第59回のふくしま定食部。
猛暑続きで、涼を求めて目指したのは猪苗代『磐梯朝日国立公園 舟津公園』。
公園の駐車場へ停めて、導かれるように歩を進めると眼前に猪苗代湖、その向こうには磐梯山の絶好のロケーション。

BBQや湖水浴を楽しむ家族連れを横目に、突き当りまで散策したら一旦通りへ。
はためく幟を目印に近づけば、ブルーの瓦に濃紺の暖簾。朱書きの“赤はら天ぷら”の看板を掲げた昭和10年創業の老舗「太田屋食堂」さんが現れます。


するりと暖簾を潜ったら、湖を借景できるポジションに陣取ったタイミングで、笑顔も素敵なお母さんがお冷を運んで来てくださいました。

オーダーはもちろん赤はら(ハヤ)の天ぷら定食で決まり!
まんじゅうの天ぷらに赤しそジュースも追加して、フルコースを満喫しちゃいましょう。

開放的な雰囲気に、居合わせたお客さんも、お店のみなさんもみんな笑顔。
気持ちの良い空間に、心解れるゆったり時間が流れています。


食事ができるまで席を立って公園を眺めたり、広間の縁に腰掛けたりしていると、お盆休みに実家に帰省したのかと錯覚してしまうレベル。
およそ10分ほど。「おまちどうさまでした♪」と「赤はらの天ぷら定食」の到着です。

赤はらはもちろん、ミズナに山芋、舞茸…と見るからに豪勢な盛り合わせ。
ダブルコバチも根曲がり竹に冷奴と盤石。


まずは、赤はらですよね。なにより衣の歯触りの軽さに驚きます。一切の臭みもなく、頭の先から尾っぽの先までサクサク美味いです。
天つゆを潜したら、恒例のご飯の上にセット完了。

山芋の天ぷらには、別添えのふきのとう味噌をちょんと乗せて味変。これまた美味いですね。
一旦、冷奴で落ち着こうと、手を伸ばした醤油も油断なりません。「キッコ―ナン醤油」の女の子のスカートを摘まんだパンダは、今夜の夢にも出て来そうなインパクト。

夏の訪れと景勝地。名物の定食を頬張る午後。箸のスナップが止まることなくペロリ完食したところで、デザートタイムへ。
磐梯山を臨みながらいただく「まんじゅうの天ぷら」(120円)は格別。甘さ控え目な餡子は、やはり軽サクな衣を纏い歯触りも楽しい味わい。
そして“食堂の看板娘”お母さんのお手製「赤しそジュース」(200円)の美しいこと!!
幼き日におばあちゃんに貰った小梅キャンディの思い出が蘇る一杯。


すっかり満足して寛いで。本当なら広間に寝転びたいところですが、ギリギリ理性を繋ぎとめて、レゲエシンガーのニット帽のような鮮やかな切り株スツールに腰かけてしばし和んでみました。

食事中は気付かなかった、不二家チョコレートのストッカー(昭和40年代モノ)や、歴史の染み込んだ岡持ちなど、情緒あふれるアイテムに囲まれていたことにテンション再燃!


オーダーの際に頼んでおいた、お土産の「赤はら天ぷら折詰(5匹)」をご準備いただけたところでお会計です。
なんと感激なことに、折詰を入れてくださったのは、新聞紙のリメイク手提げ。しかもハイクオリティ。破れるまで使います!


猪苗代湖で獲れる川魚“ハヤ”は産卵期におなかが赤くなるから“赤はら”。
私のおなかも赤くなっていそうなくらい満腹満足です。
200以上の民話がある湖南町。カッパ長者の話が残されていることから、公園駐車場の近くにお母さんの傘寿の記念に設置したカッパにもご挨拶して帰りますね。


いつまでもあったかい故郷のような食堂として、在り続けてください。
ごちそうさまでした。
Information
太田屋食堂
- 住所
- 電話番号
- 024-982-2525
- 営業時間
- 10:30~15:00
- 休み
- 不定休
- 駐車場
- あり
- リンク
-
https://www.instagram.com/ohtaya_shokudo/