正月気分も抜けた2月。そろそろ休めた胃をフル稼働させても良い頃合いになりました。
2月なので“に”のつく食べ物を。そう!「肉」を求めて郡山市へ向かいます。

郡山市役所から開成山公園を背に、北へ150mほど進むと、「食事処 松しま」さんの白と緑の看板が見えてきます。


外観の雰囲気から、敷居が高いイメージがあるかもしれませんね。
しかし青藍色の暖簾を潜れば、そこは開放感と活気に包まれた大衆食堂の雰囲気。


複数でお邪魔するときは座敷やテーブルですが、ソロ入店のときは入ってすぐの相席テーブルが好み。
ややもすればアウェイ感とも捉えられがちな「相席」をスマートに振る舞えてこその定食部です。


席が決まれば、今日は肉を求めていましたので「ソースカツ丼」をロースでオーダーしましょう。
個人的に「松しま」さんのツートップは「ソースカツ丼」と「中華もり&ミニカレーライス」なんです。

人気の「中華もり」は、自家製多加水熟成麺を冷水で締めたつるモチで心地良いのど越し。そば猪口に入った自家製ラー油に、めんつゆを加えて啜ると、ヒリリとした辛みがクセになります。
実はお客さん考案のラー油スタイル。今では「松しま」さんの代名詞的メニューですね。
セットで選ぶのは、ぽってりとしたミニカレーライス。家庭的でありながらほんのりスパイシー。外は寒くても唇はホット!帰路につくまでが「中華もり」なんです。

「松しま」さんには、「カレーライス」と「カレー丼」があることに気付きますが、器の違いだけではなく、カレーライスにはラーメンスープが、カレー丼にはそばの出汁が使われているので、その違いも楽しみたいところです(いつもカレーライスでした)。
他にも、麺類にミニ丼を組み合わせられる「サービスセット」は、ほぼ1,000円にして可能性無限大!
スパイシー×スパイシーな中華もり&カレーを選びがちですが、ラーメン&ミニソースカツ丼もアリですよね。


以前のオーダーを回想しながら待つこと10分ちょっと。ツートップの一角、「ソースカツ丼(ロース)」が蓋を浮かせて到着です。

ハイハットシンバルの如きシルエットから、英語の「Θ」の発音のようにはみ出したロースかつが、どっぷりとソースを潜らせて“褐色の恋人”。
蓋を開けたご対面のインパクトはもちろん、サイドアングルはもはや「アーチ橋」。歌川広重が、日本橋に代えて描いてもおかしくないほど鮮やか。

とんかつを頂くときは、鍵盤に見立てて「ミ」の位置から頂くことにしています。
ソースを潜らせた会津スタイルの衣の先には、柔らかく肉汁たっぷり、ロースの醍醐味。歯を入れると、クリスピーな食感とソースの甘み酸味。丁寧に筋切りされたロースも柔らかく、旨みが毛細血管の隅々にまで行き渡るようです。

そして、忘れてはいけないのがご飯。郡山市内の契約農家さんから買い付けるコシヒカリがカツ丼の南半球を支えます。
自家製麺に自家製ラー油、自家調整のソース…。自家製だからおいしいだけではなく、自家製だからできる価格設定なんです。


平日の顔は、サラリーマンを中心とした社食的なお食事処。
土曜・休日の顔は、家族や友人との会食の場。※日曜日はお休みです
女将さんも「来店される子どもたちの成長を見守るのが楽しみで!」と仰るように、ソフトクリーム(280円)やソフトドリンク(220円/キッズカルピスは110円!)が安心価格なところにもやさしさが窺えます。
先代が修行した「松志萬」の暖簾分けとして昭和32年に細沼に創業。25年前に現在の朝日に移転して2024年で67年目。
元気いっぱいにホールを担当する女将さんと、この道60年のベテラン厨房スタッフを含む4名で切り盛り。

こんなお店が近くに有ったらいいなと思うお食事処です。
ごちそうさまでした。
Information
食事処 松しま
- 住所
- 電話番号
- 024-922-3540
- 営業時間
- 11:00~15:00/17:00~21:00
- 休み
- 毎週日曜日
- 駐車場
- 7台