白河市は信州・出雲・盛岡と並ぶ日本四大そば処。
第108回の「ふくしま定食部」は、夏休みを使って「白河そば」を愉しむ日にすると決めました。
最近は白河市までは、福島駅からでも1時間半ちょっとなので東北本線を利用しています。
白河駅の改札を出たら左へ。信号2つ目で右折するとおおよそ7分で『そば処 𠮷田屋』さんに到着。
風格漂う金文字の看板に目をやりつつ若竹色ののれんを潜ります。店内は竹や障子に彩られて落ち着く空間。
個人的に定位置な入ってすぐのテーブル席におじゃまします。
麦茶をいただきつつメニューを確認。
定食は4種の提灯そば定食に天ぷら定食と事前学習済み。提灯そば定食は鳥そば・海老入り・ざるとバリエーション豊富ですが、ここはオーソドックスに「提灯そば定食」を(温)でお願いしましょう。
引きも切らないお客さんの盛況ぶりと、厨房の活気が店内を包むなか、待つこと10分程でしょうか。「提灯そば定食」が到着です。
さぁ、いきなり訪れるクライマックス!シンバルを打ち鳴らした後のフォロースルーの如く提灯の蓋を虹を描くようにオープン。
上段には満天の星空のように散りばめられた胡麻と梅。生姜をのせた木綿豆腐としっかり目に漬かった漬け物が、香ばしい胡麻のご飯と相まってシンプルに旨いです。
下段のそばも食べ応え十分。三方に配置されたかまぼこ・いんげん・長葱。その真ん中のサクサク天かすがたっぷりでこれもうれしい。
うつわを両手で持ち上げてつゆを啜ると、出汁の旨みが体の隅々にまで染み渡るよう。
本枯の本節・宗太節・屋久鯖節の力強いコクと、3週間以上寝かせた返しのまろやかな酸味が合わさった奥行きのある旨み。
続いて、躊躇なく天かすごとそばを摘まんだらズズっとひと啜り。福島や秋田産のそば粉を使った二八そばならではの滑らかな喉越し。天かすから染み出すコクに負けないそばの風味もしっかりと感じます。
たまらずご飯を頬張れば満ちる幸せ。漬け物で一旦テンションを整えたら再びそばへ。そしてご飯へと続く主食のキャッチボール。
つゆもすべて飲み干したら、再び提灯を組み上げるまでが提灯そば定食。おいしいため息とともに完飲完食の大満足。
多彩な𠮷田屋さんのメニューの中でも、白河の伝統的な「割子そば」を忘れてはいけません。
江戸時代の出雲発祥「割子そば」は割籠に詰めて野外へ持ち出していました。やがて洗いやすい丸型の漆器になり、割籠が転じて割子となったとも言われています。
松平定信公が冷害に強いそば栽培を奨励したことがルーツの白河そば。出雲松江藩と陸奥白河藩の両・松平家の繋がりが生んだ恩恵を感じますよね。
馥郁としたそばの香りが乗せた具材の味わいと相まって噛むたびに豊かに広がります。
前の段の味わいを積み重ねていくシステムも興味深く、いくらおろしから始まって、なめこ、じゅんさい、月見とろろが通り過ぎた旨み凝縮の器へのラストにはシンプルなきざみ海苔が正解ですね。
創業は江戸時代後期の文化14(1817)年頃、200年の歴史を誇る白河市の名代そば。
若旦那の淀みない切り盛りと柔らかな物腰が、歴史の継承と新しい提案を添える𠮷田屋さんの魅力のひとつ。白河そばの魅力を堪能したくなったら𠮷田屋さんですね。
またおじゃまさせてください。
ごちそうさまでした!
Information
そば処 𠮷田屋
- 住所
- 電話番号
- 0248-23-3064
- 営業時間
- 11:00~14:00/16:30~19:00
- 休み
- 毎週水曜日、毎月最終火曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)
- 駐車場
- 15台

