記念すべき第60回のふくしま定食部は、参加するサッカーの遠征に合わせて、初の試み“食堂2days”をと、会津若松市の「重慶飯店」さんを目指しました。
磐越自動車道の会津若松インターチェンジを降りたら国道49号線を右折してすぐ。
イエローハットと共に構成する黄色いエリアではお馴染みのパンダの看板が出迎えてくれました。

引き戸を開けると、女将さんが優しく迎えてくださいました。
広い店内にはテーブル席もありますが、国道49号線を臨める、入り口すぐのL字カウンターが好み。


せっかく2daysでお邪魔するのですから、定食は明日にして、初日は店名を冠した「重慶丼」をキメてみましょう。壁の貼り紙にしか出ていないのに、オーダー連発の重慶丼は人気ですね。
パッと見、ソースかつ丼にも見えても、よく見るとその下にはしっかりと煮込みかつ!もはや、2種かつ丼のお手付き状態。
重慶丼の破壊力は、女将さんの「食べきれないときはお持ち帰りできますよ」の言葉にも表れます。


店主曰く「カツ丼好きの常連さんが、いつも煮込みにするかソースにするか悩んでいたので、ハーフ&ハーフにしたんですよ」とのことですが、このボリューム、フル&フルですよ!

しかし、食べきれるかなどという心配は杞憂に終わります。なぜなら、やや甘めのソースにサクサクとしたカツがうっとり美味い!
たちまち左半球のソースカツをノンストップ平らげです。
さぁ、冷奴でひと息ついたら後半戦です。右半球の煮込みかつに突入しましょう。
こちらは、シャクとした玉ねぎの食感、気泡のえくぼも愛おしい玉子を纏った優しい味わいで、飽きるどころか、再びギアがトップに入る感覚。
このあと、サッカーグラウンドに戻ったら走れるかなどと考えるのは無粋というもの。目の前の丼という名のピッチを全力で駆け抜けるだけです。
他にも、四川火鍋を意識した刺激的な新メニュー「レッドパンダ」も気になるところ。次回は必食ですね。お腹いっぱい満たされて、明日は何にしようか考えつつ、お冷でクールダウンしたら初日は終了。

サッカーも食堂も大会2日目。満を持して再び重慶さんの引き戸を潜ると、今日はゆったりとテーブル席へ。
前日決めていた「エビチリ定食」、そして名物の「しゅうまい」単品を、努めてスマートにオーダーすることにします。
“重慶”飯店さんの店名の由来を伺うと、中国の重慶は古来より国の要衝であったこと、また重なる慶びの意味合いから名づけられたそう。
重慶の市花、椿がお好きだという理由も素敵です。


代表的なメニューの麻婆豆腐も、本格シビ辛ではなく、中華山椒、豆板醤、辣油等の香辛料を使って丁寧に、かつ親しみやすい味わいで、家族みんなでリピートしたくなる味なんです。
ほどなくして、白磁に映える朱色も美しく、エビチリ定食が運ばれてきました。

まずは、添えられたスプーンでひとくち。
甘みと爽やかな辛みが織りなす絶品ソース、そしてぷりっっぷりの艶やかなエビ!
堪らずごはんの上にセットしちゃいます。


ほんのりとニンニクも効いたエビチリは、軽く片栗粉がまぶされていて、ソースの絡みもよく、会津産のごはんにもよく合います。れんげではなくスプーン添えなので、一滴残らず堪能できるのもありがたいです。
そして、いつ見ても圧倒されるしゅうまいは、国産の豚ひき肉と玉ねぎがたっぷり。テニスボールサイズが2つで、思わず「サーティラブ!」と叫んでしまいそうになります。
「大きい方が肉汁も多くて、食べ応えがあるから」とのお話しに、しゅうまいに負けないジャンボなサービス精神がうれしくなりました。

昭和47年創業、今年(2022年)でちょうど50周年の老舗中華食堂。国道49号線から会津若松を見守り続けた歴史は、会津若松の食の要衝。
“控え目な素晴らしさ”“気取らない優美さ”、椿の花言葉そのままに、まさに「重慶」の名にぴったりなお店です。
ごちそうさまでした。

Information
重慶飯店
- 住所
- 電話番号
- 0242-25-2331
- 営業時間
- 11:00~15:00/17:00~20:00※各15分前ラストオーダー
- 休み
- 不定休
- 駐車場
- 5台