aikoのコピーを中心に、ポップな楽曲を届ける社会人バンド「リュックサックス」。5人が紡ぐサウンドは、聴くほどに楽しさが伝わってくる。結成1年を越え、2019年1月以降に続々とライブが決まっている彼ら。改めてバンド結成の経緯や、メンバーそれぞれが抱く想いを聞いてみた。

―またぞうさん(Gt)が遅れていらっしゃるとのことで、まずは4人のメンバーにインタビューしていきます。結成の経緯を教えてもらえますか?
ゆみ(Vo)「初めてみんなで集まったのは2017年の9月……だったよね?」
401(しおい)(Ba)「U-ONEの阿部さん(※)から、aikoのコピーバンドをやりたい子がいるから一緒にやってくれないか、って話をもらって。それがあすかちゃんだったんですけど」
※阿部さん……U-ONE MUSICスタッフ、福島アウトライン・Player's Cafeブッキングマネージャー。本日の取材に同席
あすか(Dr)「aikoのコピーバンドをやりたかったというよりは、バンドを組みたいと思ってました。前に組んだバンドは、2回くらいライブをしたら終わってしまい…。でもドラムはずっとレッスンを受けていたので、やっぱり誰かと合わせたいなと思って、阿部さんに相談したら今のメンバーを紹介してもらったという感じです」
阿部「ドラムが上手だから、なんとかバンドを組ませてあげたいと思って。バンドの形として手を付けやすいのは、彼女が好きなaikoかなと。そういう流れでaikoのコピーバンドを組んでほしい、と声をかけていきました」
―阿部さんからのお誘いで結成に至ったんですね。それぞれ、どんな風に加入を決めたんでしょうか?
401「阿部さんから話をいただいた時は、バンドとしての活動は全然してなくて。ただ、バンドやりたい気持ちはあったし、aiko自体も好きだったので、やってみようと思いました」
めぐ(Key)「別のバンドでここ(福島アウトライン)のライブに出たときに、阿部さんに『キーボードできる子知らない?』って聞かれて。話してる中で『キーボードできるじゃん!』って言われて、コピーバンドに誘われたんです。その場で、やりますって返事しました。その日、401さんがスタッフとして会場にいらっしゃって、『あそこにいる人がベースだよ』って教えてもらいましたね」
ゆみ「私は、学生時代からライブハウスに来たり、自分でもバンドを組んだりしていたんですけど、就職して2年くらいライブとか、ライブハウスとはかけ離れた生活をしていて。そんな時に、たまたま郡山駅で阿部さんと会って!『そうだ、aikoのバンドやらない?』って言われたんです(笑)。そこであすかさんの話も聞いて、ボーカルとして入ってほしいとのことだったので、二つ返事で加入しました」
阿部「またぞうくんはセッション祭りに出てくれたときに声をかけて。同じような感じで、二つ返事でした」

―9月に初顔合わせした時のことをお聞きしたいです。
ゆみ「声をかけられてから、3ヵ月後くらいに『メンバーが決まりましたので、アウトラインにお越しください』って連絡が来て(笑)。アウトラインに集まったら、阿部さんがそれぞれを紹介してくれて、『とりあえずバンド名と1回目の練習日を決めてね!じゃあ行ってらっしゃい』と。お見合いみたいな感じだったね(笑)。その後、みんなで「珈琲の街」に行きました」
あすか「まずはバンド名を考えたんですけど、aikoのコピーバンドなので、aikoの曲の中からヒントをもらって決めようという話になって」
ゆみ「aikoの曲のタイトルに名詞が多かったんだよね。「かばん」とか。そこから派生して「リュックサック…?」ってなって、「ス」を付けるか~と」
あすか「aikoを連想させるようなバンド名がいいよねって話してました。あんまり深い意味はないです」
―顔合わせした後は、どんな活動をしてきましたか?
ゆみ「またぞうと私が福島市外に住んでいて、予定を合わせるのが難しかったということもあって、まずは月1回のスタジオ練習から始めました。私たちのペースでやっていこうって決めていたので 。
定期的に練習していって、年明けの(2018年)2・3月にライブに出ようかと思っていたんですけど、練習している内にまだちょっと厳しいかも、となって。でも、ちゃんと区切りを付けないと間延びしちゃうなって思ったので、じゃあ春にしようと。新年度一発目、4月にライブをしたいですって阿部さんにお願いしました」

