厳寒の残り柿
師走寒波で、奥会津は一夜にして白無垢の世界に変貌する。見渡す限りの雪のベールは、けがれない幻想の世界に誘ってくれるが、それは同時に長く厳しい冬将軍の到来という事でもある。
「凍み付いた残り柿に、温もりを感じる冬の風情が好き」とカメラを構える若い女性のそばを、列車は颯爽と駆け抜けていく。満面の笑顔を見せる彼女の瞳に投影された残像は、永久の記憶に置き換わり、残り柿の朱色もまた厳寒を彩る温もりにまで昇華している。
初雪は例年12月下旬頃。撮影場所は三島町のJR只見線・会津西方駅付近で、第二只見川橋梁たもとの踏切近くである。個人の所有地なので、人影を見かけたらひと声挨拶をしてほしい。
撮影は残り柿の木の根元あたりからなので、14mm程の超広角レンズがほしいところである。午前7時台と9時台の列車なら上下線で2本通過するので、縦横の2パターンを撮影できるチャンスがある。
文・写真/星 賢孝
Information
三島町・JR只見線会津西方駅付近から撮影した「雪の中の残り柿」
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