『駅前食堂』は2023年1月11日をもって閉店しました。
梅雨の晴れ間にサッカーに興じ、時計を見れば13時。第58回のふくしま定食部は、今ならギリギリ間に合うかと頭をよぎった伊達市保原町の「駅前食堂」さんへ急ぎます。
福島市からは、今では東北中央道があるので30分ちょっと。ラストオーダーの14時までならイケる!とばかりに、腹ぺこアディショナルタイムに突入です。

東北中央道・伊達中央ICからなら市街地へはすぐなので、近隣へ駐車しても13時50分には暖簾を潜ることができました。
道中、いつものラーメン半チャーハンか、はたまた懐かしのナポリタンかと熟考しましたが、空腹ということもあり、一番リッチな「ビックリしょうが焼き定食」をオーダーします。

いつもは、中央のテーブル席が好み。
それぞれソロで来店したお客さんが、まるで屋形船のようなセンターテーブルに偶然に居合わせる必然。同志のような心持ちで一緒に頬張る連帯感。

訪問したことのない方は、もしかしたら「年季の入った食堂の店内はどんな感じだろう」と思うかもしれませんね。
しかし、店内はグラスや調味料のすべてに手入れの行き届いた気持ちの良い空間。言うなれば、タイムスリップした当時の状態がキープされている感覚。
心地良いノスタルジーが、何よりのごちそうです。


サッカーから駆けつけた喉には、コーラの刺激がうれしくも、サッポロ黒ラベルのグラスに琥珀色のシュワシュワを欲してしまいます。
テレビを眺めて寛いでいると、大ナタ1丁が運ばれてきたのかと思うほどのインパクトで、「ビックリしょうが焼き定食」が到着です。

ほんのり生姜の効いた、もはや“角煮一本定食”は、野球選手のヘルメットに付いているフェイスガード1個分のサイズ。
むしろ、箸がすっと入る柔らかさのほうにビックリ。薄く纏った衣が、甘みのある生姜ダレを逃さずに口へ連れて来てくれます。


タレごと口の中いっぱいに頬張れば、旨みが大流出。
肉良し!ごはん良し!と駅員の点呼のように繰り返し味わう幸福感に、わかめスープのネギもハートになるほど!

前回頂いた、炒めた豚肉やニラ、もやしの旨みがたっぷりな「駅前ラーメン」も好みで、麺類にセットで50円引きの半チャーハンを添えたら完璧です。


懐かしのナポリタンも銀皿ノスタルジー。歴史を感じる、こういうナポリタンが美味いんですよね。

創業50年以上、現オーナーになってからもメニュー開発に余念がなく、「地獄行きラーメン」なども気になるところ。
路面電車が開業したのが明治41年。その年のうちに福島駅から保原駅まで開通しました。昭和46年に廃止となるまで親しまれた、愛称チンチン電車が停まる保原駅は、現在の福島交通保原バスセンターの場所でした。
その向かいにあるから「駅前」食堂。当時の風景を知っている方々には、駅前といえばこの界隈なんでしょうね。


座席からの視界に入る、単品メニューとドリンク。ホッピーセットとハムカツが何度も誘ってきます。


「ここまでチンチン電車で来れたらいいのにな…」と思いつつ…、車で帰ります。チン♪(1回チンで動け/2回で止まれの合図)
ごちそうさまでした。
Information
駅前食堂
- 住所
- 電話番号
- 024-576-4525
- 営業時間
- 11:00~14:00ラストオーダー/18:00~21:30ラストオーダー
- 休み
- 毎週木曜日
- 駐車場
- あり