―初ライブはどうでしたか?
ゆみ「めっちゃ緊張したけど、すごく楽しかったなーという感じ。私は仙台でもバンドをやっていたので、ステージに上がること自体はそんなに久しぶりではなかったんですけど、地元のライブハウス――アウトラインで歌ったのは3年ぶりとかですね」
401「メンバーの知り合いがたくさん見に来てくれて、盛り上げてくれたので、すごくアットホームな雰囲気になって楽しかったです。ゆみちゃんが何言ってもドッカンドッカンって(笑)。うちのメンバーすげぇなぁ、いいバンドに入れたなぁって思いました」
めぐ「私もすごく楽しかったな、っていう思いが一番ですね。お客さんが温かかったっていうのもありましたし、メンバーも明るくて、楽しそうに演奏してたので……私自身も珍しくニコニコしながらライブしたなって(笑)。いいバンドに入れて良かった、って感じました」
あすか「バンドでのライブは久しぶりだったので、みんなで演奏できるっていうのがすごくうれしくて。メンバーみんなに感謝です」
ゆみ「また次のライブもやりたいね、っていう気持ちになれたライブでした」
―最近のライブではオリジナル曲も演奏していますよね。
あすか「最初はコピー曲だけだったんですけど、オリジナル曲もやりたいっていう私のワガママにみんなが応えてくれて。401さんが作ってくれた曲をベースに、オリジナル曲も作って演奏しています」
ゆみ「あすかさんだけがやりたいって言ってたわけじゃなくて、みんなも何となくオリジナル曲やりたいよね~って感覚はありました」
401「あすかちゃんはaikoが大好きな子だから、コピー以外はやらないかなぁ、と思っていたんですけど、ある時のライブ終わりに『オリジナル曲もやりたい!』って言ってくれて、その一言が大きなきっかけになりましたね。それまでのライブとか練習を経て、このメンバーすごく合ってるなって感じていて、オリジナル曲もやるようなバンドにしてみたいという気持ちがあったので、じゃあ作ろうと。僕がメロディとコードを作っていって、歌詞はゆみちゃんが書いて、みんなで仕上げていきます」

―オリジナル曲はどんな曲になっていますか?
401「最初に作った「夏の幻」はポップな曲で、スピッツみたいな、ああいうポップさが出せたらいいなと思って作りました」
ゆみ「401さんが形にして持ってきてくれたものを、スタジオでみんなで煮詰めていって、フレーズを足したりして、完成した感じです。この曲は、みんなで作った感が強いかも」
401「2曲目の「あかりの花」はちょっとエモーショナルな感じ。サビがどこだか分からないような、洋楽っぽいテイストになってます」
ゆみ「一番新しい「ネオン」は……私、お酒飲むのが好きなんですけど(笑)、日々いろんなことがあって、悩んだり、苦しいなって思ったりした時に、お酒を飲んで今日くらいは楽しもうよってなるんです。そんな日常の自分の気持ちを歌詞にしました」
401「サビはメンバーみんなで歌ってるんですけど、最初にメロディとコードができた時点で、みんなで歌う曲にしたいなって思ったんです。せっかくメンバー5人もいるんだし。楽しい雰囲気の曲になりました」
―パフォーマンスする上でのこだわりや、「こんなバンドになりたい」という想いはありますか?
ゆみ「11月のライブの前、みんなでご飯を食べに行った時に、「こういうバンドでありたい」っていう想いを私から話したんですよ。ボーカルとしてMCをやらせてもらうので、いつもどういう気持ちで喋ってるのか、”リュックサックスの色”って私はこう思ってるよっていうのをみんなに伝えました。
4月、7月、9月と、1シーズンに1回くらいのペースでライブをしていたので、季節を彩るようなバンドになりたいなって思ったんです。夏のライブなら、夏っぽい曲を選んでみたり、浴衣で出演してみたりして、「夏だー!」って感じてもらえるようなライブにしたくて。ただ演奏するだけじゃなくて、見てくれてる人の生活に寄り添うようなライブをしたいです。見終わった後に、「また次の季節に会いたいな」って思ってもらえたら」
あすか「あとは、とにかく楽しんで演奏すること。aikoのライブがすごく楽しいので、そういう風にできたらなって思ってます」
めぐ「こっちから楽しさを発信していく感じ」
ゆみ「うん、楽しさダダ漏れ、みたいな!楽しい空間にしよう、っていうのはメンバー全員が意識していると思います。かっこいいというよりは、ポップな雰囲気のステージになってますね」

