ご存知、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作は今から27年後の2045年が舞台。超格差社会はますます進み、多くの人々が荒廃した街に暮らしている。ヴァーチャル・リアリティが人々、とくに若者にとっては唯一最良の憂さ晴らし。VRワールド「oasis(オアシス)」はなくてはならない、思い通りの人生を楽しむことができる「現実」だ。
この映画はオアシスの開発者ハリデーが死んで、遺された3つの謎を解明した者に莫大な遺産とオアシスの運営権が任されるというメッセージが発せられることから始まる。そこから、全人類が参加する大争奪戦が繰り広げられていく。世界中の人々が謎解きに躍起になる中、17歳の孤独な青年・ウェイドももちろん、このVRゲームに参加。謎めいた美女・アルテミスと出会い、ウェイドは1つめの謎を解き明かすことに成功する。一躍オアシスの有名人となるが、一方ではハリデーの遺産を狙う巨大企業に目をつけられる…。
先般公開の「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」もゲームの世界に入るという設定で世界観が共通しているが、この「レディ・プレイヤー1」はケタ違いの娯楽度だ。とにかく映像の派手さは半端じゃない、の一語に尽きる。東京での関係者試写会は守秘義務契約書へのサインを要するという厳重な管理の下だったので、詳細は明かせないが…、世間で最も関心を集めているキャラクターやアイテムについては、「え!まさか!?これも出てくるの?」という、驚きの連続。配給はワーナーブラザーズ映画で、スタジオ★○▲の「風の谷の★○▲□」をちゃっかり引用してのけた「銀魂」と同じ。ワーナーブラザーズ映画は今後、事務所やスタジオの垣根を飄々と超えてしまう急先鋒の映像制作会社となってしまうのか、と言いたくなるほどだ。
全てのクリーチャーやヒーローに精通しているわけではないので断言できないが、アメリカと日本のキャラクターが大半を占めており、ヨーロッパやそのほかの地域のキャラクターは非常に少ない。70~80年代のヒットナンバーの選曲や、映画好きがニヤリとしてしまう過去作品の場面のオマージュも多用され、スピルバーグ自身の思い入れがうかがえる。いずれにしても観た後に語らずにはいられない映画になること疑いなしだ。リピーター効果も期待できる、今年のGW映画の台風の目となるだろう、新体験のエンターテイメントになっている。