2人目の偉人は、円谷幸吉。
若い人には「?」かも知れませんが、1964年の東京オリンピックのマラソンで見事3位になった銅メダリストといえば、ピンとくる人も多いのではないでしょうか?
須賀川市では年に一度「円谷幸吉メモリアルマラソン大会」が行われています。彼の偉業を讃える立派な「メモリアルホール」もあり、今でも燦然と光を放ち続けている存在です。
円谷幸吉と古関裕而は30歳以上の年齢差がある上、活躍した業界もまったく異なるので、直接の交流はなかったかもしれません。
でも、円谷幸吉は国立競技場で行われたオリンピックの開会式に参加したという記述が残っているので、古関が作った「オリンピック・マーチ」の生演奏を聴いたはず。同郷の大先輩が作ったマーチで心を高揚させ、競技に対する集中力が高まり、それが銅メダルを獲得する原動力につながったと考えるのは、妄想しすぎでしょうか!?
そして、オリンピック最終日に行われたマラソン競技を、古関裕而夫婦が国立競技場で観戦したという記録が残っています。だとすれば、間違いなく「がんばれ!円谷!」と、熱い声援を送ったはず。自身が開会式のオープニング曲を作ったオリンピックで、同郷の選手が見事にメダルを取ったのですから、ひときわ感慨深かったと思われます。
このエピソード、エールというタイトルにぴったりだし、ドラマ的にもすごくいいシーンに仕上げることができたと思うんですが、まったく触れられなかったのは、実に残念。
スピンオフでの放送を、ぜひNHKさんにお願いしたいです!
さて、最後はドラマにあまり関係ないことで締める形になってしまいましたが、このコラムを通じて、少しでも福島市および福島県に関心を持つ人が増えたなら幸いです。
ご愛読ありがとうございました!