―活動を重ねる中で、改めてこのバンドを組んで良かったなと思った瞬間は?
ゆみ「さっき話した、バンドの方向性を伝えた時に、みんながすごく納得してくれて。その瞬間に、メンバーが一丸となれた感じがしました。私は色々なことをどんどん発信したくなっちゃうんですけど、それを受け入れてくれたり、賛同してくれたりした時に、みんなと一緒にバンドやれてうれしいなぁと思います」
めぐ「一緒に居て楽しいし、居心地が良いです。練習で集まった時とか、みんなで飲みに行った時とか、くだらない話で盛り上がったりして。雰囲気がいいなぁって思います」
あすか「リーダーとして頼りない感じの私にも、みんなあったかくて、優しくて……めぐちゃんが言ってくれた通り、居心地が良いです」
401「おじさんなんで、ちやほやされるのはうれしいですね!(笑)」
めぐ「え?ちやほやされてる…?(笑)」
401「されてるつもりだったけど!?(笑) ここカットして、俺も居心地良いに変えといてください!(笑)」
―(ここでまたぞうさんが到着)来て早々で申し訳ないですが、またぞうさんにもバンドを組んで良かったと思うことをお聞きしたいです。
またぞう(Gt)「自分はつくづく中二病をこじらせたまま来てしまったというか……音楽をやる時だけじゃなくて、人と接する時にも、腹立つなぁとか気分悪いなぁとか、そういう感情を原動力にしていて。マイナスな感情を発散するためにギターを弾いて、結果楽しいなっていうのは今までもあったんですけど、このバンドではスタートから終わりまでずっと楽しんで音楽をやってる。「このメンバーが楽しいから音楽してます」という感覚は、みんなに教えてもらったことです。勉強になりましたね」

―2019年1月5日(土)には「オトナリ6」に出演が決まっています。どんなライブにしたいですか?
めぐ「2019年になって一発目のライブになるので、いい一年にできるような、晴れ晴れしいライブにできればいいなって思います」
またぞう「見に来てくれる方、一緒に出演する方、主催してくれる方に、ライブを通して感謝している姿勢を見せたいですね」
401「MANAMIさんや「アキレスと亀」さんなど、福島のそうそうたるアーティストと一緒に出演できる機会もなかなかないですし、そこで来てくれたお客さんたちに「リュックサックス」の雰囲気を少しでも伝えられたらいいなと思いますね」
あすか「憧れてたバンドの皆さんと対バンできるのはすごくうれしいし、そこに呼んでもらえたので、がんばりたいと思います。いつも通り、楽しい感じが出せれば」
ゆみ「「オトナリ」は、「リュックサックス」のライブ写真を撮ってもらっているむとうさん(※)の企画ライブなんですけど、企画ライブって主催者さんの想いが詰まったライブなので、企画の1カケラとして私たちを呼んでくれたことがうれしくて。いつも撮影などで支えてくれているむとうさんの大切な日に、私たちにしかできない、「リュックサックス」の色が出せるようなライブを、感謝を込めてやりたいです。
あと、2018年はまだ”ライブ始めたて”という感じがしていたんですけど、2年目に入ってくるので2019年の「リュックサックス」を見せていきたい。自分たちらしいライブをしたいと思います。それでみなさんに楽しんでもらえたらうれしいです」
※むとうさん……福島で活動しているイベンター・カメラマン
―最後に、今後の目標を教えてください。
ゆみ「楽しくなりたいな、という気分のときに『「リュックサックス」見に行こう』って思ってもらえるようなバンドになりたいです」
あすか「自分たちも楽しくないと続かないと思うので、今の良い雰囲気を保っていきたいですね」
401「バンドとして集まったメンバーではあるんだけど、その前に友達でありたいよね。そういう気持ちがあれば楽しく続けられると思います」
めぐ「あと音源は作りたいですよね。レコーディングをしたい」
401「ただ、「●月までに絶対作る!」というのはあまりなくて。焦らずにじっくりやっていこうかなと」
ゆみ「初ライブを決めた時もそうだったんですけど、無理せず、自分たちのペースでやりたいって思っているので。オリジナル曲も増えると思うので、音源に関しては、楽しみに待っていてもらえればうれしいです」

音楽のルーツも、これまで歩んできた道も違う5人ですが、同じ波長を持ってバンド活動を楽しんでいることが分かったインタビューでした。2019年1月5日(土)の「オトナリ6」(詳細は下記)に出演した後は、企画ライブ「福島CALLING」出演バンドとして、福島県内ツアーを行います。ぜひ動画をチェックしてください!
★「日刊シティ情報ふくしまWeb」をご覧の皆さんに、「リュックサックス」メンバーからメッセージ!
Information
オトナリ6
出演/MANAMI、リュックサックス、THE GREENBACK、poor girl、Chameleon、アキレスと亀
- 開催期間
- ※本イベントは終了しました。
2019年1月5日(土) 17:45開演 - 会場名
- 福島アウトライン
- 会場住所
- 料金
- 前売2,000円、当日2,500円、学生1,000円(1ドリンク別当日500円)
各出演者・主催者SNSで予約受付中
U-ONE MUSICで発売中 - 問い合わせ先
- U-ONE MUSIC
- 問い合わせ先
電話番号 - 024-597-7202
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主催者Twitterアカウント
取材協力/U-ONE MUSIC 阿部さん(@outline1)
撮影/むとうさん(@k_rock_mt)
撮影場所/福島アウトライン