神風のいたずら
夢うつつ、めくるめく爛漫に溶けた散り花は、只見線沿線の素朴な景観を映す水面に、まだ名残惜しそうに漂っている。水面は、泰然自若に黙し揺らめき、ただひたすらに田植えの到来を待っている。
水鏡に映る勇姿の列影を刻むべく今日か明日かと、密かに焦る私達を尻目に、神々は時として刹那の風で立ち向かって来る。水鏡は瞬時で砕け、元の木阿弥の無情と艱難(かんなん)の痛手に苛まれる事態となる。天国か地獄か、全ては神の気まぐれ次第なのだ。
撮影は、会津西方駅付近の田んぼの土手から。駅前広場の駐車場から徒歩3分。会津宮下駅からの列車を、会津西方駅直前で撮影する。水鏡の凪を狙うなら早朝の撮影が必須。田植え時期は地元の人出も多く、声を掛けて許可をもらおう。
農道なので三脚はできるだけ遠慮を。レンズは彼方の列車狙いなら200mm程の望遠系だが、列車の映り込みは撮れない。映り込み重視なら24mm程の広角系が必要になる。
文・写真/星 賢孝
Information
三島町・田植え前の水田に映る只見線車両
- 住所
- 【今回の撮影スポット】
- 備考
- 撮影の際は安全に十分ご注意ください