春はうららに
のどかな春の日が降り注ぐと、婆ちゃんは90歳の年も忘れて鍬をふるう。お嫁に来て70年。最愛の連れ合いを亡くしても、婆ちゃんの営みは昔のままに変わらない。鍬と会話し、鍬に励まされ、喜びも悲しみも共にしてきた仲間なのだろう。
時折そばを通る只見線の列車には目もくれず、婆ちゃんは今日も穏やかに鍬をふるう。夢物語のようなうららかな春の息吹がここには満ち満ちている。
数回通って懇意になれば、撮影も可能になるかもしれないが、個人の屋敷であり畑なので、無断侵入は絶対に避けていただきたい。金山町下大牧集落の国道252号沿いにある駐車スペースに車を置くと、線路側にある高い屋敷が、撮影地となる。
日本の田舎の珠玉のうららかな春の情景が、この先も永遠に続くことを願わずにはいられない。桜花爛漫の撮影時期は例年4月20日頃から下旬の頃になる。
文・写真/星 賢孝
Information
金山町・下大牧集落から撮影した、只見線沿いにある民家の桜
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