6回目となる今回は、北塩原村・桧原湖畔の名店『奥裏磐梯 らぁめんや』を採り上げたい。
JR猪苗代駅(磐越西線)からバスで1時間程度(「桧原歴史館前」停留所で下車)。「会津米沢街道 桧原歴史館」の敷地内に店舗を構え、眼前に裏磐梯三湖のひとつに数えられる桧原湖の美しい湖面を望む。日常と切り離された風光明媚なロケーションが、旅愁を掻き立てる。
『奥裏磐梯 らぁめんや』は、福島県のご当地麺のひとつ「会津山塩ラーメン」の先駆け。
2008年4月、喜多方の名店「喜一」の系列店「檜原宿 Sio-Ya(シオヤ)」として産声を上げ、2015年9月、屋号を『奥裏磐梯 らぁめんや』へと改めた後も、「会津山塩ラーメン」の代表店として揺るぎない支持を集め続けている。
『奥裏磐梯 らぁめんや』で食すべきはもちろん、看板商品である「会津山塩ラーメン」。動物系素材の重厚なコクと、昆布の清冽な和風味を丁寧に折り重ねたスープは、麺の姿形が明確に視認できるほどの透明度を誇る。
だが、そんな透明感とは裏腹に、ひとたびレンゲを差し入れれば、味蕾を起点に天然素材由来の芳醇なうま味が口いっぱいに広がり、食べ手の胃袋を確実に捉え抜く。様々な山海の素材が交差し溶け合うことで生み出される味わい。そのけん引力は強烈だ。
この出汁に合わせるのが、大塩裏磐梯の温泉水を昔ながらの製法で煮詰めて採る「会津山塩」を用いた塩ダレ。
会津の山塩は、ミネラルを豊富に含み、シルクのヴェールを思わせる柔らかな甘みが持ち味。この甘みが出汁素材の風味を優しく包み込み、啜りを重ねるにつれてスープの滋味が身体中の細胞へと浸透。飲み干した後、喉元に微かに残る穏やかな余韻が、鮮烈な記憶を刻み込む。
このスープに合わせるのが、多加水中太縮れ麺だ。水分を潤沢に湛え瑞々しく光る麺肌が「啜り」の欲求を掻き立て、適度な縮れがスープのうま味の粋を余白なく掬い上げる。山塩の柔らかな甘み、出汁の穏やかな厚み、小麦の艶やかな香りが、舌上で混然一体と化し、ひと口ごとに深い満足感をもたらす。
自然豊かな景観で魅了し、土地の物語で記憶に残し、味で完全に納得させる。正真正銘、会津屈指の実力店だ。
Information
奥裏磐梯 らぁめんや
- 住所
- 電話番号
- 0241-34-2200
- 営業時間
- 10:00~15:00
※スープがなくなり次第終了 - 休み
- 毎週火曜日
※冬期は第2・4木曜日も休み。他、臨時休業あり - 駐車場
- あり
- リンク
-
https://www.instagram.com/okuurabandai_ramenya/


