錦秋乱舞・鮮烈の矢ノ原湿原
湿原は、奥会津のさらなる深部にひっそりと佇んでいる。うっそうと木々が生い茂る薄暗い静謐(せいひつ)の世界を、風のざわめきだけが静寂を破って時折駆け抜けている。そんな『矢ノ原湿原』が、圧巻怒濤の錦秋絵巻を炸裂させるのがこの10月末なのだ。鮮烈に染まった天と沼は紅蓮と燃え盛り、比類ない錦秋乱舞をさらに燦然(さんぜん)と鼓舞する。
矢ノ原湿原は北と南に分かれており、標高は660m前後。約8万年前に形成された、日本で2番目に古い湿原だと言われている。遊歩道のある南湿原の散策は、高低差もあまりなく2時間ほどの楽しい撮影時間が約束されるが、防寒や悪天対策にも十分の留意が必要だ。近くには整備された駐車場とトイレもある。
湿原から車で15分ほどの「喰丸小(くいまるしょう)」は昭和村の観光施設で、10月下旬から11月上旬には木造校舎と黄葉した大イチョウのコラボが素晴らしい。こちらもおすすめをしたい。
文・写真/星 賢孝
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昭和村・矢ノ原湿原
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