4月になり、心機一転がんばっているみなさんも多いことでしょう。そんなとき、栄養をつけたいと思えば、ここは身体がカツ丼を欲しますよね。
第22回の「ふくしま定食部」は、梁川町でカツ丼ときたらこちら『味処 栄寿し』さん。
阿武隈急行線梁川駅から北へ歩いて5分、そういえば以前は入り口近くにバスケットゴールがあったなぁなどと思い出しながら、緑茶を彷彿とさせる暖簾を潜ります。
梁川町は、「パレオパークやながわ」、梁川美術館など、家族でちょっと出かけるのにもいい街ですよね。
梁川町にもたくさんのお食事処がありますが、『栄寿し』さんは駅前のお寿司屋さんで座敷もありますから、ご家族でゆったりしたい方で賑わいます。
さて、お寿司と並んで注文率が高いのがカツ丼。これまでソースカツ丼も何度かいただいておりますが、次回は"煮込みカツ丼"をいただこうと、この2月末から決めておりました。
待つこと10分ほどでしょうか。
ロシアワールドカップは昨年(2018年)でしたが、梁川代表のジャパンブルー。オフサイド気味に丼から飛び出したカツが運ばれてきました。
藍色を見ると落ち着くのが日本人特有の感性。カツ丼を前に、はやる気持ちを一度落ち着かせます。この丼、蓋からのはみ出っぷりはなかなか。サイドからのアングルも圧巻です。
さて、蓋を開けた途端、梁川町内「広瀬橋」の銅像ポーズをしてしまうほどの美しさ!
カツの合間を流れる玉子は、まるで枯山水。
カツ丼は本能で食べるもの。ここは梁川町ですから、パレオ気分で豪快に頬張りましょう。
こちらのかつは、豚肉をローラーにかけてスジ切りし、さらに叩いていますから、歯どころか歯茎さえもいらないんじゃないかという柔らかさ。
ここでふと思うことが。汗をかいた丼の蓋に書かれた文字が、以前は青文字で「しぶや」でしたが、今回は赤文字「味処 栄寿し」になっています。
それについて伺ってみますと、終戦後に現店主のおじいさんが始めたのが「しぶや食堂」。その後は、叔父さんが継いだそうです。
一方、昭和42年に現店主のお父さんが創業したのが『栄寿し』。「しぶや食堂」を始めたおじいさん(栄さん)の名前をとって、この店名になりました。
惜しまれながら「しぶや食堂」は畳まれますが、その後も名物だったカツ丼の味を求めるお客さんが多かったといいます。そこで秘伝のタレを『栄寿し』が継承していたことから、こちらで裏メニューとして提供されるようになったそうです。
現在の場所に移転したのを機にメニュー表に載せたところ、それからは"梁川町内外で評判カツ丼"となったそうです。
今でも、当時の「しぶや」と書かれた器を使うこともあるそうです。以前私が受け取った丼は、当たりだったと知って、感慨深く思いました。
柔らかいカツ、絶妙な火の入り具合の玉子。ご飯を頬張ったら、赤海老の頭が入った味噌汁ですぅーっと追いかけます。このあたり、お寿司屋さんならではの贅沢さですよね。
すっかり満足して、温かいお茶をいただいたらお会計です。
帰りに、お子さんの成長と共に外したというバスケットゴールがあった場所に、目線だけのループシュートを決めて、ごちそうさまでした。
Information
味処 栄寿し
- 住所
- 電話番号
- 024-577-1213
- 営業時間
- 11:30〜13:30/17:00〜21:00(各30分前ラストオーダー)
- 休み
- 毎週水曜日
- 席数
- カウンター6席、テーブル30席、座席・小上がり8席
- 駐車場
- 5台