記念すべき第30回のふくしま定食部は、令和2年の定食初めですから、少し足を延ばして郡山市まで食堂遠征です。
今回は郡山市でも特にお気に入りの食堂のひとつ。駅前大通り沿いに昭和27年創業の老舗『三松会館』さん。一度決めていたオーダーを再度惑わす魅惑のショーケースにしばらく見惚れます。
黒の暖簾に白字で書かれた"綜合食堂"の文字に招き入れられるように入店です。
小上がりも落ち着いていて好みですが、今日はおひとり入店。レジ前の2人掛けテーブルに案内していただきました。
お冷を置きに来ていただいたタイミングで、「レバニラ炒めとハムエッグを単品で。それと赤ワインをグラスでお願いします」。
最近お気に入りのオーダーをお願いすると、番号札8番をいただきました。
三松会館さんは日本酒、焼酎も豊富ですが、東京から仕入れているワインもリーズナブルでおいしいんです。
それにしても平日の午後2時でこの賑わい。出張帰りのビジネスマンや常連と思われる年配の方、大学生でほぼ満席です。人気、時代のニーズに応じてメニューを増やし、和・洋・中、定食から丼もの、麺類など品数は100以上。まさに"綜合食堂"の暖簾に偽りなし。
創業者の松崎三治さんのお名前をとって三松会館さん。当時は食堂もたくさんあった郡山駅前に、テーブル2席でスタートし、人気と共に拡張してきました。
今回の取材を申し込んだ際も、ご主人が「うちは特別なネギとか、こだわりの逸品とか使ってないよ!」と仰いましたが、毎日でも通いたくなるホッとする味。温かくてボリュームもあって、この雰囲気。堪らなく魅力的です。
待つこと5分。先行して赤ワインとお通しの枝豆が到着です。
貼られたポスターのおかげで、向かいは空席なのに、あたかも福山雅治と乾杯している気分です。枝豆がはかどったあたりで、レバニラ炒めが湯気と香りを纏ってやってきました。。
しっかりと炒められた主張のあるレバーと、もやしやニラの食感は食べ応えあり。たっぷりと汁を含んで旨みが溢れます。そこに赤ワインを滑り込ませると、その絶妙な味わいに堪らなく幸せです。
続いて、皿から零れ落ちないのが不思議なくらいのハムエッグが、あたかも卵の殻を割ったようなビジュアルで運ばれてきました。ここは、すぐに黄身に手を付けず、ポテサラやキャベツを楽しんで自分自身をじらします。
さて、いよいよ目玉焼きと向き合うことに。箸先でぷつんと割ると、白身とハムに絡むちょうど良い塩梅の黄身が流出。
そろそろ白ワインかなと思ったあたりで、〆に麺類をいただきたくなりました。
メニューの"めん類"のページだけでも26種類。決めかねてページを捲ると"焼きそば類”も6種類ですから迷います。
また寒い中を帰ることを考え"あんかけ焼きそば”で温まることにしましょう。せっかくなので、110円追加で五目に変更です。
ワインの余韻と賑やかな雰囲気で心地よくなっていると、今日の〆、あんかけ焼きそばと白ワインが一緒に運ばれてきました。
終盤にきて、思っていたよりひと回り大きな焼きそばに驚きましたが、餡という大海原に漕ぎ出した一艘の小舟のようなゆで卵に、番号札∞の胃袋。再度食欲を掻き立てられます。
サッと焼かれた細麺の喉ごしもよく、あつあつの餡を麺でジャッカルして口の中へ。余韻の残るうちに白ワインをいただくと再び訪れる幸せな時間。
胃も心も満腹になった郡山での食堂時間。次回は洋食もいただきに伺いますね。
ごちそうさまでした。
Information
三松会館
- 住所
- 電話番号
- 024-932-0173
- 営業時間
- 10:30~22:00
※営業時間はお問い合わせください - 休み
- 毎週日曜日
- 駐車場
- なし