2021年にスタートした「E-Actふくしま環境リレーコラム」。「日刊CJ Monmo Web」にて、所属団体の取り組みについてリレー形式で紹介しています。
「E-Actふくしま」の詳細はコラム第1回 をご覧ください。
第22回は「福島地方気象台」です。以下、福島地方気象台 調査官・桜井美菜子さんよりご説明いただきます。
2023年の夏は暑かった!~地球温暖化の現状をお伝えしていきます
今年(2023年)の夏は、これまでにない暑い夏でした。8月5日に伊達市梁川で観測した日最高気温40.0℃は、福島県内で初めて観測した40℃台の気温です。もちろん、これまでの福島県内の最高記録です。
福島県の気温の変化を詳しく見ていきましょう。図は、今年の1月上旬から11月上旬までの福島と若松における旬ごとの気温の推移を、折れ線グラフで示したものです。なお、「若松」とは会津若松市にある観測点の名称です。
緑の実線は旬平均気温、赤の点線は最高気温の旬平均、青の点線は最低気温の旬平均を表しています。グラフの縦軸が平年との差(※)です。横軸の数字は月を表しています。
※1991年から2020年までの30年分の観測データを平均したものを「平年値」といいます。「平年との差」は、「観測された値」から「平年値」を引いたものです
黒い実線よりも折れ線が上にあれば、平年より気温が高いことを表します。このグラフを見ると、福島も若松も、夏(7月~9月)だけでなく3月~4月の気温も、平年よりもかなり高かったことがわかります。気象台が観測しているソメイヨシノの開花は、これまでで最も早い記録(3月24日)となりました。
こうした高温の要因の一つには、地球温暖化の進行があると指摘されています。福島県だけでなく日本国内の観測データからも、長期的に気温が上昇していることや、日最高気温30℃以上の真夏日、日最高気温35℃以上の猛暑日などが増えていること、激しい雨の降る日が増えている一方で、降らない日も増えていることなどが明らかになっています。
まさに、「地球温暖化による気候変動は、これから起こることではなく、すでに起こっていること」なのです。
福島地方気象台では、客観的な観測データが突き付けているこうした事実を多くの皆さまに知っていただけるよう、取り組みを進めています。さらに、最新の防災気象情報を踏まえて気象災害や熱中症などに備えていただくことが効果的な適応策の1つとなることを、関係機関と協力しながらイベントなど様々な機会を活用し、お伝えしています。
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福島地方気象台
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記事構成:CJ Monmo編集部 鈴木菜津美